10年前の記事「助かったものの・・・」で触れた様に、1982年の2月8日未明に発生した「ホテルニュージャパン火災」は、忘れられないニュースの1つだ。「死者:33人、負傷者:34人」という被害者の多さや、「有害ガスを含んだ煙から逃れる為、高層階の窓から飛び降りて命を落とした人(13人)が居た。」事もそうだが、何よりも「『利益を最優先させ、利用者に対する安全対策を軽視した。』としか思えない横井英樹社長の異常な人間性。」が、此の事件を忘れる事が出来ない最大の理由。“当たり前の防火対策”を行っていたら、あんなにも悲惨な状態にはならなかったと思う。
4月23日、北海道の遊覧船「KAZU Ⅰ(カズ ワン)」が、知床半島西海岸沖のオホーツク海域で消息を絶ち、船内浸水後に沈没したと見られる海難事故「知床観光船沈没事故」は、3日が過ぎた段階で、「乗員&乗客全26人の内、死者11人、行方不明15人。」という状況。亡くなられた方々には哀悼の意を表し、又、行方不明となっている方々に関しては、一日も早く発見される事を望む許りだ。
「どうして、こんな悲惨な事故が起こってしまったのか?」に付いては、今後の検証を待たねばならないが、報道されている内容を見聞する限り、遊覧船を運行する「有限会社知床遊覧船」の管理体制、もっとハッキリ言ってしまうと「“此の会社の社長”に、大きな原因が在る。」様に思える。横井英樹社長同様、「利益を最優先させ、利用者に対する安全対策を軽視していた姿勢。」が次々と明らかとなっているので。「海に関する知識も余り無かった。」という報道も在り、「きちんとした判断能力が無かった人間が、利益最優先で無理を強いていた。」としたら、被害者のみならず、社員にも気の毒さを感じてしまう。
今回の事故により、現段階で11人の死者が出ているが、其の内で身元が公表されたのは3人だけ。「何故、全員の身元を公表しないのだ?」という批判の声も在る様だが、「身元が明らかになっているのに、遺族の意向で公表されないケースが在る。」としたら、自分は「仕方無い事。」と思う。加害者の場合は別だが、「被害者(の遺族)場合、“自身の身元を公表しない権利”も在って良い。」と考えるので。「公表された事により、興味本位で取り上げられる等の二次被害を恐れる気持ち。」は充分理解出来る。
「何だ彼んだ難癖を付けては、他者叩きをする事に快感を得ている様な人。」が少なく無い現状では、今回の件に対し、「『新型コロナウイルス感染症が終息していない中、旅行をしていたのが問題なのだ。』なんぞと批判する様な、“全く理不尽な難癖”を付け、被害者及び遺族を叩く馬鹿。」も出て来そうだから。