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「汚れつちまつた悲しみに・・・」
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革衣
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖氣づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる・・・
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好きな詩人の一人・中原中也氏。青年期の不安定な心を、短文の中に濃縮して封じ込めた作品が多く、中でもこの「汚れつちまつた悲しみに・・・」は特に好きな作品で在る。
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中学1年生の海月(みづき)が幼馴染みの樹絵里(じゅえり)に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。2年生の変人部長・神(じん)を始めとする、訳在り部員達が顔を揃えたクラブだ。果たして、空に舞い上がれるのか!?私達は空が飛べる。きっと飛べる。必ず飛べる。
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社会人として生活し始めてウン十年。社会の良い面も悪い面も嫌と言う程見て来た(見せられて来た)自分に、それこそ「汚れつちまつた悲しみ」を感じる事も在る。そういう時は嫌な事を頭から振り払う為、滅茶苦茶に身体を動かして心身を疲労困憊させ、グッスリ寝るというのも一つの手。又、普段は読まない“ホンワカ系”の作品を読むというのも在り。近年読んだこの手の作品の中では「空とセイとぼくと」が強く心に刻み込まれているが、週刊誌の書評欄でたまたま出遭った「少年少女飛行倶楽部」にそれと同じ匂いを感じ、早速手に取ってみた。
著者の加納朋子さんが、ミステリー作家・貫井徳郎氏の奥様というのは、この記事を書く時点で初めて知った。彼女もミステリー作家という範疇で語られ、実際にこれ迄ミステリー系の賞も受賞されている。そんな彼女が著した「少年少女飛行倶楽部」はミステリー作品で無く、青春物と言える内容だ。登場する人物は中学生達と、彼等を取り巻く大人達。
「他の力を借りる事無く、自分自身の力だけで空を飛ぶ。」という判った様で意味不明なコンセプトで発足するも、部員が2人だけという事で正式な部活として認定されずに休眠状態を続けていた同クラブに、海月と樹絵里という女子が加わり、話は進んで行く。「中学校」という一般社会からすれば狭い空間の中で、一喜一憂する彼女達の姿に、昔の自分の姿をふと重ね合わせてしまう。恋の鞘当て・・・と言うレベルでも無いが、そういったシーンも在ったりと、懐かしさを感じなくも無い。
唯、全体的に言えば淡白さばかりが感じられ、申し訳無いが読み終えた後に残る物は皆無だった。自分が中学の頃にこの作品を読んだならば、違った思いが湧いたかもしれないが、如何せん心が汚れ過ぎてしまったのかもしれない。
総合評価は星2つ。
「汚れつちまつた悲しみに・・・」
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革衣
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖氣づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる・・・
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好きな詩人の一人・中原中也氏。青年期の不安定な心を、短文の中に濃縮して封じ込めた作品が多く、中でもこの「汚れつちまつた悲しみに・・・」は特に好きな作品で在る。
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中学1年生の海月(みづき)が幼馴染みの樹絵里(じゅえり)に誘われて入部したのは「飛行クラブ」。2年生の変人部長・神(じん)を始めとする、訳在り部員達が顔を揃えたクラブだ。果たして、空に舞い上がれるのか!?私達は空が飛べる。きっと飛べる。必ず飛べる。
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社会人として生活し始めてウン十年。社会の良い面も悪い面も嫌と言う程見て来た(見せられて来た)自分に、それこそ「汚れつちまつた悲しみ」を感じる事も在る。そういう時は嫌な事を頭から振り払う為、滅茶苦茶に身体を動かして心身を疲労困憊させ、グッスリ寝るというのも一つの手。又、普段は読まない“ホンワカ系”の作品を読むというのも在り。近年読んだこの手の作品の中では「空とセイとぼくと」が強く心に刻み込まれているが、週刊誌の書評欄でたまたま出遭った「少年少女飛行倶楽部」にそれと同じ匂いを感じ、早速手に取ってみた。
著者の加納朋子さんが、ミステリー作家・貫井徳郎氏の奥様というのは、この記事を書く時点で初めて知った。彼女もミステリー作家という範疇で語られ、実際にこれ迄ミステリー系の賞も受賞されている。そんな彼女が著した「少年少女飛行倶楽部」はミステリー作品で無く、青春物と言える内容だ。登場する人物は中学生達と、彼等を取り巻く大人達。
「他の力を借りる事無く、自分自身の力だけで空を飛ぶ。」という判った様で意味不明なコンセプトで発足するも、部員が2人だけという事で正式な部活として認定されずに休眠状態を続けていた同クラブに、海月と樹絵里という女子が加わり、話は進んで行く。「中学校」という一般社会からすれば狭い空間の中で、一喜一憂する彼女達の姿に、昔の自分の姿をふと重ね合わせてしまう。恋の鞘当て・・・と言うレベルでも無いが、そういったシーンも在ったりと、懐かしさを感じなくも無い。
唯、全体的に言えば淡白さばかりが感じられ、申し訳無いが読み終えた後に残る物は皆無だった。自分が中学の頃にこの作品を読んだならば、違った思いが湧いたかもしれないが、如何せん心が汚れ過ぎてしまったのかもしれない。
総合評価は星2つ。
私はふと、「もし中学生ぐらいに戻れるとしたら、今の経験や記憶を持ったまま戻り、中学生の頃に失敗したことを再びやらないようにしたい」なぞと、汚れっちまった考えをしたりします(笑)
ちびこやぽにょを見ていると、自分が「脳みそに変なしわが増えたなぁ(もちろん顔にも・・・だけど)」と思うことがよくあります。まだまだピュアな子供たちには、「ゴマ(我が家の猫)が忘れ物を届けてくれたんだよー」と言えば、そのまま信じて「ゴマ、ありがとうね。」と猫にお礼を言うし、ゴマ化そうとか、楽しようとか、そのような考えをする脳みそのしわはまだないので、とてもストレートですもんね。
できるだけ、わずかでも残った童心はなくさないでいたいです。
追伸:最近村上春樹氏の本が品切れ状態の人気らしいですが、giants-55さんはお読みになられましたか?私が手にするとすれば、それは単行本になったときだろうと思いますが、村上春樹はとても好きな作家なので、読んでみたいです。
いやあ、良くぞ気付いて下さいました。一定年齢以下だと「『夢想花』って何?それに『円広志』って書いてあるけど、あの“御笑いのおっちゃん”の事じゃないだろうし・・・。」なんて反応になっちゃいそうで、この手のネタは誰も反応してくれないでスルーされちゃうのが非常に気恥ずかしかったりする訳ですが、気付いて下さって感謝感激です。
子供目線で書かれている小説でも、大人の心の琴線にも触れる作品は在るのですが、汚れちまった大人の自分には昔程の感性の瑞々しさも薄れてしまった気がして、その辺が情けない所です。
昔、国語の教科書に載っていた小説「最後の授業」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E5%BE%8C%E3%81%AE%E6%8E%88%E6%A5%AD)に感動し、今でも内容を良く覚えているのですが、果たして実際に読み返した時、昔程の感動を覚えるかなあと思ったりも。