最終日の閉館間近い時間に、「やきもの展」に入りました。
縄文時代から昭和まで、唐物と和物を取り交ぜての展示でした。
時間が限られていたからだけでなく、
私は細かく考証を読んだりはしません。
気持ちを惹かれたモノの前でだけ長い時間を立ち止まります。
何に気を惹かれるのか? 形と色合い、想像できる手触り、
そんな感じでしょうね。
展示の一番おしまいに、板谷波山のものが数点あって、
その一つの天目茶碗が昔からのひいきです
久方ぶりに逢えました。
15年も前にこの美術館を紹介して下さった方から、
その器にまつわるお話を聞いて観に行って、私自身も
とても惹かれた一品です。
そして、それよりもさらに昔の大先輩のお話も、
芋づる式に思い出しました。
その方は若いころに画家を志していらっしゃったそうですが、
結局は違うお仕事に就かれてました。
でも、気ままにいろいろ見るのはお好きでしたね。
で、某大きな美術館に
「オレの器がある」とおっしゃっていました。
たしか、萩焼の湯飲みだったとか。
別にその方が作ったわけでも、所持していたわけでもなくて、
「一目会ったその時から」惚れ込んでしまい、その品が出る、
ということになると、それを観る(それに逢う)ためだけに
足を運ぶ、とおっしゃるのです。
「へ~、そんなもんかな。」くらいに思って聞いていましたが、
なとなくわかるような気もしてきた今日この頃です
何に惹かれるか・・・?
顔とスタイル? 声と音程とリズム感の良さ?
ま、何についても、それを「いい」と感じない人に
わかってもらうことは不可能な分野ですね