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「従軍慰安婦問題、安倍首相が元慰安婦に心からの御詫びと反省=岸田外相」(12月28日、ロイター)
日韓両国政府は28日、従軍慰安婦問題で合意に達したと発表した。韓国の尹炳世外相との共同記者会見で岸田文雄外相は、安倍晋三首相が元慰安婦に対し心からの御詫びと反省を表明すると共に、元従軍慰安婦支援の為の財団を韓国政府が設立し、日本政府が自国予算で資金を一括拠出する事を明らかにした。
又、岸田外相は慰安婦問題が最終的・不可逆的に解決した事を確認したと述べ、更に日韓両国政府は国連等、国際社会で慰安婦問題に関して互いに批判・非難しない事で合意したと語った。
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2年前の記事「安倍晋三の安倍晋三による安倍晋三の為の国」でも指摘したが、「“安倍晋三”という人物はコンプレックスの塊で在り、彼を衝き動かしている源は、自分を軽んじて来た人達への“怨”の念。」だと思っている。「1日でも長く政権の座に留まれれば、又は歴史に名を刻む事が出来れば、自分を軽んじて来た連中を見返せる。」と考えている節が在る。“国民との約束”を放置し続け、自分の“趣味”を最優先させているのも、国民の事なんぞ眼中に無いからだろう。
中身の無い経済政策“擬き”で見せ掛けの景気浮揚を演出し、定期的にパフォーマンスを繰り出すというのが、安倍政権の常套手段。其れで、此の政権の命綱でも在る“内閣支持率”を高止まりさせて来た。今回の「日韓両政府が、従軍慰安婦問題で合意した。」というのも、「来夏の参院選で大勝し、趣味の改憲へと突き進みたい。其の為には、戦後70年に当たる今年中に従軍慰安婦問題を解決させ、支持率アップに繋げないと。」という安倍首相と、「経済やモラル等、あらゆる面がガタガタになっている事への国民の不満を、ずっと反日政策でガス抜きして来たけれど、其れももう限界。日本との対立を続けていたら、世界で孤立してしまう。」という朴槿恵大統領との利害が一致したからだろう。
第一次政権時、一度だけ安倍首相の判断を評価した事が在る。“歴代首相の中で最悪の首相”と考えている安倍首相だが、色々上で書いたものの、今回の判断に関しては高く評価したい。“隣同士”が不毛な啀み合いを続けているというのは、百害在って一利無しだから。日韓関係が、少しづつでも良い方向に向かってくれればと思う。
「安倍首相が従軍慰安婦問題に関し、“日本政府の責任”と“軍の関与”を認めた。」というが、此の見解自体は歴代の政権が示して来た事で在り、別に新しい方向性を示した物では無い。中曽根康弘元首相も“軍の関与”を認めていたし、全く軍は関与しなかったというのは無理が在るだろう。何度も書いている事だけれど、「戦争は『多くの敵を殺害する事が、高く評価される。』という“異常な状況”で行われている事で在り、そういった状況で“日常の常識”は通用しない。」のは事実で、戦争に関わったあらゆる国で、少なからず日常の常識では許されない事が行われていたと思う。でも、だからと言って、「日本にとって都合の悪い事は、仮に事実で在っても認めない。逆に好都合な事は、仮に事実で無くても、事実と主張する。」というのでは、誰からも相手にされなくなってしまうだろう。「事実は事実として認め、事実で無い事は、事実で無いと毅然と主張する。」のが、真面な人間の在り様。
「1965年の日韓請求権協定で、戦時中の日韓問題は、完全且つ最終的に解決済み。」というのが、日本政府がずっと主張し続けて来た見解。従軍慰安婦問題も含まれ、だからこそ新たに賠償金を支払う必要は無いという事だった。今回、「元従軍慰安婦支援の為に設立される財団に対し、日本政府が10億円を拠出する。」事に付いて、日本政府は「賠償金では無い。」としている様だが、実質的には賠償金と言って良いだろう。必要以上に体面を気にする様な韓国だけに、其の体面を保たせる為にも、「実質的には賠償金なのだけれど、表向きには賠償金じゃ無いと主張する。」事を決めた日本政府には、批判の声も在るだろうけれど、個人的には“大人の対応”で良かったと考えている。「勝った。」だ「負けた。」だという不毛な判断では無く、此の事で日韓関係が好転するので在れば、嘘も方便だ。
今回の件に関して安倍首相は、「私達の子や孫の世代に、謝罪し続ける宿命を負わせる訳にはいかない。其の決意を、実行に移す為の合意だ。」と語ったそうだが、此の考え方自体は全く賛成。事実は事実として認め、謝罪すべき事に謝罪する事は必要だけれど、或る時点で“御互いに”全てを水に流し、発展的な関係を構築して行く事の方が、より重要だから。
で、「日韓両政府が、従軍慰安婦問題に合意に達した。」というのは高く評価しているけれど、問題は此れからだ。1965年の日韓請求権協定で決着していた筈なのに、日韓関係が悪化し続けていたのには、韓国側の理不尽な主張も在るが、其れなりに影響力の在る日本の政治家や文化人が、「日本は戦争中、韓国に対して悪い事を一切していない。」みたいな主張をし続けて来た事も大きい。そういった“妄言”が定期的に発せられる事で、韓国側に付け入る隙を与えてしまったとも言えるから。(日韓共に、理不尽な主張をしている連中が絶対多数だとは思っていないが。)彼等としては「先に難癖を付けて来たのは韓国だろ!」という思いが在るのだろうけれど、難癖に対して難癖、又は妄言に対して妄言をぶつけるのでは、子供の喧嘩以外の何物でも無い。
昔は多様な考え方が存在していた自民党だが、今やそういった妄言を平然と口にする連中で溢れ返っている。(野党にも、そういう連中は少なからず見受けられるけれど。)そして、其の手の妄言を声高に叫ぶ国民も少なからず居る。概して彼等は、安倍政権を熱狂的に支持している様に感じられるのだが、今後はそういう連中が妄言を口にした際、安倍首相が毅然とした態度で戒められるかだ。其れが出来なければ、又、韓国に付け入る隙を与えるだけだから。
「熱狂的な支持者だから。」という理由で、「韓国人を皆殺しにせよ!」といったヘイト・スピーチを放置し続けて来た(様に感じられる)安倍政権だけに、其の点が非常に気になる。自民党内部からは早速、妄言が出始めている様だし。
ただ、giants-55さんも懸念されているように、「お互いもう蒸し返さない」と約束していても、身内から妄言が飛び出すようでは、相手側も「やっぱり本心じゃないんだ」と言い出すだろうし、そうなるとせっかくの10億円がまたも無駄金になってしまいかねない。
日韓両国の自称「憂国の士」気取りの人たちも、自分たちの言動が自国を辱め貶めている事をそろそろ自覚し、大人の対応をして欲しいものです。
日韓の首脳双方に様々な“下心”が在ったで在ろう事は見え見えですが、とは言え隣人同士が不毛な啀み合いを続けているというのは、両国のみならず、世界にとっても何等利益は無い。そういう意味では、御互いに近寄った事は高く評価します。
でも、不安が無い訳でも無い。日韓双方に“極めて偏った思考の人間”が居り、そういう連中が結構な影響力を持ったりしているものですから、両国の指導者がきちんとそういった連中を戒めなければ駄目。特に安倍首相の場合、概してそういう連中に支えられている面が在るので。自民党内から早速、妄言が出始めているし・・・。
「軍の関与なんか一切在り得ない。」と“無根拠”に言い続けて来た安倍応援団の桜○女史なんぞは、今後どういう見苦しい言い訳をするのかも気になる所。
桜○女子の「軍関与否定」は、「官憲による強制連行」に対しての反論だったと記憶しております。
「仕方ない」が口癖で、あまり当時の事を話さなかった父も「強制連行なんてありえねえ」と言ったのを思い出します。さすがに、「慰安所に行ったことある?」とは訊けませんでしたが。
此の手の問題って、其れこそ考え方は十人十色だと思います。ですから、今から書く事は飽く迄も私見で在り、「唯一無二的に正しい。」なんて思っていない事、又、人によっては御不快に感じられるかもしれない事を御理解戴いた上で読んで戴きたいのですが、戦争とは「常時の常識が通用しない状況。」で在り、慰安婦という存在も、今の常識で全てを判断するのは難しいと思っています。中には自主的に慰安婦となった方も居られるだろうし、そうで無い方も居たと思う。後者の場合、「彼の時はそういう時代だったから、仕方無い。」としてしまうのは、矢張り許されないでしょうね。
後、凄く理解出来ないのは「敗戦国は、勝戦国の身勝手な論理で全て裁かれてしまう。」と文句を言う人達。そんなのは太古の昔から在る事で、良い悪いは別にして「戦争とは抑、そういう物で在り、其れが嫌ならば戦争に加わってはいけない。」と思うのです。「開戦せざるを得ない状況に、日本は追い込まれた。」というのは在ると思いますが、とは言え、開戦した以上、「負けたから、酷い目に遭った。」とするのは、其れこそ負け犬の遠吠えになってしまう。くどい様だけれど、戦争とはそういう物で在り、嫌なら絶対に開戦しない事だと。
桜○女史の件、「官憲による強制連行」に付いても否定されていますが、昔、“朝生”だったかで、「軍の関与自体」も世迷言と一笑に付していた記憶が在ります。「官憲による強制連行」に関しても、「在った。」or「無かった。」とする証言が存在しますし、此の辺は何とも言えない所では在りますね。
当ブログで何度か書いているのですが、「日本がして来た事は、全て悪かった。」といった自虐史観は、自分も受け容れられない。でも、だからと言って、「日本は此れ迄、一切悪い事をして来なかった。悪いというのは、全て捏造だ!」みたいな論調も、“盲信”という意味で同じだと思っています。「是々非々で論じ、排他的な言動はしない。」というのが、世界の風潮になってくれれば良いですね。
最後に、今年1年本当に御世話になりました。良い年末&年始を御過し下さい。