「面白いイベントに行ってみない?」学生時代の悪友からそんなメールを貰ったのは、2ヶ月程前の事だった。その内容を聞いて正直躊躇する気持ちは在ったが、”それ”が好きという思いは抑えられず、「おっさんの異文化交流ツアーだ!」と自らを納得させてOKを。そしてGW2日目の昨日、そのイベントにおっさん軍団(3名)の一員として参加して来たのだった。
そのイベントとは、お台場のZepp Tokyoで開催された「スーパーロボット魂2007”春の陣”」。アニメ・ソング(特撮ソングも含む。)の中でもスーパーロボット物に限定したライヴで、何でも今年で10周年を迎える人気イベントなのだとか。当ブログでも何度か書いているが、自分は幼少期から典型的なTVっ子で、特にアニメ番組や特撮番組は片っ端から見ていた。必然的に多くのアニメ・ソングや特撮ソングは己が血肉になっているし、今でもカラオケに行くとこれ等の歌を十八番にしている程。だからこそ、この手のイベントには参加してみたいという思いは密かに持っていた。
しかしそうは言っても、アニメ番組を見なくなってかなりになる。何しろ世代的には完全にガンダム世代に入るらしいのだが、この作品を全く見た事が無い位だから。そして何よりも、「中年のおっさんがアニメ・ソングのライヴに行ったら、廻りは若い連中ばかりで浮きまくりだろうなあ。」という不安が在った。又、ライヴ(「クラブ」よりも「ディスコ」という言葉に親しみを感じる世代故、本当は「ライヴ」よりも「コンサート」という言葉の方が個人的にはしっくり来るのだが。)自体、これ迄に数度しか行った事が無く、それも最後に行ったのが20年以上前というのだから、余計にライヴ会場に足を踏み入れるのは勇気が要る事だったのだ。
同行する事となった悪友達も、当然ながらこの手のイベントは初参加。同じ様な不安を持っていたらしく、「先ずは会場に入る前に、景気付けの為一杯飲みに行こう!」という事になった。何の事は無い。酒の力を借りて、羞恥心を麻痺させたかっただけの話。程良く酔っ払った状態で、未踏の地Zepp Tokyoへと向かった。
会場の周りの長蛇の列に驚かされた。人気のイベントとは聞いていたものの、これ程迄に集まっているとは。三者顔を見合わせた上、意を決して最後尾に並んだ。同年代と思えるおっさん達の姿がチラホラと見られたのには、一寸心が落ち着かされた。
中に入ると、自分等は1階のスタンディング・スペースと判明。立錐の余地も無いとは正にこの事で、何とかかんとか間をすり抜けて前方の場所をキープ。廻りを見渡すと、これがまあ見事な程に野郎ばかり。恐らく9割以上は野郎だったのではなかろうか。そして、場内でもおっさん達の姿がチラホラと。
午後6時に”水木のアニキ”の登場でライヴは幕を開けた。水木のアニキと言っても、水木しげる先生の事では勿論無い。”アニメ・ソング界の帝王”、”アニメ・ソング界の永遠のアニキ”とも呼ばれる水木一郎氏の事だ。これ迄に歌って来たアニメ・ソング&特撮ソング等は1,000曲を超えると言われ、水木のアニキ無くしてアニメ・ソングを語れないという程の超人だ。おっさん軍団の最大の目的は水木のアニキの歌声を生で聞き、それに合わせてシャウトする事。だからアニキが「マジンガーZ」(動画)を歌いながら登場した際にはボルテージが最高潮に。
唯、開演前迄は比較的大人しい聴衆達が、アニキの登場によってノリノリ・モードに一変したのは面食らった。大昔、アイドル歌手のコンサートが行われる会場横の公園を通りかかった際に目にしたのは、御揃いの鉢巻や法被を着込んだ所謂”親衛隊”の兄ちゃん達が、ガラガラの大声で「L・O・V・E!う~レッツゴー、○○ちゃ~ん!」一糸乱れず声援を送る練習をしている風景。アニキの歌声に合わせ掛け声を掛けたり拳を突き上げたりと、その見事な迄の一体感は、親衛隊の兄ちゃん達をも遥かに凌駕していた。
「全員が”ピョンピョンシューズ”を履いたドクター中松氏ではなかろうか。」と思ってしまう程、歌声に合わせてピョンピョン飛び上がっている姿も或る意味壮観。唯、自分を含めたおっさん軍団は未だこのノリには付いて行けず、身体を左右に軽く揺らし、時に遠慮がちに拳を振り上げるのがせいぜい。酒の力を借りても、羞恥心は完全に麻痺させられなかった様だ。
水木のアニキの他にも大勢のアーティストが参加していたが、自分が知っていたのは影山ヒロノブ氏(御存知の方も多いだろうが、彼はあの懐かしのバンド「LAZY(レイジー)のボーカルだったMichell(ミッシェル)その人。彼等がデビューしたのは自分が小学生の時分だったが、ませた同級生の女の子達はタータンチェックのベイ・シティー・ローラーズと共に、このLAZYに熱を上げていたっけ。)と堀江美都子さん(アニメ・ソング界の女王。今年で御年50歳というのが信じられない程、若い容姿と張りの在る声。)、そして特別ゲストで登場した飯島真理さん(懐かしい曲「愛・おぼえていますか」[動画]を歌ってくれたのだ、高音部の声を苦しそうに絞り出していたのがショックでは在った。何でも今はLAに在住し、インディーズ活動を行っており、今回のイベントの為に前日に帰国されたとの事。)位。
そして今回のライヴで歌われた曲の内知っていたのは、「マジンガーZ」に「鋼鉄ジーグ」(動画)、「超電磁ロボ コン・バトラーV」(動画)、「ゲッターロボ」(動画)*1、そして「愛・おぼえていますか」の僅か5曲。1984年発売の「愛・おぼえていますか」以外は、見事な程に1970年代迄の曲ばかり。知らない曲でもアニメ・ソングはノリが良いので、それはそれで楽しめたのだが、おっさんとしては「アストロガンガー」(動画)や「ロボット刑事」(動画)等、1970年代迄のアニメ・ソング&特撮ソングをもっと多く歌って欲しかった。
廻りには外国人の姿も何人か見られ、「アニメや特撮には国境が無いのだなあ。」と改めて感じさせられたし、童心に戻って心底楽しそうに弾けている聴衆の姿は微笑ましくも在り、実に楽しい時間を過ごさせて貰った。
3時間スタンディングしていた事で、会場を出た際には足腰が痛くて堪らなかったのは情けない限りだが、今回のライヴによって元気を貰えたおっさん軍団。帰りの車内で皆が口にした言葉は「水木のアニキは最高!」。
*1 オリジナルはささきいさお氏が歌っていた筈だが、今回は影山氏が歌われていた。
やっぱり、評判悪いみたいですね
高音が出ないのは、昔からですね
レッスンしてないから
2ちゃんでも、彼女の話はよくききます。
「ミンメイって誰?」と思って検索してみましたら、飯島真理さんが声優を務めていた役名だったのですね。事程然様に1980年代以降のアニメに対して疎い自分ですので、当時の飯島さんの歌いっぷりには記憶がうろ覚えなのですが、あの頃も高音が出ていなかったのですね。昨日は見ていて気の毒になる位、高音が出ていませんでしたし、御本人も歌っている段階からそれをかなり気にされている感じでしたね。水木のアニキや堀江美都子さん等、彼女よりも年齢が上の方々が往年の歌声をキープしているのですから、彼女の声の出なさ加減が余計に目立っていた気がします。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
世間はGWの真っ只中というのに、御仕事三昧とは本当に御疲れ様です。プータラプータラと休みを享受しているのが申し訳無く思っております。
今日は朝から部屋の掃除等をして過ごしているのですが、未だ昨日の余韻が残っている状態。良い歳をしたおっさんを此処迄興奮&楽しませてくれるアニメ・ソング&特撮ソングというのは、本当に凄いですね。
マヌケ様もカラオケではアニメ・ソングを歌われるのですね。思いっ切り声を張り上げて歌える歌が多いので、ストレス発散にも最高です。
最近はアニメ番組を見る機会も殆ど無いのですが、アニメという文化が我が国から世界にメインで発信されている事に誇りを感じます。
やっぱりライブで聞く本物のアニメミングは感動しますね。水木さん自体はキャプテンハーロックが結構お気に入りのようでライブで一番盛り上げていました。このジャンルって本当に限られた人しか出来ない(声質等で)といわれるほどで、水木さんが影山さんに「君はラッキーだね」といったとか。でもアニメミングのイベントにささきいさおさんがあまり出ないようなのでこの辺はヤマト世代?には寂しい限りです。
アタシもガンダム世代よりは少し上になるのかな。あれって団塊ジュニア世代とダブルのではないのでしょうか。ちがっていたらすいません。。。
ここでスパロボの感想聞けるよ
本当
飯島って評判悪いな
昔から評判悪いけどな
何か、マクロスのイメージ壊しまくりだな。
今日は部屋の掃除等をしつつ、昨日のライヴで紹介されていたNHKのFM(アニソン特集)を聞いて、作事の余韻に浸っていました。
御紹介戴いたスレッド拝見しましたが、「スパロボのメンバーは歌上手い人多いから、悪い意味で目立つとは思ってた。」という書き込みには同感。アニソンのファンは熱心な方が多いですから、その熱意に応える為にもアーティストの面々は切磋琢磨しないといけないでしょうね。
ライブお疲れ様でした。
飯島さんは歌っていなかったブランクもあったのでしょうね。
実は私、影山ヒロノブさんのファンで彼が歌った戦隊ヒーローもののCD何枚か買いました。(KAGE名義の電撃戦隊チェンジマンが一番!)
堀江美都子さんは懐かし系の番組で初めて拝見したのですが年齢を感じさせず、しかも親しみやすく耳に馴染む美声に同性ながら憧れました。
軍歌といえばその昔、黛敏郎氏が健在だったころの「題名のない音楽会」でアニソン特集があって、アニメソングと軍歌は共通項が多いという話をしていたことはご存知ですか?
そう考えると「巨人の星」と「麦と兵隊」なんてそっくりです。
黛敏郎の師匠が伊福部昭ですが、「鉄人28号 白昼の残月」を早く見たいですねえ。