4月11日付けの東京新聞に「定期券は知っている」という記事が載っていた。中央大学理工学部長の田口東教授(都市交通計画)は、鉄道の混雑対策の研究で定期券利用者に着目。国土交通省が5年に1度行う公共交通機関利用調査「大都市交通センサス」で、約30万人を調べた2000年のデータを基に、初乗車や降車、乗り換え等に付いて、128路線1,815駅を性別や年代別に分析。その結果の一部が、記事として紹介されている。
どの項目に於いても男性が女性を上回っていたが、或る駅の或る項目は例外だったそうだ。それは「錦糸町駅の初乗車が男性1万1,718人に対し、女性は1万3,243人。」というもの。最も多い年代は男性が50代以上、女性は20代だった。
「確かに女性が増えた印象は在る。でも、男性より多いのかな?南口は昔からの歓楽街で男性が多いし、住人は少ない。」とは錦糸町商店街振興組合理事長の言葉。錦糸町駅が所在する墨田区の広報広聴係は「男女の人口に、大きく差は無い。」とした上で、考えられる背景として「駅近くに単身者向けマンションが増えた。」、「バスのアクセスが良い。」、「駅周辺の駐輪場整備で、遠方の利用者が増えた。」事等を挙げているが、記事でも触れている様にそれがイコール「男性よりも女性の初乗車数が多い」絶対的な理由には為り得ていない。田口教授も“逆転現象”に付いて、「理由が判らない。」としている。
定期券の使用状況から見えて来る事は、他にも色々在る。
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① 降車に関して、山手線の東側は年配男性、西側は若い女性が目立つ。
東側の駅の降車で言えば「東京駅は女性4万3,290人に対し、男性は全体の74%の12万5,198人で、半数が50代以上。」、「新橋駅は70%が男性で、50代以上が半数を占める。」。
一方西側の駅の降車では「新宿駅は全体の38%(7万307人)が女性で、最多は39%を占める20代。」、「渋谷駅は全体の42%が女性で、最多は44%を占める20代。」。
この様な特徴が出た理由に付いては、恐らく皆様方も想像が付く事だろう。「東は大手企業の本社が多く、年齢層が高くなる。大型小売店が多い街は、若い女性の勤め先になる。新宿や渋谷の傾向も、その反映では?」と田口教授は分析している。因に、銀座駅は男女の比率がほぼ同じで、女性は20代が最多だったそうだ。
② 初乗車駅の上位及び降車駅の上位
初乗車駅の上位には大宮駅や川口駅、蕨駅、津田沼駅が並び、降車駅の上位は都内の駅で占められている。東京の勤務者は神奈川よりも埼玉や千葉の住民が多いとも言え、特に初乗車駅の上位にずらっと埼玉の駅名が並んでいる事で、良く言われる「埼玉都民」なる表現があながち間違ってはいない証明になりそう。
③ 消費行動
消費行動を調べた別データを加味すると、新宿駅は私鉄や中央線に比べて渋谷駅経由の山手線利用者が少なく、渋谷と競合している。消費は「銀座駅が食事と劇場、上野駅は博物館と普段着購入等」に向かっており、利用者の平均年収が最も高い路線は半蔵門線だった。
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田口教授は気掛かりな点として、次の様に述べている。
「全般に50代以上の女性が少ない。つまり、定期券を使って働くこの世代の女性が少ない。女性の働く機会の問題が表れている。」
どの項目に於いても男性が女性を上回っていたが、或る駅の或る項目は例外だったそうだ。それは「錦糸町駅の初乗車が男性1万1,718人に対し、女性は1万3,243人。」というもの。最も多い年代は男性が50代以上、女性は20代だった。
「確かに女性が増えた印象は在る。でも、男性より多いのかな?南口は昔からの歓楽街で男性が多いし、住人は少ない。」とは錦糸町商店街振興組合理事長の言葉。錦糸町駅が所在する墨田区の広報広聴係は「男女の人口に、大きく差は無い。」とした上で、考えられる背景として「駅近くに単身者向けマンションが増えた。」、「バスのアクセスが良い。」、「駅周辺の駐輪場整備で、遠方の利用者が増えた。」事等を挙げているが、記事でも触れている様にそれがイコール「男性よりも女性の初乗車数が多い」絶対的な理由には為り得ていない。田口教授も“逆転現象”に付いて、「理由が判らない。」としている。
定期券の使用状況から見えて来る事は、他にも色々在る。
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① 降車に関して、山手線の東側は年配男性、西側は若い女性が目立つ。
東側の駅の降車で言えば「東京駅は女性4万3,290人に対し、男性は全体の74%の12万5,198人で、半数が50代以上。」、「新橋駅は70%が男性で、50代以上が半数を占める。」。
一方西側の駅の降車では「新宿駅は全体の38%(7万307人)が女性で、最多は39%を占める20代。」、「渋谷駅は全体の42%が女性で、最多は44%を占める20代。」。
この様な特徴が出た理由に付いては、恐らく皆様方も想像が付く事だろう。「東は大手企業の本社が多く、年齢層が高くなる。大型小売店が多い街は、若い女性の勤め先になる。新宿や渋谷の傾向も、その反映では?」と田口教授は分析している。因に、銀座駅は男女の比率がほぼ同じで、女性は20代が最多だったそうだ。
② 初乗車駅の上位及び降車駅の上位
初乗車駅の上位には大宮駅や川口駅、蕨駅、津田沼駅が並び、降車駅の上位は都内の駅で占められている。東京の勤務者は神奈川よりも埼玉や千葉の住民が多いとも言え、特に初乗車駅の上位にずらっと埼玉の駅名が並んでいる事で、良く言われる「埼玉都民」なる表現があながち間違ってはいない証明になりそう。
③ 消費行動
消費行動を調べた別データを加味すると、新宿駅は私鉄や中央線に比べて渋谷駅経由の山手線利用者が少なく、渋谷と競合している。消費は「銀座駅が食事と劇場、上野駅は博物館と普段着購入等」に向かっており、利用者の平均年収が最も高い路線は半蔵門線だった。
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田口教授は気掛かりな点として、次の様に述べている。
「全般に50代以上の女性が少ない。つまり、定期券を使って働くこの世代の女性が少ない。女性の働く機会の問題が表れている。」
なかなか興味深いですね。
特に50代女性の定期使用がすくないこと。
雇用が少ないのもあるでしょうが
主婦のパートターマーなら自転車で通えるような近場も多いでしょうし。
錦糸町は不思議ですね。
降車ならまだしも乗車は?です。
夜間駅近くで働くおねいさんたちは
電車のある時間で帰るのでしょうか・・
東京駅は出張オヤジ(兄ちゃんもいる?)で
わかるのですけど。
時たま関西でも交通量調査をしますが
年収をどうやって調べてるのでしょうか
こちらの手法もまた、興味深いです。
人間らしい働き方って、住んでるとこのそばでないとやっていけなくなりそうな気がするのです。
都市集中型の働き方は家庭を壊しやすいし、健康も損ねやすい。
野球場なら深夜バス乗っても行く私がいう事でもないかな??
遊びに誘われると大概「集合・船橋駅」で、船橋駅まで一時間のところに住んでいたからいつも疎外感感じてました(苦笑)。
東京駅が「74%男性」というのもナンダカナア。いかにも日本ですわ(苦笑)。新橋の年齢平均もものすごいなあ。
でも10年後は若干変わってくるかな?という感じも受けます。団塊とそのあとの年代(50代)がいなくなるでしょうし。
継続して研究したら面白いでしょうね。
地方だったら平均年齢はぐっと若くなりそうですね。土地によっては高校生しか乗らないような路線もありますから…。
千葉や埼玉から(都内に)通っている同僚、自分の周りにも多かったです。一番ビックリしたのは、静岡から新幹線で通勤している人間が居た事。通勤時間を聞いたら自分の場合よりも短かったし、「毎日座って通えるから快適。」と語っていましたが、交通費はかなり掛かりますよね。我が国の経済が、此処迄落ち込んでいなかった時代の話です。
新橋は“おっさんのワンダーランド”ですからねえ。昔は良く、立ち飲みしたものです。
http://mytown.asahi.com/nagano/news.php?k_id=21000320710020001
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/kikaku/015/4.htm
http://kurc2.at.infoseek.co.jp/aoi/2004/nf/genkou15.htm
長野新幹線、東北新幹線、九州新幹線で多いそうです。(読売の記事は少々古いですが、記事当時とあまり変化はないようです)
ただ、地域企業に勤める人間や農家のような人々と「長野都民」化した人々との軋轢があるという話も聞いたことがあります。
自分の首都圏勤務時代の同僚には大学生の頃から東京へ新幹線通学、社会人で新幹線通勤、というつわものがいました。三島の住民でした。
大学のときで定期代20万弱だったけど、「下宿や仕送りより安く上がった」そうです。人それぞれ考えがあるものですね。自分にはなかなか理解できそうにありません^^;。
実際に体験しないと理解できないかも…^^;。
新幹線通勤者が増加傾向に在るというのは意外な話でした。確かに都内に通う場合、「新幹線通勤者」と「神奈川や千葉、埼玉辺りからの通勤者」では通勤時間がそれ程変わらないのでしょうし、常に座れるという事や住んでいる地域の物価が安い等のメリットは在りましょうが、この御時世に新幹線での交通費を負担してくれる会社がそんなに在るとは。もしかしたら、全額負担じゃないのかもしれませんね。それにSpa supernovaが触れておられる様に、地元勤務者との微妙な軋轢も在りそうで、全てが上手く行っている訳では無いのかも。
紹介戴いた記事の中で新幹線通勤者が「夜の飲み会に参加出来る時間が短い。」と述べていますが、新幹線で通勤していた嘗ての同僚が同じ事を言っていました。