第13章 牛乳とミルク 日本語の語種になる、漢字の言葉と片仮名の言葉の意味範囲になる。牛乳、ミルクともに日本語では食生活に欠かさないものとなっているが、ここに、豆乳、生乳、乳製品など漢字によって原材料の種類、処理の仕方など、言葉ができる。ミルクにも同様のことがある。豆ミルク、生ミルク、ミルク製品など、その使い分けはどこにあるか。語構成のカタカナは、ミルク―
漢字は牛乳― となる違いで、カタカナの組み合わせがミルクにはつながりよい。さらに歴史的にミルクがつかわれるようになる時代がある。粉ミルクはあっても、粉牛乳がないのは、牛乳ではない合成の粉末ミルクができたころの名称である。牛乳は加工乳として愛用されることがあり、畜産業の製品であったから、その時代背景があって、牛乳でしかない用法となる。牛乳石鹸を問題にすれば、固有名にその成り立ちを思う。 . . . 本文を読む
第12章は、類義語に、ねじる、ひねる、しゃべる について、TV番組出演に及んで、意味の違いを説明する。しゃべる 話す 言う についても、用例による分析が行われる。ねじる 一方向に力を加える と、ひねる 逆方向に力を加える とは、同じ方向であってもよく、まっすぐなものをよじることであるから、固定してするかどうかで、その力加減である。体をひねる、体をねじる、そして、体をよじるのも、利き腕によって正方向があれば反対方向もある、その部位によって、捩じる状態、捻る状態、よじれる状態が表現される。 . . . 本文を読む
第11章、コスとコエル この2語をどう、使い分けるか。留学生が山の峠を通過するバスに乗って質問したという。バスは峠を越したんですか、峠を超えたのですか、と。お申し越し下さい、家にお越しください、乗り越し料金は、などなど、コスとか言えない用法がある。意味成分表を作ってその違いを求める。しかし、ここで、筆者は重大な解説をしている。意味成分の分析で説明するのに個人的見解があって、それを自分が60年使ってきて、さしさわりがなかった故をもって、語の意味における正しさを、同一社会集団の所属している成員間で互いに何とか理解できる範囲での理解ということになる、と意見を述べる。そこで日本語教育の当面の目標を置くことになって、最大公約数的な意味のサークルに外国人を誘導することであると論じている。 . . . 本文を読む
第10章 甘い 日本語の甘いと美味いの関係を説明する。甘いが祝詞に甘水とうたわれて、美味い水を表していたと捉える。辞書義にはアマイと、その用法である、アマイをプラスとすれば、甘くないと意味する、マイナスイメージの語義が分かれる。その用法の分岐は何か。分水嶺と分けるのは、食べられるかどうか、また、快適を意味する、心地よさがあるかどうかに、意味成分になる食べられるに意味は、味噌汁がアマイ、という表現で、塩味の成分が加えられる。そこで、この意味分布を日本語古典お用例、中国語、韓国語、モンゴル語にどのようであるかを、応用してみる。対照して語彙を見ると、アマイ、ウマイ、この意味が同様に使われている。甘い(あまい) - 語源由来辞典
gogen-allguide.com › 「あ」から始まる言葉
【甘いの語源・由来】. 甘いは、文語「あまし」の口語。 甘い味は「美味」の意味で多く用いられることや、熟した果実の甘い味を「うまい」と表していたことから、「うまい(うまし)」が転じて「あまい(あまし)」になったと考えられる。 また、「あじ(味)」の「あ」は「あまい」の「 ...
うまい - 語源由来辞典
gogen-allguide.com › 「う」から始まる言葉
うまい. 【意味】 うまいとは、(旨い・甘い・美味い)飲食物などの味がよい。おいしい。(上手い・巧い)技術や技量が優れている。(旨い)都合が良い。好ましい。 【うまいの語源・由来】. うまいは「味が良い」意味が原義で、語源は果実が熟して甘美な味になるところ ...。 . . . 本文を読む
第8章は、色彩語彙をとらえる。タイトルには、赤、青、黒、白を挙げる。これを原始色彩語彙と呼び、色名から、派生語、複合語など語構成を見てその相補分布の際立ちを原始色彩に分析する。また青色の使い方は日本語には特徴があるので、青くも、白馬、青物、青野菜、青信号と、その色を確める。さらに、分析光にかけてに虹色を認識する違いを述べている。 . . . 本文を読む
第7章は、着る 被る、はく、はめる について、意味区分をする。日本語の着ると、英語のwear の違いを取り上げている。日本語では、身につけること、上から下か、下から上か、部分性によって分けられている。 . . . 本文を読む
第6章は、ごはん というタイトルである。説明は、いきなり馬と羊の呼称でモンゴル語の具体例があって、その細かな呼び分けを知る。日本語で、魚の呼称にも、地域に違いがあったり、出世魚と也ばれたりする例がある。意味分析には、ごはん の使い分けがあるので、それを取り上げている。稲、米、ご飯と、そこに加えて、ライスがある。イネ、コメ、ゴハン、ライス、rice について、意味成分表を挙げている。 . . . 本文を読む
日本語教育の語彙を城生佰太郎著作によって進めているが、音声学研究者の立場で書く日本語教育の音声と違って、説明の境界がよくとらえられないところがあって、理解が得られない。言語学の立場を持とうとして、それはおのずと国語学との違いを闡明にしようとするものであるが、そこに立場の揺れがあるのは扱う内容によることである。つまり、語彙は国語学で語彙論を分野とするので、意味論を分野とする場合の、日本語学での意味論と語彙論がとらえられないことになる。日本語学は語彙・意味としての分野をもつ。これは日本語教育に焦点を当てたことだけではない。日本語の語彙の議論を展開するについては、語彙分析が手法として確立されていないともいえるからである。国語学の語彙論が作り出した国語の語彙の分析は文献学を基礎に古典語と現代語の証拠を求め証明する手法を確立してきているので、それを踏まえた語の見方には日本語の実情に見合うものである。城生氏が国際レベルの考え、見方、切り取り方という、いわば言語学であるという立場の表明には、意味論導入で解決を持とうとする困難な日本語がある。を . . . 本文を読む
単語と形態素を説明する。単語は、語として扱う。語は意味の単位とされているが、文章、文、語というときに、最小の意味単位とする。その最小の単位をさらに分けて、意味を持つところで分ければ、形態素がある。形態素は意味の最小形式として、単語より、語の捉え方の下位においての分析に用いる。語構成を主たる意味を担う部分とそのほかの意味を持つ接辞に分けることができる。意味の部分を語基と呼ぶ。 . . . 本文を読む