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「転倒客に『毎回転けますね。』 放置の市バス職員懲戒免職」(12月1日、朝日新聞)
京都市交通局は11月30日、車内で転倒した女性客を助けず、其の儘走り続けたとして、京都市バスの男性運転手(33歳)を懲戒免職処分にし、発表した。
同局によると、10月11日、上京区内で乗車した足の不自由な中年女性が、発車直後に転倒。運転手は転倒に気付いたが、停車せず、走り続けた。更に次のバス停で停車中、女性が抗議し様と車内を移動しているのを知り乍ら、バスを発進させ、女性は再び転倒。此の際も助けず、走り続けたと言う。
同局は、運転手が乗客の安全確認を怠った上、車内で女性に「毎回、そういう事をしはるから。」と発言した事も問題視。「一連の言動は悪質で、安全確保を第一とする運転手として在るまじき行為だった。」と処分理由を説明した。同局の聞き取りに、運転手は事実関係を認め「反省している。」と話したと言う。
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此の件、判らない点が幾つか在る。「毎回、そういう事をしはるから。」と当該運転手が発言した事を考えると、彼と被害女性との間で此れ迄にも、いざこざが在ったのかもしれない。そうなると、運転手の中に、被害女性に対する複雑な思いが在った事は想像出来る。
又、「事件が起こった際、車中に他の乗客は居なかったのだろうか?」という疑問も。元記事を読むと、被害女性は「乗ったバスの発車直後」と「次のバス停で発車した際」と、最低でも2度「転倒させられている。」訳で、そういう状況を他の乗客が目にしたら、運転手に抗議するとかのアクションが在ったと思う。
そういった判らない点が幾つか在るのだけれど、どういう理由が在るにせよ乗客、其れも足が不自由な乗客を何度も転倒させ、挙句に「毎回、そういう事をしはるから。」という捨て台詞を吐くというのは、絶対に許されないし、憤りを覚える。此の運転手の身内が被害女性と同じ立場で、同じ事をされたとしたら、彼は何とも思わないのだろうか?
他にも乗客はいたそうで、乗客から運転手に注意もあったようですが、「いつものことだから」と取り合わなかったようです。
私も年に数回は京都市内に出かけ、市バスを利用しますが、乗車直後に発車して健常者でさえよろけそうなことも稀にあります。
観光都市京都であるが故、道路も年中観光客(車両)であふれ、渋滞で時刻表通りに運行できず、乗客から苦情を受けるストレスもあるでしょうし、一刻も早く発車したいという運転手の心理を理解できないわけではないけれど、やはりこれは駄目ですね。
ましてや相手が障害者ならこれは論外です。
市バスの運転手は旅客運送業者であるとともに、乗客へのサービス業でもあることも忘れてもらっては困ります。
今回の事件、地元紙では詳細が報じられていたのですね。記して戴いた御蔭で、状況が大分判りました。有り難う御座います。
こんなにも乱暴な対応がされていたのに、他に乗客が乗り合わせていたら、普通は注意なり抗議なりされるだろうに…という疑問が在りましたが、矢張り注意等は在ったんですね。其れなのに、「何時もの事だから。」と取り合わなかったというのは、運転手というだけでは無く、人として全く駄目。
以前、「京都市内を走る車には、市内在住者も含め、一定の料金を徴収するという案が出ている。と言うのも、国内外を問わず有名な京都市には多くの観光客が押し寄せ、交通渋滞が酷くなっているので、自動車では無く、電車等の交通機関を利用して貰える為の策として、そういう案が出ている。」といった報道を見聞した記憶が在ります。悠々遊様も書かれている様に「渋滞で時刻表通りに運行出来ず、乗客から苦情を受けるストレスも在るでしょうし、一刻も早く発車したいという運転手の心理を理解出来ない訳では無い。」というのは、自分も理解出来ない訳では無い。でも、(悠々遊様も御指摘の通り)「此れは駄目。」です。
「非常にしんどい労働環境に在り乍ら、対価は決して高く無い。」というストレスも在って、高齢者に暴力を振るう高齢者施設のスタッフのニュースを時折見聞するけれど、今回の事件は、そういった物と同根なのかもしれません。
ただ、以前に比べたらだいぶ親切になってきてると思いますよ。もちろん記事のような、どうしようもない運転手もまだまだ存在するようですが。
「高給取り」という事が「悪」という訳では在りませんが、“一般企業の同業職種”と仕事内容がそんなに変わらない(若しくは楽で在る)のに高給だとしたら、其れは問題ですね。
京都市民からそういう目で見られているなら一層、身を律すべきなのに、今回の様な言動をするとは「アホだなあ。」としか言い様が在りません。