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「消えた殿様蛙 生物の観測、都市化で休止相次ぐ」(3月5日、朝日新聞)
5日は暦の上の「啓蟄」で、冬籠もりしていた虫達が動き出す時期とされる。気象庁は1953年から、季節の移り変わりを動植物の様子で見る「生物季節観測」を続けているが、温暖化や都市化の影響で、身近な生き物が見られなくなっている。
気象庁が全国規模で観測の対象として来たのは、殿様蛙、蝶や鳥といった生物が11種、桜や蒲公英等の植物が12種類。生物は、気象台職員が初めて姿を見た日を「初見日」、初めて鳴き声を聞いた日を「初鳴日」、植物は花の「開花日」等を記録に残す。ところが近年、観測が休止に追い込まれる事例が相次いでいる。
「鳴き声さえ、聞く事は少なくなっています。」。千葉県銚子市の銚子地方気象台では、殿様蛙が2011年以降は見られない。此れ迄、毎年の様に確認されたが、5年間も見られないのは初めて。最も早かった1958年は2月23日、遅くても5月初めには見られていた。
殿様蛙は嘗て、東京都と神奈川県を除く45道府県で確認された。然し、2015年春に観測を実施したのは22県で、姿が確認出来たのは栃木や三重等5県のみ。25都道府県は、既に観測を止めている。
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幼少期を過ごしたのは愛知県で、其れも田舎の方だった事から、山に入って虫を捕まえたり、川で魚や蝲蛄等を捕まえたりと、自然に触れる機会が普通に在った。今になって考えると、実に贅沢な環境だったと思う。
30数年前、既に住宅街となっていた当地でも、雉の「ケーンケーン。」という鳴き声を良く耳にしたものだが、聞かなくなって久しい。事程左様に都市部では、生物に触れる機会が減っている。
子供の頃、殿様蛙なんて良く見掛けたもの。だから、「千葉県銚子市の銚子地方気象台では、殿様蛙が2011年以降は見られない。」というのは「へー。」という驚きが在るけれど、其れ以上に驚いたのは「殿様蛙は嘗て、東京都と神奈川県を除く45道府県で確認された。」という事実。「東京都と神奈川県では確認されていなかった。」という事で、「どうして此の2ヶ所だけ、殿様蛙が確認されなかったのだろうか?」と不思議でならない。