ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

中国の医療体制

2020年01月09日 | 時事ネタ関連

1月8日付け東京新聞(夕刊)に、「中国 患者家族に刺され当直医死亡 ~医師への暴力 後絶たず~」という記事が載っていた。「昨年のクリスマス・イヴ北京総合病院で、急診科の副主任Aさん(51歳)が、患者の家族Bにより、病院内で刺殺される。」という事件が発生したそうだ。

12月4日、脳梗塞後遺症で意識不明となったBの母親(95歳)が病院に運び込まれたが、彼女は当日から急診科の一角に寝かされ、正式に入院出来ず、結局、彼女は27日に別の病院に移された。此の間の医療費は全額が自己負担で、入院手続きや医療費を巡って、Bと病院側との間でトラブルになっていた可能性が在ると言う。

病院側の説明では、「B等の家族が10回も検査や治療を拒否したので、正式な入院を断った。」としている。一方、一部報道によると、同病院は「ベッドが空いていないとして、Bの母親の入院を拒否していた。」としている。更に、「“中国の独特な保険制度”が、入院拒否に関係している。」という報道も。中国では各病院が政府に請求出来る保険料の上限が年に決められており、年末になって上限が近付いていた同病院が、保険料が高くなりそうなBの母親の入院を拒んだのではないか?と。

中国法制日報」によると、医師が被害者となる傷害事件は昨年上半期に34件報道されているが、事件に到らない暴言等は更に多く、中国医師協会が2018年に発行した「中国医師執行状況白書」によると、調査に答えた医師の66%が患者側との“衝突”を経験しているそうだ。

経済協力開発機構(OECD)によると、中国で人口千人当たりの医師は2人(2017年)で、OECD平均半分。医師が不足している上に、患者の“大病院信仰”が「小さな病院はガラガラなのに、大病院は患者家族が診察に必要な整理券を手に入れるべく、未明から並ぶ。」という悪状況を生み出している。

「何時間も並んで、診察は数分。検査と薬の山に、高額な医療費を請求される。挙句、病気が治らなくても医師は説明もしない。医師のへの印象は、どんどん悪くなっている。」。

世界銀行によると、中国で医療費への政府支出は、国内総生産(GDP)の約5%(2016年)に留まるのだとか。日本の場合は約11%、OECD平均は約9%。」という事なので、中国の数値は余りに低い。

医療体制に多くの問題を抱えている事から、中国では患者の不満が高まっており、トラブルに端を発した医師への暴力が少なく無い様だ。調べてみた所、「今回の様な“患者による医師殺害”は中国内で、大分前から多発している。」事が判った。

“大病院信仰”等、日本でも医療に関する問題は少なく無いけれど、他に比べると増しな気がする。飽く迄も、“今の所は”だが・・・。


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