先日、視覚障害の方から御話を伺う機会が。「障害」に付いては其れなりに知っている積りだったが、知らない事が結構在った。御存知無い方も居られ様から、今日は記事にしてみる。
一言に「視覚障害者」と言っても、色んな方が居られる。大きく分けると、「全盲(視力が全く無い。)」と「弱視(眼鏡等で矯正する事が出来ないレヴェルの弱い視力。)」となる。弱視は全盲と異なり、「全く見えない。」という訳では無いけれど、“一般生活に支障を来す視力”という点では変わり無い。後述するが、「視覚障害者=全盲者」と認識している人が少なく無い事から、心無い言葉を吐かれて嫌な思いをする視覚障害者も居られる様だ。
7月7日の記事「許せない!!」で「点字ブロックの上を歩いていた全盲の男性が、通行人と正面からぶつかり、持っていた白杖が壊れた上、『目が見えないのに、1人で歩くな。』と言われて、右足を蹴られた。」というニュースを取り上げた。「自分が全盲だったら?」と想像力を働かせれば、点字ブロックの重要さは理解出来るだろうに。本当に腹立たしい事件。
今回話を伺った方は片方の目は全く見えず、もう片方の目は弱視。現在は盲導犬を利用されているけれど、白杖を使用されていた頃に似た様な経験が。点字ブロック状を歩いていた際、歩きスマホでもしていたので在ろう人に思いっ切りぶつかられたが、謝罪も無しに、無言で立ち去られたそうだ。うっすらと見えた限りでは、若い男性の様だったと。点字ブロックの上に座り込んでいる子に、ぶつかりそうになった事も在るとか。
「何度か通った事が在る場所なら良いが、初めて行く場所の場合、視覚障害者は盲導犬にどう支持を与えるのだろうか?」というのが、ずっと疑問だった。盲導犬は“目の前の危険”を知らせる事は出来ても、“目的地への行き方”を教える事は出来ないだろうから。「今はスマホのナヴィゲーション機能が在るので、音声に従って盲導犬に指示すれば、問題無く行ける。」という彼の答えに、「成る程。」と思った次第。
「盲導犬の写真を撮ったり、触れたりしたい場合は、ユーザーに一言断ってからにして欲しい。ハーネスを付けた状態の盲導犬は“仕事中”で在り、そういう状況で行き成り写真を撮られたり、触れたりされると気が散ってしまうので。」、「盲導犬は信号の色を判断出来無いので、ユーザーが車の音等を頼りに判断し、盲導犬に指示を与えている。だから、車の音がしないので歩道を渡った所、実は赤信号だったという事も在った。」、「盲導犬の医療費は、基本的にユーザーの自己負担。でも、自治体によっては、全額負担してくれる所も。」。
上で書いた様に、視覚障害者には弱視の方も含まれる。そういう方がナヴィゲーション機能を利用すべくスマホを操作していると、「白杖や盲導犬を利用しているけど、本当は目が見えるんじゃないの?」と、恰も“視覚障害詐欺”で在るかの様な言われ方をされる事も在るそうだ。きちんと説明して理解して貰える事も在るが、聞く耳を持たない思い込みの激しい人も。過剰に正義感が強いという事に加え、「視覚障害に付いて、良く知らない。」という“無知さ”も在る様に感じる。(視覚障害を含めた)障害に関する現実を、広く啓蒙して行く必要が在るだろう。