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「螺鈿迷宮」
医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の医学生・天馬は、留年を繰り返し医学の道をリタイア寸前だった。或る日、幼馴染の記者・葉子から「碧翠院桜宮病院に潜入出来ないか?」と依頼を受ける。桜宮病院は老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化した複合型病院で、ターミナル・ケアの先端施設として注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は看護ヴォランティアとして桜宮病院に通い始めるが、或る時から疑念を感じる。「この病院は余りにも人が死に過ぎる。」と・・・。
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「夢見る黄金地球儀」
首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金を嵌め込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそりと置かれていた。そんな或る日、8年振りに現れた悪友・久光譲治の「久し振り。ところで御前、1億円欲しくない?」という言葉が、トラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させてしまう事に。かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫り来る危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にする事が出来るのか?
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現役の医師で在り作家でも在る海堂尊氏の「螺鈿迷宮」と「夢見る黄金地球儀」を読破。同氏の作品は処女作「チーム・バチスタの栄光」、第2作「ナイチンゲールの沈黙」、そして第4作「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読み終えており、今回の「螺鈿迷宮」は第3作、「夢見る黄金地球儀」は第6作に当たる。「『チーム・バチスタの栄光』、『ナイチンゲールの沈黙』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』」が桜宮市に在る東城大学医学部付属病院を舞台にした田口と白鳥というコンビの作品で在るのに対し、「螺鈿迷宮」と「夢見る黄金地球儀」は同じ桜宮市を舞台にしたスピンオフ作品と言えるだろう。
これ迄に読んで来た同氏の作品は何れもレベルが高く、特に「ジェネラル・ルージュの凱旋」は星5つを与えた程素晴らしい出来だった。それに比べると、今回の2作品の出来は酷い。「螺鈿迷宮」に関して言えば、浮世離れし過ぎたキャラクター設定の登場人物が何人か居り、ストーリー展開にもやや無理さを感じた。又、コミカル路線を狙ったのだろうが、「夢見る黄金地球儀」の登場人物達は「螺鈿迷宮」以上に浮世離れしており、ストーリーも全く面白くない。海堂氏の力量を高く評価しているからこそ敢えて厳しい言い方をすれば、両作品共に遣っ付け仕事の匂いを強く感じてしまった。
総合評価は「螺鈿迷宮」&「夢見る黄金地球儀」共に星2つ。
「螺鈿迷宮」
医療界を震撼させたバチスタ・スキャンダルから1年半。東城大学の医学生・天馬は、留年を繰り返し医学の道をリタイア寸前だった。或る日、幼馴染の記者・葉子から「碧翠院桜宮病院に潜入出来ないか?」と依頼を受ける。桜宮病院は老人介護センター、ホスピス施設と寺院を一体化した複合型病院で、ターミナル・ケアの先端施設として注目を集めていた。しかし、その経営には黒い噂が絶えないという。天馬は看護ヴォランティアとして桜宮病院に通い始めるが、或る時から疑念を感じる。「この病院は余りにも人が死に過ぎる。」と・・・。
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「夢見る黄金地球儀」
首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ一億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金を嵌め込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそりと置かれていた。そんな或る日、8年振りに現れた悪友・久光譲治の「久し振り。ところで御前、1億円欲しくない?」という言葉が、トラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させてしまう事に。かくして黄金地球儀奪取作戦が始動する。二転三転四転する計画、知らぬ間に迫り来る危機。平介は相次ぐ難局を乗り越え、黄金を手にする事が出来るのか?
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現役の医師で在り作家でも在る海堂尊氏の「螺鈿迷宮」と「夢見る黄金地球儀」を読破。同氏の作品は処女作「チーム・バチスタの栄光」、第2作「ナイチンゲールの沈黙」、そして第4作「ジェネラル・ルージュの凱旋」を読み終えており、今回の「螺鈿迷宮」は第3作、「夢見る黄金地球儀」は第6作に当たる。「『チーム・バチスタの栄光』、『ナイチンゲールの沈黙』、『ジェネラル・ルージュの凱旋』」が桜宮市に在る東城大学医学部付属病院を舞台にした田口と白鳥というコンビの作品で在るのに対し、「螺鈿迷宮」と「夢見る黄金地球儀」は同じ桜宮市を舞台にしたスピンオフ作品と言えるだろう。
これ迄に読んで来た同氏の作品は何れもレベルが高く、特に「ジェネラル・ルージュの凱旋」は星5つを与えた程素晴らしい出来だった。それに比べると、今回の2作品の出来は酷い。「螺鈿迷宮」に関して言えば、浮世離れし過ぎたキャラクター設定の登場人物が何人か居り、ストーリー展開にもやや無理さを感じた。又、コミカル路線を狙ったのだろうが、「夢見る黄金地球儀」の登場人物達は「螺鈿迷宮」以上に浮世離れしており、ストーリーも全く面白くない。海堂氏の力量を高く評価しているからこそ敢えて厳しい言い方をすれば、両作品共に遣っ付け仕事の匂いを強く感じてしまった。
総合評価は「螺鈿迷宮」&「夢見る黄金地球儀」共に星2つ。
最近、図書館通いも少なくなってきたのは本物の本が少なくなってきたからでしょうか。世間では携帯小説が流行ってるらしいですが、街角で高校生が「泣けました。」「感動した」なんてのを聞くと、ずいぶんチープな感動だなあ~と思ってしまいます。(偏見でしょうか。?)
そろそろ、「永遠の仔」とか、「白夜行」クラスの重たい本が読みたい今日この頃です。
携帯小説をチープといいながら、実は「ホームレス中学生」は思ったより良かったのです。(なんか恥ずかしいなあ。高校生をばかにできないか・反省。)TVで聞いたことのあるエピソードが中心ですが、最後のほうに、小学生の時に亡くなったお母さんに対する田村さんの気持ちがせつせつと書かれてあって、素直であったかい言葉をつないだ文章は、ほんとに彼が書いたのかはわかりませんが(彼の言葉だと思うんだけどなぁ。。)、しみじみと味がありました。大阪の庶民の生活。子供のヒロシくんと、パート帰りのスーパーの袋さげたお母さんの後姿が浮かんでくるような文章なんです。これがもう、文字なのに絵になって出てくる。自然と浮かんでくる。泣けるぅ・・
純粋とか汚れてないとか、そういった気持ちをほんとに持ってる人がいるんだなあ。と、心から思ってしまって、うるうる。。です。
「螺鈿迷宮」の評価、ほーほー様も低いんですね。処女作の「チーム・バチスタの栄光」以降、発表される作品の評価が高かった海堂氏ですが、「螺鈿迷宮」に関してはネット上で酷評が目立っていましたのでずっと気になる作品では在りました。実際に読む際にはそういった酷評を頭から払拭し、まっさらな状態で読んだのですが、自分としてもかなりガッカリさせられる内容。「頭がぐるぐる回る様な本」という喩えは非常に理解出来ます。
どれだけ素晴らしい作家でも発表する作品全てが完璧というのはまず無く、一定レベルの質をキープし続けるだけでも至難の業と言えるのでしょうね。
所謂”携帯小説”を自分は読んだ事が無いのですが、「携帯を用いて書いて行く」という性格上から「改行や会話がやたらに多い。」、「感情表現や情景描写が少ない。」といった点が良く指摘されています。もしそういった類の作品が多いので在れば、携帯小説は自分に余り合わない感じの様に思ったりも。
「ホームレス中学生」、かなり売れている様ですね。所謂”タレント本”とは一線を画した内容で、人との繋がりが希薄な現代だからこそ、じわーっと来てしまうという話を良く目にします。図書館で借りて読もうかと思っていたのですが、予約数が既に4桁を超えていましたので知人から借りて読もうかと思っております。
思い返せば、自分が子供だった時分には「最近の子供は漫画ばかり読んで、小説を読まなくなった。」と言われていました。確かに漫画全盛期に育ちましたが、漫画を読み乍らも大半は小説も読んでいたもので、今は紙からネットへと媒体が変わっただけで、字を追うという作業は変わっていないのかも。
唯、電車の中や街中で四六時中携帯でメールを”打っている”姿を見ると、「余りにも携帯メールの依存度が高過ぎるのでは?」という気はしてしまいますね。
「本は紙媒体に限る。」という思いが強かった自分ですが、余りにも蔵書が多くなり過ぎて泣く泣く大半を処分して以降はやや考えが変わって来ました。「場所をとらないツールで読書というのも良いかも。」という思いに転じて来たのですが、それでも未だ紙媒体に固執していたのですが、最近「DS文学全集」(http://www.nintendo.co.jp/ds/ybnj/index.html)なるソフトを購入した所、これがなかなかGood。基本100冊の作品が収録(ネットで追加可能。)され、頁を捲りの映像効果が施される等、紙媒体で読んでいるが如き代物。こういうスタイルが主流になるかどうかは別にして、結構流行りそうな気がします。