ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

虚舟

2014年10月07日 | 其の他

以前にも書いた事だけれど、自分はミステリアスな物が結構好きだったりする。疑り深い人間なので、無条件にそういった物を信じたりはしないし、其れ以前に信じるというよりも、「もし存在していたら、面白そうだなあ。」というレヴェルの好きさだ。

 

そして、此れも以前書いた事だが、大昔にUFOらしき物を見ている。翌日の新聞にも取り上げられていたが、其れが結局何だったのかは不明だった。だだっ広い宇宙に在って、人類なんて芥子粒の大きさにも値せず、そんな人類が「UFOが存在するとかしないとかを論じる。」のは痴がましく感じたりもする。

 

10月6日付けの東京新聞(朝刊)に、「最古UFO新説 茨城伝説 場所特定?」という記事が載っていた。黒船来航丁度50年前の1803年、常陸国(茨城県)の浜辺に珍奇な船が漂着し、江戸っ子が大騒ぎしたと言う。「虚舟(うつろぶね)」と呼ばれる事になった謎の物体を、記事では紹介している。

 

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「最古UFOに新説 茨城の伝説 場所特定?」

 

享和3年(1803年)、常陸国(茨城県)の浜辺に、珍奇な船が漂着した。瓦版にUFOの様な絵が載り、江戸っ子を驚かせた「虚舟」だ。良く在る奇譚怪談類いと思う勿れ。最近の研究では、現場を特定する文書見付かっている。

 

【瓦版で報じられた虚舟】

 

虚舟の出来事を伝える瓦版は、千葉県船橋市西図書館所蔵する。1804年~1814年頃刷られた。

 

記事によると、現場は常陸国鹿島郡。舟は直径3(5.5m)、高さ1(3.3m)で、上部に硝子窓が在る。19、20歳の女性が1人で乗っていた。身長6尺(180cm)ほどで、顔は青白く、眉毛と髪の色が赤黒い。2尺(60cm)大の白木の箱を抱えていた。漂着地は「京舎ケ浜」と在るが、実在しない。○や△を組み合わせた文章も在る。

 

岐阜大名誉教授田中嘉津夫さん(67歳)が、虚舟の事を研究していた。専門は計算電磁気学非科学的現象懐疑的な目を向ける授業の、世界のオカルト話を収集する中、「世界最古のUFO伝説」として注目した。UFOが有名になったのは、1947年に米国ニューメキシコ州で空飛ぶ円盤が墜落したと伝えられた「ロズウェル事件」。虚舟伝説は、其れより150年も古い。

 

全国には、10程の虚舟事件を記した資料が在った。筋書きは同じで、○や△の文字が在るのも共通する。、漂着地点は「はらやどり浜」、「原舎(はらとの)浜」等バラバラ。「京舎ケ浜」と同様に、実在しない。

 

怪しい舟と女性が漂着する言い伝えは、各地に在った。民俗学柳田國男は、此れ等を調べ、「疑いも無く、作り事。」と切り捨てている。

 

江戸時代後期、日本近海航行する外国船が相次いでいた。見た事も無い異国の人々への恐れが、創作と結び付いたのだろうか。だが、田中さんは言う。「作り話だとは、言い切れません。土台となる何かが、実際に起きたのではないか。」。

 

そう言うには、根拠が在る。昨年末、新たな資料が見付かったのだ。甲賀流忍術継承者で、三重大特任教授川上仁一さん(65歳)が保管していた一枚の文書だ。

 

江戸時代、忍者が情報収集の記録として残した。其処には、虚舟や女性の絵と共に、舎利浜という実在の地名が記されていた。現在の茨城県神栖市だ。川上さんは忍びの者は噂を信じず、裏を取って雇い主に報告する義務が在る。何かの事実を確認したのかもしれない。

 

舎利浜で、1人の男性に声を掛けた。UFOが、此処に来た話は御存知ですか?地元育ちで、毎日、海を眺めているという加瀬道男さん(79歳)は首を傾げた。「UFO?そんな話、今迄聞いた事が無いよ。」。

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天狗等は、外国人の存在を知らなかった人々が、難破によって日本に漂着した外国人の姿を目にし、余りの異形さから作り上げて行った存在ではないかと思っている。忍者が残した文書にも虚舟や怪しい女性の姿が記されているのだとしたら、恐らくは難破船及び難破した外国人女性だった可能性が高そう。


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2 コメント

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Unknown (ぷりな)
2014-10-08 14:05:36
作り話でも眉唾ものの噂でもおとぎ話にしても、「その話が生まれた」という点は事実であり、そういう話が生まれるからには、「それによって損害を回避したい、あるいは利益を得たい」という誰かの狙いや、事実をありていに書くと各方面に角が立つと判断された事柄といったものが背景にあるはず。従って、「内容を信じるかどうかは別として、話の背景にある意図や出来事に考えを及ぼす・調査研究する」という意味においては、偽書・噂・おとぎ話の類は、歴史研究や心理学の研究の取っ掛かりとしては有用であると考えています。

妖怪話の中には、迫害されたり事情があったりして山に隠れ住んでいる人間のことではないかと思われる話がありますね。人間に化けた動物と人間の結婚話は、マイノリティに属する人間が出自を隠してマジョリティに属する人間と結婚したものの、出自がばれて婚家や子供のために身を引く話がモデルとしてあるのではないかという説もあります。
大和朝廷が東進する前からその土地に住んでいた人々は、集団ごとに「土蜘蛛」とか「狐」など動物の名前で呼ばれて辺境に追いやられたそうですし、江戸時代になっても、不倫や身分違いの恋の結果できた子供を、「河童に魅入られてできた子」という名目で生まれてすぐに葬り去るということが行われていたそうです。
妖怪話や怨霊話には、異分子にたいする敵意や畏怖、彼らを迫害したことへの後ろめたさが見え隠れしているように感じられます。人を不幸に追いやっておいて、全く負い目を感じない人がいたら、その人こそが妖怪や怨霊よりも恐ろしい者なのかもしれません。
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>ぷりな様 (giants-55)
2014-10-08 23:55:21
書き込み有難う御座いました。

御指摘の件、全く同感です。どんな事柄で在れ、伝承されて来たからには、何某かの背景や理由が在った筈で、殊更悪しく伝わている対象には、「其の後に権力を握った者達が、自身を正当化したいが為、必要以上に貶めたり、時には捏造したりする事が在った。」と自分も思います。
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