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カルト:本来は「儀礼」や「祭祀」という“特に悪いイメージの無い意味合い”だったが、今では「犯罪行為をする様な反社会的な集団」を意味する。
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「カルト」と言えば、「教団」という言葉が結び付く。「カルト教団=反社会的な宗教団体」というイメージを持つ人が、多数派だろう。オウム真理教事件を起こしたオウム真理教もそんな1つで、1980年代末期から1990年代中期に世間を騒がせた。
だが、「カルト=犯罪行為をする様な反社会的な集団」というイメージが一般的になったのは、「1978年11月18日、南米のガイアナで918人もの人が、大量殺人及び集団自殺した『人民寺院事件』。」が切っ掛けと言われている。オウム真理教もそうだが、人民寺院でも「“暴力による恐怖政治”と“閉ざされた空間でのマインド・コントロール”が、“信者達”から冷静に物事を考える力を奪った。」のは間違い無い。人間は、決して強い存在では無いのだ。
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足の甲を切る自傷行為と、「もう駄目。死にたい。」というツイートを繰り返す浪人生の外丸くるみ(とまる くるみ)。或る日、突然フォロワーの1人からDMが届き、ネット上の自助グループ<銀色の国>に導かれる。一方、自殺対策NPO法人の代表として日々奔走する田宮晃佑(たみや こうすけ)の下には、友人が自殺したという悲報が届く。元相談者でも在った其の友人・市川博之(いちかわ ひろゆき)が、今になって死を選んだ原因を調べる内に、晃佑は或る恐ろしい計画の一端に辿り着く。
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逸木裕氏の小説「銀色の国」は、「自殺を望む者達にヴァーチャル・リアリティ(VR)の自殺ゲームを送り付け、マインド・コントロールする事によって、自殺に追い込む。」という卑劣な犯罪を扱っている。VR技術は非常に発達し、現実の光景を見ている様な感じがしたりする。そういうVR技術を駆使すれば、じっさいにそんな“大量殺人”が遠くない将来、実際に起こってしまうかも知れない。
「理解し難いIT用語や、自殺に結び付き易い要素(飲酒や共依存等)が判り易く説明されている。」のは評価出来るけれど、“謎解き”という面では非常に物足りない。“犯人当て”という部分が、“実質的”に存在しないからだろう。
総合評価は、星3つとする。