園芸品種としての馬酔木
私は園芸品種の小さいアセビしか見たことがないが、現在でも庭園樹や公園樹などとして栽培されており、意外と身近にある有毒植物なのです。
鉢植えには、特に赤花品種や班入り葉、矮性で、葉が細いヒメアセビが喜ばれる。鉢物の園芸品種に淡紅色のアケボノアセビが栽培されている。(樹木図鑑・NHK趣味の園芸より)
歳時記 季題は〈春〉 馬酔木の花
俳句
馬酔木より低き門なり浄瑠璃寺 水原秋櫻子
馬酔木咲く金堂の扉にわが触れる 水原秋櫻子
花馬酔木春日の巫女の袖ふれぬ 高浜虚子
馬酔木野の夕日幼なもて呼ばれ 丸山哲郎
おわりに
馬酔木はお寺や墓地にあるもの、そんなイメージだったが万葉集のなかで、大切な人を思う花、庭園樹としてその家の繁栄をたたえる花、恋の歌にと美しさを愛で、大切にされた花であった。しかし、私の周りで花を見ようと思ってもどこにあるのか分からないのが現状です。かろうじて、ある病院に樹の下の植え込みとしてヒメアシビがあるのを見つけた。
今も奈良公園に万葉の人々の心を共有できる「ささやきの小径」がある。
桜にさきがけて咲く馬酔木の白い花をしっとりと楽しむのもいいかもしれない。
ささやきの小径
志賀直哉旧邸から春日大神に通じる小路を「ささやきの小径」と呼んでいて、馬酔木の木がとても雰囲気をつくり、昔からのデート路です。(サイトから)