阿吽
印は、梵字吼ここを音写したものです。阿
は、口を開いたときに自然に発する最初の音声で、
言語の根本と考え、さらに生命の源、万物の始源
であるとします。悉曇梵字は、初めに必ず阿点を
打ちますから、あらゆる梵字に阿字が含蔵されて
いることになります。
したがって阿字は、根木仏である大日如来の種
子であると同時に、一切諸尊の通種子(すべてに
共通する種子)でもあります。
睨は、・£`(目引フーン)を音写したもので、口
を閉じるとき発する最後の音声で、一切諸法の究
極を象徴し、真如そのものを意味します。
つまり阿吽は、すべてのものの始まりと終わり
を示し、この世の森羅万象が、この阿吽のはたら
きであるといわれています。密教では、阿は慈悲
の胎蔵を、吽は智徳の金剛界を象徴します