銀幕大帝α

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罪の余白

2017年12月22日 14時24分26秒 | 邦画サスペンス
2015年
日本
120分
サスペンス/ドラマ
劇場公開(2015/10/03)




監督:
大塚祐吉
原作:
芦沢央『罪の余白』
脚本:
大塚祐吉
主題歌:
金魚わかな『ダブルバインド』
挿入歌:
葛城ユキ『Freedom』
出演:
内野聖陽安藤聡
吉本実憂木場咲
谷村美月小沢早苗
葵わかな笹川七緒
宇野愛海新海真帆
吉田美佳子安藤加奈
堀部圭亮西崎真
利重剛宮崎知良
加藤雅也高山満



<ストーリー>
行動心理学者・安藤のひとり娘・加奈が教室のベランダから転落して死亡する。加奈の異変に気付けなかった自分を責める安藤。そんな折、笹川と名乗る加奈のクラスメートが現れ、安藤は娘の日記の存在を知る。

事件か、事故か。死んだ娘の親友は悪魔でした。

―感想―

以前から観たい、観たいと思ってた作品やったけど、ずっとレンタル中だったりして中々借りられずにいたのだが、やっとこさ観る事が出来たけど、期待以上の見応えある作品だったなあ。

観てない人の為に書いておくが、悪魔の女子高生・咲に苛々させられ続けるてのだけ頭に入れておいてください。
まあ可愛いというよりも綺麗系な女優さんかもね、個人的には正面から観たらそんなに好み顔じゃなかったけれど、横顔は好いと思ったよ。
ずる賢い咲を演じた吉本実憂の演技力、これがすこぶる高い。
実際に居そう、と思わせる悪女を実に悠々と演じていた。

大抵、秘密を探りに来た男を色仕掛けで落とそうとするのがサスペンス映画の常だけど、本作ではそういうのは一切なく、只々言葉を巧みに操って相手を翻弄させていく。
精神をとことん追い込んでいくという意味でもこの咲という悪女の性格は歪み切っている、言い方変えたら腐り切っている。
頭の賢い女が発する正論にぐうの音も出ない大人たちの情けなさが嘆かわしいたらありゃしない。

突然娘を亡くし、酒に溺れながらも、咲に付き纏い、事実を話せと詰め寄る父。
いじめていた事が原因で、手すりに上り落ちて死亡した事、これは映像の上では残っている(観客に対して見せている)ので確かではあるが、作品の中での証拠というものが全くない。
証拠が無ければ父親は手も足も出ない(一度怒りに任せて殴ってしまい警察に連行されるけど)。
となると、近付けば罵声を浴びせられるわ、嘲笑われるだけだわで、この状況から父親はどういった一手を打つのか、というのが見所。

ストーカー紛いで咲の行動を監視続けた結果、彼女が女優の道を目指し、事務所を探している事を突き止める。
これが、咲の感情を操作する上での重要な決め手となる訳で、学校や警察に相談しても駄目なら、マスコミに娘が残していたイジメの記録日記をバラすと脅す最終手段が有効を発し、ようやく悪魔の女との戦いに終止符が打たれる。
芸能界入り目指している咲からすれば、マスコミに知られて週刊誌等で暴露されるとなると、その夢が潰える恐怖を生み得るのだから、なんとしても阻止しなければいけない。
頭の賢い女に対抗するには自分も賢い行動を取るしかない。
体を張ってまでして賭けに出た作戦を実行した父親の執念には恐れ入ります。
これにまんまと乗せられた咲は、詰めが甘かった、感情のコントロールを最後の最後になって制御出来なかった心の弱さを痛感した事だろう。

ただ、ラストカットの咲の表情を見る限りでは反省の色は殆ど感じられませんでしたがね。
ヘマやっちまったな、程度の気持ちでいるんだろうなあ。

咲が終盤で見せた涙、あれはもう自分自身が自由になりたいという意味での涙だったのかもしれない。
決して懺悔の涙でなない事は明らか。
何時までも死んだ子の父親に付き纏われると女優の道への妨げとなるのだから、その自由が欲しいといった解放という名の涙が、咲を動かし、いざこざは全て片付けるしかないという決心へと気持ち固めた結果の末路があれ。
ちょっとした焦りが身を滅ぼした形になってたね、あの辺の流れは秀逸だった。
自分だけよければいい、そういう勝手な思考が神の罰を受けた様。
先々、キリストに対する信仰を馬鹿にしてたてのも一種の伏線か、天の神は悪者を懲らしめる為には正義者に手を差し伸べる。
のうのうと生きてられると思うなよ、そんな父親の怒りが天罰へと成り代わり振り落とされる。
頭脳戦に勝ち抜いた渾身の復讐の一手を見せられた気がした。

同級生役に武田玲奈。

またチョイ役だよ。。。

評価:★★★☆
17/12/22DVD鑑賞(旧作)
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