行きたかった初日に観れず、昨日ようやく観ることができました!!年齢層は高めだったけど、約8割の座席が埋まり加齢臭、いや熱気プンプンの東宝シネマズ。
来日前夜祭とうたわれて25、28日の両日劇場公開された、ビリー・ジョエル”奇跡と伝説の夜”と絶賛された旧シェイ・スタジアムでのラストショウ。あの『ライヴ・アット・シェイ・スタジアム』です。
映像作品としても既にリリースされて、店でもしょっちゅう流れているおなじみの大好きなライヴ。何が好きかって、最近のベストヒット・ライヴではなくシングルカットどころか余程のファンじゃないと耳馴染みのない、マイナー系の曲の合間にヒット曲を挟むというような構成で魅せるめっちゃ楽しいライヴだから。
劇場版(僕が持っているのは輸入盤なので字幕は英語と欧州語のみ。しかも曲間のMCの部分だけ)は全ての曲に字幕が乗っかっているから、あまり馴染みのない楽曲も良く理解できました。そう観て(聴いて)いると、やはりビリーも詩人ですね。各曲に描かれる情景がありありと浮かんでくる、とってもステキな短編小説のようでした。
ご本人もこの日にかける気持ちは人一倍だったでしょうから、言い古された言葉だけど”集大成”として臨んだステージだったと思います。日本でもこんな緩急織り交ぜたステージが観てみたかったなぁ。
昨日は(も)朝から4回半観て(もちろん仕事しながらですよ)から18:10~の上映に挑みました。さすがにこの一週間で10数回も観ている(もちろん仕事しながら)ので、今更劇場だからって泣くわけはないと思っていたのに...。
このイントロが流れた瞬間から涙腺はユルユルでした。
Billy Joel ft. Tony Bennett - New York State of Mind (Live at Shea Stadium)(2008),1080p, HQ Audio
ニューヨークに行く度に、飛行機の窓からマンハッタンが見える度に、雑踏を歩く度に、ハドソン川を見る度に、ブルースのショウをメドウランズで観た後、一度だけハドソン川超しに輝くマンハッタンの夜景を見たときにetc...
僕のニューヨークの思い出にはいつも「ニューヨークの想い」が(脳内で)流れていました(たまにライザ・ミネリの「ニューヨーク、ニューヨーク)。名曲だらけのビリーの楽曲の中でも、多分一番好きな曲。ビリーの想いがたくさん詰まったこの曲。地元クイーンズ出身のトニー・ベネットとの掛け合いは、ハイライトだらけのこのライヴでも珠玉の瞬間です。
個人的にはアメリカらしさ全開、軍人さんに敬意を表する「サイゴン」や、たまたま結婚したばかりのカップルを見つけて祝福する「シ-ズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」のくだり、バンドのメンバーを常に盛り立てて紹介するビリーの優しさ等々がたまりません。
とは言え、この作品自体は「奇跡」と「伝説」の”イイとこどり”。本編は「プレリュード/怒れる若者」で軽快に幕が開きますが、実際は二日間とも「アメリカ国歌」~名曲(来月のオープニング・ナンバーもコレでしょう)「マイアミ2017」で始まっているし、セットリストも結構変更があって、できればオフィシャル映像のノーカットで「奇跡」と「伝説」を観てみたいものです。
二日間とも演奏されたのに無残にもカットされてしまった「ロックンロールが最高さ」(この邦題大好きです)、初日のみの「プリーズ・プリーズ・ミー」が観れないのが残念でなりません。
本編中盤に登場するカントリー界のガース・ブルックス(すみません、コッチは不勉強でこの作品で初めて知りました)がカバーして大ヒットした(そうです)「シェイムレス」ですが、初日は「スタンド・バイ・ミー」~「イノセントマン」という最強のメドレー。うーん、こっちも捨て難い!
ジョン・メイヤーが飾りっけなしの普段着(この人はいつもこうなのか?)で登場(初日だけだったみたい)して一言も発しないまま超絶ギターを聴かせてくれる『ザ・ブリッジ』収録の「デイス・イズ・ザ・タイム」も良かったです。
ついでにゲスト枠で言えば、初日はドン・ヘンリーが登場して哀愁のラブソング「ボーイズ・オブ・サマー」だったけど、二日目はスティーヴン・タイラーが「ウォーク・ジス・ウェイ」(この演奏が本家並み、いや本家を凌駕しているかも)。どちらも本編からはカットされて、スティーヴンのパートだけボーナス・トラック扱いになりました。権利の問題?
カット繋がりのゲスト枠と言えば、ザ・フーのロジャー・ダルトリーとジョン・メレンキャンプのパフォーマンスも本編に入らないのが不思議なくらいカッコ良かったな。こちらはどちらもボーナス・トラックで観れるので、全く日の目を見ていないドンだけが可哀そうな気もします。
後から知って一番ビックリしたのが、アンコールの「ピアノマン」です。あまりにキレイに編集されているから違和感を全く感じませんが、本編に収録されているのは「私を野球に連れてって」を織り込んだ初日バージョンのようです。のっけから大合唱になる「ピアノマン」も好きだけどこっちも聴いてみたいですね。
伝説となった二日目は、本編の通り「ピアノマン」の前後にポールが登場しています。なんでもポールがホントに来るかどうかが未確定だったらしく、殆どのメンバーも知らなかったとか。絶望的に間に合いそうにもなかったのに、関係各所(税関や警察)全面協力でJFKからクイーンズまで10分足らずで到着させたという逸話もニューヨークならではですね。
それなのにリハーサルもなしに「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」と「レット・イット・ビー」を完璧にバックアップしたバンドの面々は凄すぎます。もちろん到着してすぐに最高のパフォーマンスを見せれるポールも凄すぎます。そして何より自身のショウ、しかもご指名があってシェイ・スタジアムの最期を飾るコンサートをやったのに、大トリをポールに譲ってポールのパフォーマンスを一番間近で見て一緒に歌うビリーの無邪気さ。結果、旧シェイの最初と最後はポールだったというオチですね。やっぱりビリーって良い人なんですねぇ。そんなビリーも凄すぎます。
さあ、久しぶりの来日公演まで一ヵ月を切りました。きっと最後の日本公演になるでしょう。初めてビリーのショウを観てから早37年?38年?
うん、間違いなく泣くな。絶対泣くな。オープニングの「マイアミ」から最後の「ピアノマン」(だけじゃないけど)は声も涙も枯れるな。今想像しただけでもウルウルしちゃいますもん。
みんなでしっかり見届けましょうね。
追伸:久しぶりに上映終わりで自然発生的に拍手が沸き起こりました。田舎じゃ珍しいことですよ。さすがビリーだ!