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「37年眠ったエンジン動く 米探査機ヴォイジャー」(12月2日付け東京新聞【夕刊】」
米航空宇宙局(NASA)は1日、太陽系外を飛行中の探査機ヴォイジャー1号に搭載され、37年間も使っていなかった噴射エンジンを動かす事に成功したと発表した。「何十年も車庫に放置した自動車が動いた様な物だ。」と驚いている。
1980年迄は作動させていた軌道修正用のエンジンで、其の後は休眠状態だった。
1977年に打ち上げられたヴォイジャー1号は、木星や土星に接近して多くの写真を撮影し、2012年には太陽系外へ出た。地球から210億km離れて飛行中で、信号が届く迄、約19時間半掛かる。
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「日本人は概して、“機械”に対する親密な感情が外国人よりも強い。」と良く言われる。“アニミズム”自体は古代より海外でも見られるので、「手塚治虫氏の鉄腕アトムに代表される人型ロボットの存在が、日本人を『機械=友達』という思考に結び付けた。」というのが大きいだろう。
だから、「7年前、2003年5月に打ち上げられて以降、幾度も危機的な状況に陥り乍らも、総航程60億kmに及ぶ長旅を終えて、小惑星探査機『はやぶさ』が7年振りに地球に帰還した。」際、多くの日本人が感動したのも、「ずっと連絡が取れなかった友達や子供が、紆余曲折を経て、漸と戻って来てくれた。」という様な思いが在ったのだと思っている。
「地球から210億kmも離れた場所を飛行しているヴォイジャー1号で、37年間もの間休眠状態だった噴射エンジンを、再度動かす事に成功した。」という今回のニュースにも、はやぶさ帰還の時と似た感動が在る。「地球から発せられた信号が、約19時間半も掛けて届く様な超遠距離。」というのも感慨深い。
想像力を掻き立てられます。
「210億km離れた場所」とか「37年振り」とか、こういう壮大な距離や時間を思うと、人類間のいざこざなんて本当に下らなく、矮小な事だと痛感させられますね。