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「米当局が『昆虫兵器』開発? 欧州の科学者が懸念」(3月20日、朝日新聞)
特殊なウイルスを仕込んだ昆虫を放ち、農作物に感染させて、遺伝子を改変する。
米国防高等研究計画局(DARPA)が始めたこんな研究プログラムに対し、欧州の科学者から「生物兵器開発ではないか。」と疑問視する声が上がっている。
DARPAは、研究プログラムを「昆虫の同盟者達」と命名。農作物に病原体が広がる等して、生産が危機に陥った際、大量の昆虫を介した遺伝子操作を施して、悪影響を抑える安全保障上の防衛目的の研究だと強調している。不測の事態に備えて、ウイルスを媒介する昆虫の寿命を短くする等、安全対策にも万全を期していると主張している。
科学者達は、米科学誌サイエンスに発表した論文で、ウイルス等を攻撃目的で運搬する「昆虫兵器」にも成り得ると指摘。農作物を守るには、「昆虫を使わず、農薬散布装置の使用で済む。」等と皮肉った。
此れに対し、DARPAは、「次世代の空中散布技術に等、出資しない。産業界等の役割だ。」と反論。既存の枠を超えた、革新的な技術を追求する自らの存在意義を訴えた。
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「形質転換」という技術が在る。「細胞外部からDNA を導入し、其の遺伝的性質を変える事、又、其の操作自体。」を意味するのだが、例えば「人間に害を与える昆虫の遺伝子を操作して無害化したり、昆虫の(人間にとって)良い点を遺伝子操作で増強する。」といった事が、“利点”として挙げられる。
“利点”と書いたけれど、“過ぎた形質転換”は、逆に生物界にとって“悪影響”を生み出す可能性も在る。生態系を崩したり、怖ろしい“モンスター”を生み出してしまうかも知れないからだ。
生物兵器や気象兵器と呼ばれる物も、開発の方向性が少しでも異なれば、人間にとって有益な技術に成り得る。「兵器なのか?其れとも、防衛目的なのか?」というのも、結局は「“開発者や使用者の志の高さ”によるし、又、何れだけ其の技術が悪用される可能性を排除出来るか。」によるだろう。
小型兵器であって、ナノテクの前段階の、実験段階で出て来た技術ではないでしょうか。昆虫は、小型ですが、ダイナソーのように巨大であれば、地上で最強と言われていますね。
カブトムシやクワガタは、子供に人気ですが、そうした自然を前提とした、趣味の世界まで、侵入しかねない、技術革新に人はどこまでお付き合いすれば良いのでしょうかね。マッドサイエンティストの黒い夢では済まない、と思いますが。
「地球上で、最も人類を“殺害”している生物は?」という問題の答えが「蚊」というのは、雑学関連で良く記されていたりしますね。マラリア等の病原体を媒介するという事からなのですが、「あんな小さな体なのに、物凄い危険さを有している。」と言え、悪意を持った人間によって“生物兵器化”されると・・・ぞっとしますね。