今からウン十年前、父親に赴任の話が持ち上がった。候補地は2つ。片方は海外の或る国で、治安面で不安が在った。そしてもう片方は山梨県という事で、両親共に「出来れば山梨の方が良いね。」と話していたのだが、一つだけ気になる問題が。それは「日本住血吸虫症」なる恐ろしい風土病が、山梨県に存在していた事だった。
「扁形動物門吸虫綱二生吸虫亜綱有壁吸虫目住血吸虫科住血吸虫属」という、一度見聞しただけでは先ず覚えられない区分けに属する動物「日本住血吸虫」。日本では古くより山梨県や福岡県、佐賀県、広島県等の淡水域に、カタヤマガイ(ミヤリガイ)を中間宿主として生息していた日本住血吸虫は、その淡水域に入り込んだ人間等の哺乳類の皮膚からその体内に入り込み、日本住血吸虫症に感染させる。最初は侵入した皮膚部位に皮膚炎が起こり、次に風邪の様な症状が表れる。やがて日本住血吸虫は最終宿主(人間等)の体内に産卵し、それが血流に乗って肝臓や腸等の器官に運ばれ、その周囲に肉芽腫を形成。発熱や下痢といった症状が酷くなり、最後には最終宿主を死に到らしめる事も在るという、何とも恐ろしい動物だったのだ。
「素足で水田等に入らない。」等、様々な対処法を両親は本等で色々調べていたが、結局、赴任の話自体が立ち消えになり、我が家が山梨県に移り住む事は無かった。こちらの情報によると、徹底的なカタヤマガイの駆除を行った事で、山梨県では1996年に「日本住血吸虫病流行の終息宣言」が出され、その他の地域でも完全撲滅に成功した様だ。
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【シャーガス病】
クルーズ・トリパノソーマという寄生原虫が吸血性昆虫のサシガメの媒介で人に移り、血液中で増殖して引き起こす難病。サシガメは泥、藁等で出来た粗末な家の天井や壁の隙間に生息。夜間に床に下りて人の肌に噛み付き、その微細な傷等から原虫が人の血液に潜り込む。発症迄に数年掛り、心臓や消化器の疾患で死に到る。母胎から胎児に感染する場合も在る。民間NPO「顧みられない病気の為の新薬開発イニシアチヴ」(略称:DNDi)によると、中南米では推定1,800万人にトリパノソーマが寄生しており、同地域等では毎年数万人がシャーガス病で死に到っていると言う。
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6月10日付けの東京新聞(朝刊)に、「新型インフルエンザの陰に隠れ・・・ シャーガス病対策先送りに」という記事が載っていた。先月に開催された世界保健機関(略称:WHO)の年次総会は当初9日間の日程が、開幕前に急遽5日間に短縮された。加盟193ヶ国の政府の保健担当者を「各国の新型インフルエンザ対策の為、少しでも早く帰国させる。」との判断からだったが、その煽りを食らい、議題が絞り込まれたと言う。ボリビアにスリナム、バルバドス、そしてバングラデシュの計4ヶ国が共同で用意していた「シャーガス病対策案」の提出も来年の総会迄先送りされる事に。(世界で計5億人が感染しているB型及びC型肝炎の議論も先送りに。)シャーガス病の初期患者には治療薬が在るものの、慢性期の患者に対する特効薬は現状無い。ボリビア等は有志国から出資を募り、研究者向けに賞金付き表彰制度を創設して新薬開発に繋げる考えだったとか。
祖父母が20年前にシャーガス病を発症したというボリビア政府代表のナバロ・アンジェリカさんは、次の様に語っている。
「シャーガス病は貧しい人の病気だから、梃入れしなければ製薬会社は力を入れてくれない。治療薬の開発には先進国を含めた国際協力が欠かせない。」
「扁形動物門吸虫綱二生吸虫亜綱有壁吸虫目住血吸虫科住血吸虫属」という、一度見聞しただけでは先ず覚えられない区分けに属する動物「日本住血吸虫」。日本では古くより山梨県や福岡県、佐賀県、広島県等の淡水域に、カタヤマガイ(ミヤリガイ)を中間宿主として生息していた日本住血吸虫は、その淡水域に入り込んだ人間等の哺乳類の皮膚からその体内に入り込み、日本住血吸虫症に感染させる。最初は侵入した皮膚部位に皮膚炎が起こり、次に風邪の様な症状が表れる。やがて日本住血吸虫は最終宿主(人間等)の体内に産卵し、それが血流に乗って肝臓や腸等の器官に運ばれ、その周囲に肉芽腫を形成。発熱や下痢といった症状が酷くなり、最後には最終宿主を死に到らしめる事も在るという、何とも恐ろしい動物だったのだ。
「素足で水田等に入らない。」等、様々な対処法を両親は本等で色々調べていたが、結局、赴任の話自体が立ち消えになり、我が家が山梨県に移り住む事は無かった。こちらの情報によると、徹底的なカタヤマガイの駆除を行った事で、山梨県では1996年に「日本住血吸虫病流行の終息宣言」が出され、その他の地域でも完全撲滅に成功した様だ。
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【シャーガス病】
クルーズ・トリパノソーマという寄生原虫が吸血性昆虫のサシガメの媒介で人に移り、血液中で増殖して引き起こす難病。サシガメは泥、藁等で出来た粗末な家の天井や壁の隙間に生息。夜間に床に下りて人の肌に噛み付き、その微細な傷等から原虫が人の血液に潜り込む。発症迄に数年掛り、心臓や消化器の疾患で死に到る。母胎から胎児に感染する場合も在る。民間NPO「顧みられない病気の為の新薬開発イニシアチヴ」(略称:DNDi)によると、中南米では推定1,800万人にトリパノソーマが寄生しており、同地域等では毎年数万人がシャーガス病で死に到っていると言う。
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6月10日付けの東京新聞(朝刊)に、「新型インフルエンザの陰に隠れ・・・ シャーガス病対策先送りに」という記事が載っていた。先月に開催された世界保健機関(略称:WHO)の年次総会は当初9日間の日程が、開幕前に急遽5日間に短縮された。加盟193ヶ国の政府の保健担当者を「各国の新型インフルエンザ対策の為、少しでも早く帰国させる。」との判断からだったが、その煽りを食らい、議題が絞り込まれたと言う。ボリビアにスリナム、バルバドス、そしてバングラデシュの計4ヶ国が共同で用意していた「シャーガス病対策案」の提出も来年の総会迄先送りされる事に。(世界で計5億人が感染しているB型及びC型肝炎の議論も先送りに。)シャーガス病の初期患者には治療薬が在るものの、慢性期の患者に対する特効薬は現状無い。ボリビア等は有志国から出資を募り、研究者向けに賞金付き表彰制度を創設して新薬開発に繋げる考えだったとか。
祖父母が20年前にシャーガス病を発症したというボリビア政府代表のナバロ・アンジェリカさんは、次の様に語っている。
「シャーガス病は貧しい人の病気だから、梃入れしなければ製薬会社は力を入れてくれない。治療薬の開発には先進国を含めた国際協力が欠かせない。」
地方でも家畜と同居している住まいや貧しい農家などの土壁に棲息し、夜に活動して人を刺す。死に至る危険度が高いにも拘らず、中流以上の人には関係がない、人から人へは感染しない、潜伏期が長いことで切迫感意識は一般に低いと言えます。
蚊によるデング熱とも併せ高い死因であろうと病院関係者は認識しています。
「シャーガス病対策」で検索したところgiants-55さんの次に下記の感染症対策例記事がありました。http://www.jica.or.id/activities/jocv/report/obreport/eis_12.html
現在日本では風土病はほぼ無くなり、衛生的にも凄く住みやすい国だなと実感します。日本の風土病、現在有るとすれば「自虐史観」「近隣諸国に対する余計な遠慮」だったりして
かなり昔、アフリカを旅する際に3種類だったか4種類だったかの予防接種が義務付けられており、仕方なく受けました。一時的に身体に変調を来たし、「そういう予防接種を受けなくても生活出来る日本」の有難さを感じたもの。
該当地域以外では医師でも知らない者が多いらしく、私も「両親が宮崎出身」の同僚に聞くまで全く知りませんでした。熱心に対応しているのは宮崎・鹿児島・長崎のみだそうです。
いわゆる教育問題で挙がりがちな「母乳信仰」のようなものに対し、「そんなこといっても俺はATL対策で母乳で育ってないし」と文句を言っていたので、「ATL?何それ?」と聞き、知りました。
http://www.i-port.or.jp/jm/vol224/toku224.html
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/contents/org/fukushi/kenko/atl/index.html
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g2/k02_38/k02_38.html
ただ、正しい知識がないと面倒なことも多いのがこの手の問題ですわな。
「成人T細胞白血病」というのは、不勉強乍ら知りませんでした。ウイルスの感染経路が主に母乳で、感染しても長期間発症しない(発症率は約5%)。で、発症してしまうと有効な治療法が無いというのですから、患者にとっては堪らないですね。
九州地方ではそれなりに知られている病気の様ですが、その他の地域での認知度は決して高くない。こういうケースではしばしば「無知故の差別」が生まれてしまうもので、その点も懸念されます。
先人達の努力によって根絶された難病が在る一方で、未だに根絶の糸口さえ見出せない難病が在る。新たな難病の発生も在り、「人間の歴史は病気との闘いの歴史でも在る。」という言葉には頷かされます。難病で苦しむ人が少しでも減って欲しい・・・。
シャーガス病は聞いたことがありませんが、川魚を食すと肝臓ジストマ病になるので生魚は食べないように、と、釣りの本に。
また中間宿主ではカワニナもそうだという話。
こちらも釣りの本で書いてありました。
以来、カワニナが触れません。^±^;
本当なのかどうか定かでは無いのですが、かなり昔に狂犬病の予防接種を受けた事で身体がボロボロになったという方が居りました。元々は頑強な身体だったそうですが、接種以降は容貌も含めてかなり変わってしまったとか。
アフリカに行った際には予防接種の他に、これは任意でしたがマラリアの薬を服用するか否かを問われました。人によっては服用後に気分が悪くなったり、幻覚を見る場合も在ると言われ、「蚊には充分留意するので。」という事で服用しない事に。
海外では風習の違いとかで揉めるケースは結構在りますね。イスラム系の国に駐在している方から聞いた話ですが、同僚が遅く迄仕事をしてくれた現地人の女性(既婚者)を車で家迄送り届けた所、「密室内(車内)で既婚の女性と二人っきりになったのはとんでもない事!」と、その女性の配偶者や親族が事務所迄押し寄せて来たとか。その配偶者はナイフを持って乗り込んで来たという事で、謝罪に謝罪を重ねる等して何とか沈静化させたと話しておりました。
1)胎盤を通じた母子感染、
2)輸血や臓器移植による感染、
3)母乳やサシガメの糞の混入した食べ物を摂取することによる経口感染
があります。
サシガメによる感染は、農村に住んでいる人間だけの問題で、都市に住んでいれば100%安全などということはなく、長期間滞在していれば感染の可能性があるものと思われます。
経口感染は、旅行者でも注意された方がよいと思われます。南米のサトウキビジュースやアサイーのペーストやジュースにはサシガメの糞やサシガメの虫体が一緒にジューサーにかけられる可能性があり、それを摂取すると何日か後に急性期症状が出ます。この時点で、診断・投薬ができれば、治る確率は高いです(80%)。
日本人では、青年海外協力隊のシャーガス病感染者が報告されています。
シャーガス病が心配な方は、最寄りの医療機関で血清検査をお勧めします。
「南米のサトウキビジュースやアサイーのペーストやジュースにはサシガメの糞やサシガメの虫体が一緒にジューサーにかけられる可能性があり、それを摂取すると何日か後に急性期症状が出ます。」というのは怖いですね。必要以上に過敏になり過ぎるのもどうかとは思うけれど、唯、そういった事態も在り得るという事は念頭に置いておく必要は在るでしょう。
今後とも何卒宜しく御願い致します。