「本当に日本で起こったの!?」と思わず目を疑ってしまう“自然災害”による光景を、過去に2度目にした。最初は1995年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」で、倒壊した建物の多さや燃え盛る炎の凄さには、唯々絶句するしか無かった。
そして2度目は、昨年3月11日に発生した「東日本大震災」。激しい揺れの後に発生した巨大津波で、多くの建物が押し流され、数多の人命が失われる光景は、とても日本で起こった事と思えなかった。「巨大津波は、海外で発生する物。」という全く無根拠な思い込みが在り、映画等のフィクション映像を見ている様に感じたのが、正直な所。
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「竜巻か、14歳中学生死亡=40人以上怪我、被害780棟-茨城、栃木で被害相次ぐ」*1(5月6日、時事通信)
6日午後0時45分頃、茨城県つくば市や栃木県真岡市等で竜巻と見られる突風が発生し、40人以上が怪我をし、つくば市の中学3年A君(14歳)が全壊した自宅の下敷きになって死亡した。つくば市は同日午後、災害対策本部を設置し、茨城県の橋本昌知事は自衛隊に災害派遣を要請した。
同本部等によると、建物が崩れる等して、つくば市内で34人が軽傷を負い、内少なくとも2人が入院。住宅や商店といった建物約300棟が全半壊等どの被害を受けた。死亡したA君は家族が外出中の為、当時家に1人で居たと言う。死因は外傷性窒息死と見られる。
茨城県内ではつくば市の他に常陸大宮、筑西、常総の3市で被害が在り、常陸大宮では女性(70歳)が割れた硝子で顔や手等を切り、軽傷。家屋等の建物被害は常陸大宮43棟、常総5棟、筑西90棟に上ると言う。
栃木県の芳賀地区広域行政事務組合消防本部によると、真岡市、益子町、茂木町で、男女計9人が割れた硝子の破片で切り傷を負う怪我をした。何れも命に別状は無いと言う。此の内益子町では、ゴルフ場に居た男性(69歳)と女性(49歳)が、飛んで来た硝子破片やカートに当たり、怪我をした。又3市町で建物345棟が全壊や一部損壊の被害を受けた。
水戸地方気象台によると、突風は竜巻又は強い下降気流(ダウンバースト)の可能性が在り、つくば市では午後0時39分に最大瞬間風速18.7mの南風が吹いた。茨城、栃木等では最大約1万9,000世帯が停電した。
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昨日の昼過ぎ、埼玉県在住の知人に電話していた所、「あれ?何か急に、空が真っ暗になった!」と驚いていた。自分が住む地域は曇り空では在ったものの、雨が降りそうな感じでは無かったので、「今朝の天気予報では『関東地方で、天気が大荒れになる可能性が在る。』と言っていたので、其方は強い雨が降り出すのかも。気を付けて。」と言って電話を切ったのだが、其れから暫くして我が地域でも空が真っ暗になり、そして雷鳴と共に霙が降り出したではないか。霙は強い雨に変わり、暫く降り続いた。
慌ててTVを点けた所、つくば市等で発生した竜巻と思われる突風の被害が報じられていて、其の余りの凄さに「本当に日本で起こったの!?」という驚きが。「絨毯爆撃」という表現が在るが、正にそういった感じの光景が映っていたので。日本でも竜巻の被害は過去に何度も在ったけれど、此処迄凄まじい被害は見た事が無い。海外からの映像では目にした事が在ったけれど、とても日本での光景とは思えなかった。
全壊した自宅の下敷きになって死亡したという、中学3年の少年。現場からの映像には、土台ごと吹き飛ばされ、逆様になった家が映っており、竜巻が如何に強大だったかを思い知らされた。昨日はGWの最終日で、中学3年の少年は「明日から学校かあ・・・。」というブルーな気持ちになっていたかもしれないが、よもや「こんなにも強大な竜巻が、日本で発生する。」なんて思ってもいなかった事だろう。況してや、「其の強大な竜巻に自身が襲われ、命を落とす事になる。」なんて、夢にも思わなかった筈。本当に気の毒でならないし、家族を失った御遺族の気持ちを思うと、心が痛む。合掌。
「一寸先は闇」と言うが、「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」で犠牲になられた方々も、よもや自身が命を落とす事になるなんて、発生前には全く思っていなかったろう。
*1 昨年からファミリー劇場で「帰ってきたウルトラマン(デジタル・リマスター版)」(動画)を再放送しており、ずっと保存版として録画している。第1話から順に再放送していたのだが、昨年の11月末だったろうか、放送回数が飛んでしまった。飛んでしまったのは2話分で、「何故、飛んでしまったのだろうか?」と疑問に感じたのだが、飛んでしまった回の内容を見て納得。飛んだのは「第13話 津波怪獣の恐怖東京大ピンチ!」と「第14話 二大怪獣の恐怖東京大龍巻」というタイトルで、巨大津波が人々を襲うシーンが登場する事から、東日本大震災の被災者達の気持ちを慮っての配慮で在ろう事が判ったから。
そして昨日の“午前中”、延期されていた此の2話がファミリー劇場で再放送されたのだが、「第14話 二大怪獣の恐怖東京大龍巻」というのは偶然の事とはいえ、タイミングの悪さを感じずにはいられなかった。
私は、阪神大震災と東日本大震災、二つの大震災で友人知人を亡くしました。
阪神大震災は、神戸在住の私は、直接の被災者です。神戸にはそれまで、大きな地震はありませんでした。その神戸にあのような、大きな地震が来るとは思いもしませんでした。
父が病気で急死した際、全く予想だにしていなかった事も在り、「~していたら、助かっていたかもしれない・・・。」と悔いが次々に湧きました。そういった思いが湧かなくなったのは、亡くなってから可成りの月日が経ってから。
今回亡くなられた少年の御遺族も、「一緒に出掛けていたら・・・。」等と後悔の念に苛まされるかもしれませんが、自分達を責める事だけはしないで欲しいと、自身の経験から思います。
確かに「阪神・淡路大震災」が発生する迄は、神戸で大きな地震が起きるなんて、自分も考えてもいませんでした。備え在れば憂い無し。唯、「何れだけ備えをしていても、自然の驚異の前には『絶対大丈夫。』なんて在り得ない。」事を、思い知らされた昨年の大地震で在りました。
茨城県つくば市は福島県いわき市や二本松市に次いで福島県浪江町から避難してきた方の多い場所と言うことで、市営住宅にはその方々住んでおられたということです。
また、栃木県真岡市等は先の震災で大きい被害のあった場所。
「これでもかこれでもか」というような災害の連続。酷いものです。いい加減にせいと怒りを感じます。
中学3年生にとってはGWと雖も、受験勉強で出掛けられなかったという可能性は在りますね。家屋に被害を受けた住民が、「竜巻の進行方向に団地が在り、其の団地にぶつかった直後、竜巻が進行方向を変え、自分の家の方に向かって来た。」と証言していました。此れが事実だとすると、「本来は竜巻に直撃された家屋」と「本来は竜巻に直撃されないで済んだ家屋」との運命が、1棟の団地によって分かれてしまったという事になりますね。
「阪神・淡路大震災で被災し、其れ以降引っ越した人が、東日本大震災で再び被災者となってしまった。」という報道も在りました。気の毒の一言では済まされない、本当に酷い話です。