表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

『ドル3部作』

2024-04-25 16:09:03 | 映画

最近映画ネタばかりですみません。まぁ、当ブログは極力”お店の情報は満載!”ではないことに主眼を置いているから仕方ないですね。

 

いよいよ明後日より、仙台でも『ドル3部作』の特別上映が始まります。

4/26(金)~5/9(木)「ドル3部作」上映スケジュール | フォーラム仙台 (forum-movie.net)

セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演のこの三作品、皆さんもご存じの通り三部作でも続編シリーズものでもありません。同じ監督で同じ役者が主演だっただけで、たまたま何となく一括りにされているだけです。※決してバカにしているわけではありません。念のため。

でもでも!星の数ほど作られたイタリア製西部劇(『荒野の○○』、『○○の用心棒』、『怒りの○○』、『夕陽の○○』とか)の中でもやはりダントツの面白さ!まだ30代前半だったクリント御大のシビれるようなカッコよさ、対するジャン・マリア・ヴォロンテ、リー・ヴァン・クリーフ(死んだ親父がファンでした)、イーライ・ウォラックをはじめとする濃厚な脂っこいオジサンたち。そして今や神格化されて”映画音楽の巨匠”に祭り上げられたエンニオ・モリコーネの、一度聴いたら絶対に忘れられない音楽。

僕が初めて観た40年以上前(テレビで中学生の頃)は単に娯楽映画としての扱いだったと思うけど、この評価もいつの間にかレオーネ監督が巨匠と呼ばれ、クリント御大も巨匠となった辺りからは”名作”に昇華しました。

その僕が多感な中学生の頃のクリント御大の人気は絶大だった(今はなきロードショウ誌の人気ランキングでは常に5位以内)し、出演(兼演出)作品は当時の恋人ソンドラ・ロックが必ず傍らにくっついていて、どちらかと言えばノー天気なアクションものばかりでしたね。もちろん毎作欠かさず観に行っていました。『ナントカ洋画劇場』で放送されれば録画して何度も観ていました。当時はマックィーンの次に大好きな役者さんだったから。

実際ニューシネマ以前のハリウッド製の西部劇の多くは、基本勧善懲悪もの(『シェーン』とか)か、原住民は悪者扱いの現代だったら訴えられそうな人種差別もの(例外も多々あり)も多く、スピード感(『駅馬車』の疾走感は別にして)やアクションよりも雄大な大西部の情緒(『大いなる西部』のオープニングは最高です)的な描写や漢の友情を描いた作品(『リオ・ブラボー』が一番好きな西部劇)がメインでした。

対するマカロニは、情景(スペインでのロケが多かったと後から知りました)よりも顔や銃を持つ手元のアップを細かいカットでテンポよく繋いだスリリングなスピード感、ハリウッドではあまり見せなかった残虐シーン(これも今となっては大したことはないけど)、歪んだ友情(もしくは裏切り)、騙しあいなど、まるでタランティーノ監督が好んで描く世界観の先駆けのような作品ばかり。

だから名作というよりも断然娯楽作が多いのも頷けます。でもそのマカロニの世界から、クリント・イーストウッドをはじめジュリアーノ・ジェンマやフランコ・ネロが飛び出し、僕の生まれる以前の映画界はとかく華やいでいたんですね。映画が娯楽の王様だったこの時代をリアルタイムで体験したかったな。

 

話が大きく逸れちゃいました。

『荒野の用心棒』は例の盗作問題があってしばらく劇場公開できなかったせいで、映画館で観たことないんです(10年ほど前にリバイバルがあったはずだけど観ていない)。だから今回の特別上映は僕にとっても特別過ぎる(もしかしたら最後の?)チャンスです。テレビや映像ソフトでは何十回も観ていますけど、見逃すワケにはいきません。できれば山田康夫さんの吹き替えでも観たかった。

仙台での上映予定を見ると、明後日から二週間の間で大体一日一本のペースで上映されるようです。正直我が家からだと行きづらい劇場なので、週に一ぺんで良いから朝から三本連続(約7時間!!)で上映してくれたら嬉しいなぁ。入れ替えのなかった昔は、それこそ朝から晩まで何回も同じ映画観たりして劇場に入り浸っていました。村上春樹さんが図書館に入り浸っていたように、少年時代の僕の居場所(そんなに孤独な少年ではありませんよ)は薄暗くて硬い椅子(場所によっては木製)の映画館でした。昔を思い出してまたそんなアホなことしてみたいですね。

ムビチケを三枚購入するとオマケでもらえる、公開当時のプレスシートの複製。

映画館の暗がりでマカロニの世界にどっぷり浸る日を楽しみにしています。

 

映画『ドル3部作 4K』公式サイト (dollars-trilogy4k.jp)



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