ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

取り組みにより状況改善

2021年06月23日 | 時事ネタ関連

6月22日付けの東京新聞(夕刊)に、「仁川発 命繋ぐタクシー ~韓国ヴェテラン運転手の『見守り』 自殺予防に」という記事が載っていた。

経済協力開発機構(OECD)加盟先進37ヶ国で、最悪の自殺率の韓国。最新統計(2015年~2018年)では、人口10万人当たりの自殺者数は約24.6人で、日本の約14.9人の約1.7倍上るのだとか。確かに韓国と言えば、「
スキャンダルに巻き込まれた有名人の自殺が、ニュースで良く取り上げられる。」し、“自殺が非常に多い国”というイメージは在る。「『ネット等で誹謗中傷が執拗に行われる事で、自殺に追い込まれてしまう。』という風潮が、韓国では強いからではないか?」という思いが、個人的には在る。(そういう風潮は残念乍ら、我が国でも強まっているけれど。)

自殺率の高い韓国の中でも、特に高いのが仁川市で、2011年には10万人当たりの自殺者数が約32.8人を記録し、ソウル釜山等、7大都市で最悪となった。仁川国際空港擁する産業都市として発展した一方で、経済問題や心身の不調を抱える市民が増加した。」と見られている。

仁川市は2011年、自殺予防センターを設置して臨床心理士等による精神面のケアに加え、貧困層への経済支援も強化。自殺未遂をした人や家族を自殺で亡くした人等の見守りにも注力したが、自殺を考える程追い込まれた人達が、自発的に相談窓口を見付け、接触するのは容易な事では無い。

其処着目されたのが、1日平均200~300kmを走り、30人前後の客を乗せるタクシー運転手。2017年に「生命愛タクシー」と銘打ち「不安な言動の在る客に、自殺予防センターの電話番号等を記したパンフレットを渡して貰う制度。」を導入。ヴォランティアの運転手は約3時間の講習で、落ち込んだ客への接し方等を学び、導入から5年目の今年は約600人増加。夜間に橋の上等、人気の無い場所で下して欲しいという客に声を掛ける等、成功例も増えていると言う。

こうした取り組みで、仁川市の人口10万人当たりの自殺者数は2019年に約25.9人となり、2011年と比べると約6.9人減少。「今後5年間で更に、毎年1人ずつ減らす。」という目標を掲げているそうだ。

「タクシーは、辛い話を内緒で聞いて、慰める事も出来る空間。人を助け乍ら、自分も成長している。」と、仁川市のタクシー運転手の1人が元記事で語っているけれど、「“閉ざされた狭い空間”だからこそ、心身共に追い込まれてしまった人には、思いを吐き易い。」というのは在りそう。


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