表通りの裏通り

~珈琲とロックと道楽の日々~
ブルース・スプリングスティーンとスティーブ・マックィーンと渥美清さんが人生の師匠です。

John The Revelator

2025-01-11 16:05:51 | Blues

サム・ムーアさんが逝去されました。89歳。

https://news.yahoo.co.jp/articles/354d8a41f4e00829ff5b99c8976e630ede0b03f6

鬼籍に入っても仕方のないお歳ですがめっちゃ悲しいです。自分のじいちゃんが死んじゃった気分です。

サム&デイヴは僕にソウルのカッコ良さを教えてくれた先生です。ベタだけど代表曲「ソウル・マン」のカッコ良さにシビれました。

僕がサム・ムーアさんに辿り着いたのは、中一の頃に黒人音楽に何の知識もないまんま観た(今はなき東映パレス!)映画『ブルース・ブラザース』の中でした。ご本人は出ていないけど、劇中でカーラジオから薄~く流れる「スージー・ミー」「ホールド・オン、アイム・カミン」。「何だ?このカッコ良い曲は!!」とシビれました。

そのあとブルース・ブラザースのデビューアルバムで「ソウル・マン」のカバーを聴いて以来、サム&デイヴがお気に入りのアーティストに。

https://youtu.be/FTWH1Fdkjow?si=OdZCcoa1nsigGRnV

そして第一作から18年後の続編『ブルース・ブラザース2000』でサムさんはついにブルース・ブラザースの仲間入り!クリオファス牧師ことジェームス・ブラウンと一緒にゴキゲンなソウルを聴かせてくれました。

John The Revelator (No Police Interruption) | Blues Brothers 2000 (1998) | Sam Moore, James Brown

このシーンは物語の展開を左右する重要な場面だし、何度観ても楽しくて大好きです。

また一人、『ブルース・ブラザース』を彩った大スターがいなくなっちゃいました...。

 

 

ブルース絡みでは1992年の(僕は大好きだけど)あまり評価の高くないアルバム『ヒューマン・タッチ』で「ソウル・ドライバー」「リアル・ワールド」「マンズ・ジョブ」の3曲で共演。

そしてロックの殿堂コンサートではブルースの客人として「ソウル・マン」と「ハイヤー・アンド・ハイヤー」でパワフルな歌声を披露。このステージはたまりませんよね。ブルースのサムへのリスペクトぶりが最高です。

https://youtu.be/zK42PMBcESo?si=n46XYPRDNnz5Jqjl

さらにブルース版”フロム・ザ・クレイドル”(と、僕が勝手に思っている)『オンリーザ・ストロング・サヴァイヴ』でも「ソウル・デイズ」と「愛を忘れて」で共演。特に「ソウル・デイズ」での掛け合い "I wanna hear Sam & Dave (Oh, listen baby" がほのぼのしていて大好きです。

20年くらい前のサムのアルバムでもデュエットしていましたよね。

 

あぁ。切ない。悲しい年明けになりました。

 

サムさん、一度もお会いできなかったけど安らかに。

 

 


祝!エリック爺さん2025年4月来日公演決定!

2024-11-15 13:59:58 | Blues

予想通り二年ぶりの来日公演が発表されました!

【ERIC CLAPTON/エリック・クラプトン】2025年4月来日公演決定!レジェンドが贈る、永遠に語り継がれる特別なステージ

80歳。元気なお姿を拝見できるのもさすがに今回が最後?(って前回も思ったけど)なので、日程が許す限り武道館に通います。

シンディの武道館公演が22日。この前後でお互いに客演はあるのか?と、なれば21日の爺さん、22日のシンディ姐さん、一日空いて24日の千秋楽...でも初日と中日も観たいし...だって前回は前半レグで「いとしのレイラ」。後半レグで「コカイン」だったから、もしかしたらまた前後半でセトリ少しイジるかもしれないし...云々も含め、とりあえず明日のチケット抽選会に臨みます。


僕が後悔している三つの事柄~Jessica

2024-04-22 17:12:20 | Blues

僕には後悔していることが三つあります。

①85年のブルースの初来日公演に行かなかったこと。

これは当時田舎の高校生(三年生になったばかりだった)にはハードルが高過ぎました。今と違って情報が一ヵ月遅れで伝わるような時代。無垢な高校生が、たった一人で代々木第一体育館まで行くなんて...その前にチケットの買い方すら知りませんでしたし。

だから日本公演のブート盤(勿論アナログ)を手に入れてからは、毎年4月10日にはそんな意気地なしの少年だった自分への戒めとしてレコードを聴くことをルーティーンとしています。

②オリジナルメンバーが(一人でも)在籍中にレーナード・スキナードのショウを観に行かなかったこと。

昨年唯一の残存オリジナルメンバーのゲイリー・ロッシントンが亡くなって、先日現在のバンドメンバーから「トリビュート・バンドだと思われても仕方ない。でも活動を続ける」みたいなコメントが出されていました。

まだオリジナルメンバーが残っていた94年に日本に来ていたのは知っていたのに、何故か行かなかった自分を未だに責めています。当時は再結成メンバーも過渡期だったけどロニーの弟ジョニーもゲイリーもいたし、ゴキゲンなピアノ弾きのビリー・パウエルもいたのに...

「フリーバード」聴きたかったなぁ。それなのにどうして行かなかったんだ?

③せめてグレッグ在籍中のオールマンズが観たかった!

91年の初来日公演があるのも、続けて92年に日本に来たのも知っていました。多分『シェーズ・オブ・トゥ・ワールド』発売に合わせたツアーだったのかな?ライヴ・アルバム(『アン・イブニング』ファースト・セット&セカンド・セット)も2枚出て、ほぼリアルタイムで当時再結成後の心地よいグルーヴ感を堪能していました。特にセカンド・セット(発売は95年)は良く聴いていましたね。この再結成後のオールマンズって、グレッグのしゃがれ声に磨きがかかってめっちゃカッコ良いんですよね。バンドも(音源を聴く限り)絶好調みたいだし。

それなのにどうして観に行かなかったんだ?オレ。

それよりもずっと前に初めて『フィルモア』に針を落とした時、A面1曲目「ステイツボロ・ブルース」のイントロを聴いた瞬間、全身に高圧電流が流れました。使い方は違うけど“身の毛もよだつ”ってこのこと。

もしかしたらファースト・インパクトの大きさで言えば「明日なき暴走」を聴いたとき以上だったかも。とにかくそれからしばらくはオールマンズにどっぷりハマって、そのままサザンロックの世界に引き込まれていました。その流れで出会ったのがレーナードだったわけです。この二つのバンドは未だに大好きで良く聴いています。

去年新宿のレコード屋さんでドイツ盤の5枚組『フィルモア』箱見つけて買っちゃいました。通常盤も含めて何枚同じの持ってるんだ?オレ。

ちょっと話が逸れますが、スコセッシ監督の傑作『ディパーテッド』の劇中、コステロの経営するバーで他の客からからかわれたレオナルド・ディカプリオ演じるビリーがブチ切れて殴りまくるシーンで流れていたのがオールマンズの「ワン・ウェイ・アウト」。暴力シーンとは裏腹に、この作品で一番感動を覚えた場面はココです。ここはもう泣くに泣きました(笑)

当然『フィルモア』やその「ワン・ウェイ・アウト」が入った『桃』のようなドロドロ濃厚なライヴ音源が一番好きですが、反面『ブラザーズ・アンド・シスターズ』の軽いカントリー風なアルバムも大好きです。捨て曲なしの軽快なこのアルバム。大ヒット曲「ランブリン・マン」も良いけど、僕は「サウスバウンド」と「ジェシカ」が好きでたまりません。

「ジェシカ」のどこまでも天に昇っていくような、ディッキーのねっとり(でもデュアンのそれとは全く違う)としたギターの音色。インストゥルメンタルなのに、まるでディッキーが歌っているかのように聴こえてくるこの曲が個人的には最高かも。よくエンドレスでリピート(勿論カセットテープ)しながら朝までクルマで走り回っていたっけなぁ。

この曲こそが”In Memory of Dickey Betts”。

Guitar Greats - Jessica - Dickey Betts - 11/12/1984 - Capitol Theatre

今更ですが、そのディッキー・ベッツが鬼籍に入られました。確か2013年に自身のグレイト・サザンを率いて来日しました。この時も何で行かなかったんだろう?オールマンズじゃなかったから?悔やんでも悔やみきれません。

オールマンズ在籍中は色々メンバー(特にグレッグ)とモメていたようですが、天国ではみんなで仲良く好きなだけジャムってくださいね。

 

Rest in Peace...

ディッキーさん安らかに。

 


アクロス24ナイツ

2023-06-23 22:39:01 | Blues
都会に遅れること二週間。仙台でもようやく今日から公開されました。

エリック・クラプトン アクロス24ナイツ 予告編


『24ナイツ』リリース当時はちょうど名盤『ジャーニーマン』のツアーを観たばかりだったので、しょっちゅうターンテーブルに載せていました。
あの頃はロック(ブルース?)ミュージシャンがオーケストラと共演するなんて(自分が若かったせいで)想像もできなかったし、ブルース・バンドのステージも(自分が若かったせいで)イマイチだったし、何より「いとしのレイラ」のライヴ・バージョンが聴きたかったのに入っていないし(それまでのライブ・アルバムでも「レイラ」が入っているのは殆どなかったけど)、Eストリート・バンドとローリング・ストーンズがイチバンだと信じていたので、エリックのバンドの面々のスゴさも(自分が若かったせいで)良く分かっていなかったから、9ピースバンドの面(アナログ盤ディスク1のB面)ばっかり聴いていました。
今でもこのときの「ワンダフル・トゥナイト」はおセンチなエリックの魅力爆発!今回の『ディフィニティヴ・24ナイツ』で初めてオフィシャルで登場した「レイラ」よりも51秒も長いバージョンが大好きです。だから4月の武道館で披露された”ほぼアルバム・バージョンのまんま”版が物足りなくて物足りなくて...。

そしてほぼ同時期に出た映像作品(VHSで持っていました)は画質は悪いし編集は荒いしで、あまりすきじゃありませんでした。

しかし!!

今回公開された『アクロス24ナイツ』は全くの別物。音も映像も見違えるほどにキレイに生まれ変わって、件の「ワンダフル」もオリジナル『24ナイツ』収録版ではなく、オーケストラ版。初めて聴いたけどそれがまた良いんです。
そしてブルース・バンドの場面も、『ザ・ディフィニティヴ・24ナイツ』の音源よりも遥かに素晴らしいのにビックリしました。このステージの数年後に鬼籍に入られたアルバート・コリンズをフューチャーした「ブラック・キャット・ボーン」(ジョニー・ウィンターの曲なんですね)と、今や大好きなミュージシャンである、バディー・マザー・フ〇〇カー・ガイをフューチャーした「マイ・タイム・アフター・ア・ホワイル」は、あまりの楽しさに涙が止まらなくなるアドリブだらけの名演です。この楽しさは音源からでも十分伝わってくるんですが、バディの後ろで終始ニコニコしながらバディを見守るエリックの表情や、バディに呼ばれて「なかなか上手いじゃないか!」とからかわれながらギターバトルを展開するエリックの姿、ハイテンションで時計を気にしながらアドリブをやめないバディのお茶目な様子なんかは、映像ならでは。この2曲を観るだけでも劇場に足を運ぶ価値ありです。

全47曲5時間48分にもなる『ザ・ディフィニティヴ・24ナイツ』からすればダイジェストのダイジェストのような映画ですが、ベルサーチのスーツに身を包んで、時折長い髪をかき上げながら今の10倍はギターを弾きまくっていた若き日のエリックが存分に楽しめる115分です。

劇場においでの際は大き目のタオルを持参することをおススメします。

また観にいこうっと。