次の出来事は全て、此の1ヶ月位の間に自分が経験した事だ。
近所の郵便局のATMに、金を下ろしに行った。其処はATMが1台しか置かれておらず、新型コロナウイルス感染症対策の為か、ATMを操作する人の後ろには、高さ1m程の衝立が新たに設置されていた。衝立越しに見ると、70代後半と思われる男性がATMを操作している。自分は次の番を、衝立の後ろで待っていた。
2分近く過ぎても、彼はATMの前から離れない。自分の後ろには、2人が並んでいた。「高齢者だから、操作にもたついているんだろうな。」と思って待ち続けていると、「貯金通帳を御取り下さい。」という機械音声が聞こえて来た。「漸と終わったか。」と思ったのだが、男性は少しだけ横に動くも、ATMの前から離れない。「他に、何か手続きしているのかな?」と思って様子を見ていたが、特に動きを見せない状態で1分程経った。
「何してるんだろ?」と思って、衝立の横から覗いてみると、何と彼はATMの脇に置いてある散らしを手に取り、読んでいるではないか。流石に頭に来て、強い口調で「次良いでしょうか?」と言うと、彼は「嗚呼・・・。」と答えただけで、何事も無かったかの様に去って行った。
スーパーで、会計の列に並んでいた時の事。会計をしているのは50代と思われる女性で、どうもレジの女性と知り合いの様。自分の番は彼女の次で、自分の後ろにも既に5人の人が待っていた。レジ打ちが終わっているのに、2人はぺちゃくちゃと世間話をしている。「早くしてくれないかなあ。」と苛々して待っていたが、世間話が終わる気配は全く無い。余りにも長いので、後ろからは「早くしてくれよ!」という感じの咳払いや足を踏み鳴らす音が聞こえて来た。で、客の女性が後ろを振り向き、状況が判ったのだろう、レジの女性に「じゃあね。」と言って、去って行った。客の女性もレジの女性も、我々には何も言わずにだ。
別のスーパーに、買い物に行った時の事。入り口には除菌スプレーが置かれており、40代と思われる男性が「シュッシュ。」と手に吹き掛けていた。普通ならば、直ぐに店内に入って行くだろう。でも、彼は除菌スプレーの前から動こうとしない。ハンカチを取り出し、ゆっくりと手を拭き出したと思ったら、次は掛けていた眼鏡に除菌スプレーを吹き掛け、そしてレンズをハンカチで拭く。「もう終わりだろうな。」と思ったら、改めて手に除菌スプレーを吹き掛け、再びハンカチで手を拭き、そしてじーっと自分の手を見ている。1分近くもそんな感じなので、後ろに並んでいた男性が「皆、待ってるんだよ!!」と声を掛けると、後ろを振り返った彼は並んでいる人達を一瞥し、表情を変える事も無く、何も言わずに店内に入って行った。
「後ろに人が並んでいる事に気付かず、並んでいる人達を苛々させてしまう。」という事は、自分もしてしまう可能性は在る。だから、そういう事をどうこう言いたい訳では無い。言いたいのは、「そういう事をしてしまった際、『済みません。』の一言が、何故言えないのだろうか?」という事。何かの病気ならば、そういう対応が出来ないのは仕方無いけれど、少なくとも今回の3人に関しては、そんな感じでは無かった。「彼等の親も、そういう当たり前の事をして来なかったのだろう。だから、彼等に対しても、そういう教育をして来なかったのではないか。」と思ってしまう。
先日、雨の日のことです。地上から地下街へ入りました。傘はたたんでます。普通は傘は立てて垂直に持ちますよね。前を歩いているおっさんは傘を水平に小脇にかかえて持ってます。後ろを歩く私の腹に前には、そのおっさんの傘の先が。危険です。後ろを人が歩くということが想像できないんですね。
想像力の欠如、そういう事も一因なのでしょうね。昔から此の手の人は一定数居ましたが、近年はどんどん増加している様で、不気味さすら感じてしまう。
水平に持った傘や煙草等は、最早凶器と言っても良い。自身が逆の立場だったら、どう感じるか?そういう想像力が働かないというのは、本当に困った物です。
「自分にとって不都合な事柄は、徹底的に誤魔化し、多くの人が忘れるのを待つ。」、そういう風潮も強くなっていますね。世界のリーダー達の言動が、そういう風潮を後押ししているのは、何とも嘆かわしい事です。