へそ曲がりおじさんのひとり言

常識にとらわれるのが嫌い。
他人と同じ事が嫌い。
世の中、別な角度から見ると新しい物が見えるから。

賃上げ

2007年03月16日 03時38分57秒 | Weblog
春闘も終盤になってきた。
主だった企業の妥結額が発表されているが、ここでも大企業と中小企業との格差が際立っている。
私は何度も転職を繰り返してきたので、春闘にはおよそ縁のない様な会社ばかりでした。
しかしこれも自分の能力のなさと諦めるしかありません。
格差社会の底辺に近い生活です。
若い頃は腹も立ちましたが、今考えると懐かしい思い出です。
私が生まれ育った場所は、東京でも比較的裕福な家が多いところでしたから、本当の中流階級を見てきました。
以前、日本人の90%が中流意識を持っている、などと言われましたが、笑止千万な話です。
多くの人が、本当の中流社会を知らないのです。
上流、中流、下層(貧困)と分けるからいけないのです。
実は、中流と下層の間に、庶民階級があるのです。
私は、庶民階級と下層階級の境目辺りだろうと思います。
しかし、心だけは中流でありたいと思っています。
心が豊かであれば多少の貧しさは気になりません。
そして、「隣の芝生は青く見える」と言うように、他人のことはよく見えます。
他人の良いところばかりを見ていると、自分がミジメになります。
極力他人の良いところは見ないようにしているのです。
他人と比較せず、自分の生活を楽しむ、これが貧しくても心豊かに暮らす秘訣です。
多くの場合、給料が上がると嬉しいものです。
しかし、上がるのは給料だけではありません。
物価も上がるのです。
かつて佐藤栄作が、所得倍増論、をぶち上げましたが、結局、物価も倍増してしまいました。
バブル崩壊後、景気の低迷がつずいています。
政府の発表では、「景気は良くなっている」等と言っていますが、3割の企業が7割の利益を独占しているようでは話になりません。
しかしこれは、バブル崩壊後、給与の引き上げが止まった事も影響しています。
かつて中国は、低賃金を武器に、日本から仕事を奪ってきたのですが、日本の給与が伸び悩んでいるうちに、中国の給与が上昇した為、その差がちじまり、国際競争力が出来てきたのです。
極論ではあるが、日本の給与水準を現状のまま維持しつずけると、いつの日か中国と立場が逆転、と言う事も考えられます。
低賃金と言うのも、必ずしも悪い面ばかりではないのです。
日本は資源のない国、その上に少子高齢化社会。
国内の需要を当てにしては、経済発展は望めません。
もともと日本が大きく発展できたのは、輸出のおかげです。
安い原材料を輸入して、付加価値をつけて輸出する。
日本の発展はこれ以外にないのです。
その為には国際競争力が必要なのです。
かつては、日本は技術力で勝負出来ましたが、今では技術力だけでは勝負出来ません。
日本の技術が中国に流出している現在では、品質だけではなく、価格でも争わなければならないのです。
必要以上の賃上げは、その競争力を奪います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする