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「タイで不気味な墓荒らし 『胎児木乃伊御守り』の衝撃実態」(12月27日、東京スポーツ)
ミャンマー国境に近いタイ南部ラノーン県で、不気味な墓荒らしが起きた。地元警察発表によると、コンクリ製の墓が破壊され、蓋が抉じ開けられ、胎児15人の埋葬遺体が持ち去られた。全て死産等で亡くなった許りの胎児で、葬儀の際には不審人物の目撃談も。何等かの呪術的な儀式を行った形跡が在ると言う。
地元紙「カオソッド」によれば、近隣住民は11月頃から度々夜になると、墓周辺で何かを唱える様な声を聞き、墓石を打ち壊す様な音が響いたと言う。
タイでは胎児の遺体持ち去り事件も、度々発生する。首都バンコク近郊 サムットプラーカーン県の病院では一昨年10月、早産で死亡した胎児が遺体安置所から盗まれた。被害者家族は記者に、「遺体が黒魔術に使われるのではないか心配です。」と語っていた。
敬虔な仏教国タイには、仏教伝来以前のアニミズム的な民間信仰も残る。人々は「ピー(精霊、幽霊、妖怪)」の存在を信じ、極少数だがタイ語で「サイヤサット」と呼ばれる黒魔術も伝えられている。今の時代では信じ難いが、密かに暗躍する黒魔術師を雇って、政敵や商売敵に呪いを掛けたり、反対に守護の力を封じ込めた御守りを作り、持ち歩いたりする信者が居る。
其の1つが「クマントーン」。「黄金の子」という意味で、幼児の霊が宿る御守りだ。其の作り方が、実に凄惨。母親の子宮内で死亡した胎児を摘出し、墓地で儀式をし乍ら焼き、乾燥させ、木乃伊状にする。嘗ては妊婦の腹を裂いて、胎児を取り出す事も在った。最後は木乃伊に金粉を塗って完成。クマントーンには非常に高い守護効果が在り、幸運を齎すとされる。現代では、何等かの方法で入手した胎児の遺体が使われると言う。
2012年にはバンコクのホテルで、クマントーン6体を販売目的で持っていた英国系台湾人が実際に逮捕された。其の男は1体20万バーツ(約68万円)でクマントーンを買い取り、台湾で転売し様としていた。タイだけで無く、東南アジア各地や中国等でも、其の効力は信じられている。
此の為、今回の墓荒らしも、地元では「クマントーンを作る為では。」と噂になっている。又、タイで生きた赤ん坊が攫われる事件も、組織的な人身売買や臓器売買目的と言われる一方、「中にはクマントーン目当ての犯行も在るのでは。」と囁かれている。
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先天的にメラニンが欠乏している事から、肌や髪の毛等が真っ白な病気を「アルビニズム(白皮症)」と呼ぶが、アフリカでは「アルビニズムの人が襲われ、生きた儘or殺害後、其の手足が切断され、持って行かれる。」という事件が少なく無い。「アルビニズムの人の肉体の一部を持っていると、幸運に恵まれる。」という迷信が、広く信じられているからだ。何とも残酷で、許し難い事だ。
地域によって、様々な文化や風習が在る。自分達の文化や風習と異なるからと言って、其れ等を“盲目的に”否定したり、排除したりするのは間違いだが、でも、クマトーンとか“アルビノ狩り”といった物は、“文化や風習の違い”で片付けてはいけないし、1日も早くこういう行為を無くさないといけないと思う。