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「男と生まれたからにゃ、遣ってみたい物が3つ在る。其れは聯合艦隊司令長官、オーケストラの指揮者、そしてプロ野球の監督だ。」(水野成夫氏:フジテレビジョン(現フジ・メディア・ホールディングス)初代社長。元日経連常任理事・経済団体連合会理事・経済同友会幹事。)
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3ヶ月程前だったか、書店で1冊の本に出会った。其の本は「虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督」(著者:村瀬秀信氏)というタイトルで、“謎の老人監督”という部分に目が吸い寄せられてしまった。思わず手に取って流し読みすると、「阪神タイガースの第8代監督・岸一郎氏」に付いて書かれた内容。
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・「歴代監督の勝敗数 第1弾[ジャイアンツ編]」→「歴代監督の勝敗数 第2弾[ベイスターズ編]」→「歴代監督の勝敗数 第3弾[タイガース編]」→「歴代監督の勝敗数 第4弾[カープ編]」→「歴代監督の勝敗数 第5弾[ドラゴンズ編] 」→「歴代監督の勝敗数 第6弾[スワローズ編]」→「歴代監督の勝敗数 第7弾[ライオンズ編]」→「歴代監督の勝敗数 第8弾[ホークス編]」→「歴代監督の勝敗数 第9弾[ゴールデンイーグルス編] 」→「歴代監督の勝敗数 第10弾[マリーンズ編]」→「歴代監督の勝敗数 第11弾[ファイターズ編]」→「歴代監督の勝敗数 第12弾[バファローズ編] 」→「歴代監督の勝敗数 第13弾[大阪近鉄バファローズ編]」
・「歴代監督の出身地 第1弾[ホークス編]」→「歴代監督の出身地 第2弾[マリーンズ編]」→「歴代監督の出身地 第3弾[ライオンズ編]」→「歴代監督の出身地 第4弾[ゴールデンイーグルス編]」→「歴代監督の出身地 第5弾[ファイターズ編]」→「歴代監督の出身地 第6弾[バファローズ編]」、「歴代監督の出身地 第7弾[ジャイアンツ編]」、「歴代監督の出身地 第8弾[タイガース編]」→「歴代監督の出身地 第9弾[ドラゴンズ編]」→「歴代監督の出身地 第10弾[ベイスターズ編]」→「歴代監督の出身地 第11弾[カープ編]」→「歴代監督の出身地 第12弾[スワローズ編]」→「歴代監督の出身地 第13弾[大阪近鉄バファローズ編]」→「歴代監督の出身地 第14弾[後楽園イーグルス等編]」→「歴代監督の出身地 第15弾[大東京軍等編]」
・「歴代監督の現役時代のポジション 第1弾[ホークス編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第2弾[マリーンズ編] 」→「歴代監督の現役時代のポジション 第3弾[ライオンズ編] 」→「歴代監督の現役時代のポジション 第4弾[ゴールデンイーグルス編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第5弾[ファイターズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第6弾[バファローズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第7弾[ジャイアンツ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第8弾[タイガース編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第9弾[ドラゴンズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第10弾[ベイスターズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第11弾[カープ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第12弾[スワローズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第13弾[大阪近鉄バファローズ編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第14弾[後楽園イーグル等編]」→「歴代監督の現役時代のポジション 第15弾[大東京軍等編]」
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当ブログでは過去に、「(消滅したチームも含む)日本プロ野球全チームの歴代監督に関するデータ」を基にした記事を、上記の如く書いている。自分がリアル・タイムで試合を見て来た以前に関しては、全く知らない監督も少なからず存在するのだが、中には“素性が非常に気になる方”も居たりする。タイガースの第8代監督を務めた岸一郎氏は其の筆頭だが、如何せん彼に関する情報は乏しく、ずっと気になっていた。
なので、「虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督」の存在を知った時は滅茶苦茶興奮したし、「読んでみたい!!!」という思いで溢れた。(購入する余裕も無いので)図書館に予約を入れ、借りられる日を待ち望み乍ら、当ブログに書き込んで下さった或るタイガース・ファンの方には、「非常に興味深い本が在り、読み終えたら紹介します。」といったレスを付けたりも。
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・大阪タイガース(現・阪神)の第8代監督。1955年(昭和30年)にタイガースの監督に就任しているが、僅か2ヶ月しか指揮を執っていない為、熱烈なタイガース・ファンの間でも語られる事は殆ど無いという謎の老人。就任当時で還暦。男性の平均寿命が63.6歳だった当時の感覚では完全に御爺さんで在る。
・現在の甲子園球場外野スタンド外に在る甲子園歴史館には、歴代監督のコーナーが掲示されているが、第8代岸一郎の写真の下には、こんな短い説明書きが添えられている。“異例のプロ野球未経験での監督就任。オーナー野田誠三宛に書いた「タイガース再建論」に野田が感激し、監督に就任した背景が在ったが、約半年という史上最短で退陣した。”。60歳になる迄此の敦賀で農業をして暮らしていたというプロ野球経験の無い老人が、何処でどうしたのかタイガースの監督になってしまった。
・岸一郎。監督就任時60歳。プロ野球経験の全く無い素人がオーナーへの投書によってタイガースの監督に就任するも、選手から総スカンを浴びて休養。会見で発表された休養の理由は「痔の悪化」で在る。
・<昭和30年の阪神のオーダーは優勝を狙うに十分な布陣で在ったが、内紛が在ってチームは和を欠いた。思うに阪神は其の後も小型内紛、大型内紛を繰り返し、常に実力兼備のチームで在り乍ら昭和55年に到る迄に優勝僅か2度に過ぎぬ。情け無い限りで在る。チームの和を欠く阪神の悪伝統の原点が、30年の岸退陣事件に在ったと断定しても差支え在るまい。>(大和球士氏著「真説日本野球史」)
・「そら、阪神の監督なんてけったいなもんですわな。」。間も無く89歳になろうかという吉田義男が柔らかな、其れこそビリケンさんの様な微笑みを浮かべ乍ら言った。
・33試合16勝17敗(内巨人戦1勝9敗)。勝率4割8分5厘。此れが岸一郎の監督としての数字の全てで在る。
・「岸一郎が監督になった事で、タイガースの歴史が変わったと言うたら大袈裟かも知れんけどな。監督が2ヵ月や其処らで選手等に排除されたというのは、矢っ張り異常よ。スポニチの先輩記者、荒井忠さんが案じていたタイガースの悪しき伝統“選手王様気質”の始まりとも言えるやろうな。」。
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プロ野球に関心を持つ様になってから半世紀以上経つが、昔のタイガースを知っている身からすると、今のタイガースは全く別の存在の様に思える。昔は「優勝争いに絡む事は先ず無く、熱烈なタイガース・ファンからも“駄目虎”と揶揄される弱いチームだったし、何よりも“御家騒動”が頻発し、『〇〇派vs.XX派』というチームの内部抗争が、シーズンオフの定番だった。」から。今は強いチームへと変貌したし、(大きな)御家騒動の話も見聞しなくなって久しい。