文藝春秋7月号 小池百合子「虚飾の履歴書」(ノンフィクション作家 石井妙子著)は、カイロ大学留学時代の同居人をはじめ、小池氏周辺の人たちに対する綿密な取材を基に書かれていて、見事に小池氏の「嘘」を明らかにした痛快なリポートだ。石井氏は、文藝春秋2017年8月号で「男たちが見た小池百合子という女ー小沢一郎、細川護熙、守屋元次官ら12人の証言」、文藝春秋2018年1月号で「女たちが見た小池百合子ー失敗の本質」で、間近に接した18人の証言で彼女の本性に迫っている。
小池氏に対しては、決して信頼感を持てない政治家だと思ってきた。時に、政治家としては華やかなファッションに身に包み、自信過剰で上から目線の言動は鼻についていた。政策そっちのけで、時の権力者に擦り寄り、マスコミを巧みに操り(自分では、そう思っていたようだが、これが墓穴を掘った)、絶えずスポットライトを浴びることの快感に酔いしれていた。
昨年の衆院選前にブログで書いたが(下記のアドレス)、石井氏の第3弾のレポートを読み、「やっぱり」と確信した。https://blog.goo.ne.jp/goo1942_december/e/08ca5ca93a77759c8b7b835b8d6ccedb
「カイロ大学首席卒業」は、小池氏の売りの一つだが、これが嘘だと断言する。2016年の都知事選の選挙公報にも明記されていて、学歴詐称であり公職選挙法の虚偽事項にあたるという。ここから、数々の嘘を重ねながら、国民を欺き続けてきたというのだ。国民もマスコミも見せかけの言動に騙されてきたことを大いに反省しなければならない。
カイロ大学時代の同居人の女性は告白の動機を次のように語っている。
「私はもう高齢で、いつどうなるかわかりません。それにエジプトは今、独裁政権下で荒んでいます。他人が簡単に殺される。数千円で殺人を請け負う人たちがいるのです。そんな中で私も、いつか自分が消されてしまうのてではないかと怯えてくらしてきました。私が真でしまっては、真実を知る人がいなくなってしまう。そういった様々な不安から解放され、本来の自分の人生をとり戻して、残りの時間を生きたいのです」
石井氏も、小池氏側にインタビューを申し込んでいるが、顧問弁護士から「カイロ大学の件については公職選挙法の虚偽公表罪には該当しない」と言われ、「記事の全体像を示し、相当と判断した場合には、適当な時期を選んでインタビューに応じる」と返答してきているという。今のところは「公務多忙」を理由に断られている。
われわれは、かつての同居人の女性と執筆者・石井氏の勇気ある発言・行動によって、政治家・小池百合子氏の本当の姿を知ることになるだろう。