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梨泰院群衆事故:韓国の首都・ソウル特別市の繁華街・梨泰院で10月29日、群衆雪崩によって発生した事故で、155人の死亡&152人の負傷が確認されている。
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「今回の『梨泰院群衆事故』による被害者に対し、批判をする気は全く無い。」事を、最初に断っておく。
悲惨な事故が発生してしまった。「ハロウィンという事で仮装した人達が繰り出した梨泰院で、群衆によって身動きが取れなくなった人達の間で群衆事故が発生し、多くの犠牲者が出てしまった。」のだ。事故発生前の映像を見ると、「渋谷の“スペイン坂”を思い起こさせる狭い坂道が、“立錐の余地も無い”という表現がピッタリな程の人で溢れ返り、自分の意思とは無関係に押し流されて行く。」のが確認出来る。群衆事故が発生しても、全くおかしくない状況だった。
今回の事故での被害者に対しては、「気の毒だ。」という思いしか無い。唯、「こんなにも悲惨な事故が発生したのは、国や当局による警備体制の不備が原因だ!」という批判には、個人的に疑問を感じている。
群衆事故と言えば、我が国でも21年前に「明石花火大会歩道橋事故」が発生している。11人の死亡&183人の負傷という悲惨な事故だった。唯、此の事故は「第32回明石市民夏まつり花火大会」が行われている中で発生した物。詰まり、“主催者”が存在していた訳だ。主催者が存在している以上、彼等は万全な警備体制を敷くべきだし、主催しているイヴェントに関連して被害者が発生した場合は、主催者が厳しく非難されるのは当然だ。
では、今回の事故はどうだろうか?主催者が存在した訳では無く、ハロウィンというイヴェントに関して、自然発生的に人が集まった中で発生した物だ。「新型コロナウイルス感染症流行により、各種イヴェントが行えない状況がずっと続いていたが、今年は規制が緩和されて来た。そんな中で行われるハロウィンなので、梨泰院に人が大勢集まるで在ろう事は予想出来た。」は確かだろうが、だからと言って、「国や当局が万全な警備体制を敷かなかったからいけないのだ!」と“100%”非難されてしまうのも違う気がする。
「人が大勢集まるで在ろう事は予想出来た。」というので在れば、其れは「“此の時期”に、繁華街に繰り出す人々。」にも予想出来たという論理にもなる。「国が国民を守る。」というのは当然の事だが、国民の側も「最低限の想像力や思考力を働かし、どう動いたら良いか?」を判断しないと、今回の様な悲惨な事故は繰り返されてしまう可能性が在るのではないだろうか。