訴訟嫌いが まことであれば なんであるのか おみくじに？

新年の不思議発見どどいつ(1)
日本人は「訴訟嫌い」で「和解好き」だと言われるが、私は弁護士時代から疑問を抱いて来た。いざ裁判になると一歩も譲歩せず、徹底的に相手を打ち負かそうとする人たちを多く見て来たからである。
初詣のおみくじを見て、改めて発見した。昔からの多くのおみくじには「訴訟」や「あらそひ事」の項目がある。本当に嫌いならば、こんな項目は無いはずではないか。訴訟の勝ち負けまで占うとは。
日本人は「訴訟嫌い」というよりも、「訴訟に負けず嫌い」と言った方が正確なのではないか。

知的財産 判決文も ホームページに 載せましょう

最後に知財高裁編。
昨年は題材に取り上げたのは後掲の３件だけだったが、対象商品名が明確なので、都々逸で掛詞を作りやすい。
そんな事より感心するのは、知財高裁はホームページに判決文を掲載するのが迅速で充実している事。他の下級審よりも、知的財産としての判決文の重要性を認識しているからだろうか。見習いたいと思う。

それはアンフェア！ 「赤毛のアン」を 赤の他人の アンさんが？
「一粒五倍」の 立証が無の キシリトールじゃ 通らない
「ひよ子」の形は にわとりが先 名菓メーカーじゃ ないわいな

高裁判決 破棄された上 代わりに控訴を 棄却され

続いて昨年の判決都々逸十選(高裁編)。
高裁での逆転判決・決定の事例ばかりを集めてみた。
最高裁や地裁の十選と違い、元の判決がすぐには思い出せないものが多いと思うし、微妙な事案が目立つように感じられる。
もし、最高裁が高裁の逆転判決を破棄して一審判決を支持する場合、その判決主文は、
「原判決を破棄する。本件控訴を棄却する。」
となる。
最高裁でどうなるか？。高裁の判断は本当に難しくなったと思う。高裁受難の時代かも知れない。

「うちの肉まん ドーナツてるの？」 役目果たさぬ 取締
「起訴は良い良い 控訴はロス」と 控訴審では 通りゃせん
代理出産 認めネバダめ 代わりの手段に 向井ましょ
取り違え時には 分からぬ「じこう」 「すみだ」と言えない 「しんせいじ」
ごった返して ひっくり返る 「シモキタ」駅前交差点
客の黒人 追い払うとは やはり度が過ぎ 色眼鏡
医師の卵に 深酒させて 救護せぬとは 断腸ね
「ドーナッてるか！」と つけこむ弱味 出す金銭を 憎まんか？
はたち過ぎれば ただ「手遅れ!」じゃ 学生「無念！」 禁じ得ぬ
個人情報 「防衛」せねば 「省」が使うと 省吾さん

来なきゃ来ないで 淋しいけれど ハード・ケースは 大変だ！

昨年の判決都々逸十選(地裁編)。
例年以上に注目される判決が多かった印象があります。
いずれ劣らぬ難件（ハード・ケース）。
中村治朗元最高裁判事は、裁判官は「いつ訪れるかもしれない難件、あるいは遂に訪れることがないかもしれない難件を立派に処理できるような能力をつけておくという目的に照準をあわせて、ふだんの勉強と努力を重ねていかなければならない」とおっしゃったそうです。

差止判決 激震受けて 動揺隠せぬ 電力界
たった2キロで 線引きしても 円くおさまる わけがない
廊下走っちゃ いけない園児 急いじゃいけない 民営化
どんな楽園？ 見て来たような 日本政府の 勧誘で
トンネル抜けたら 雪国からも きっと「じん肺」 なくせるよ
銚子合わせて 飲んだら乗るな 先に帰って 乗らせるな
ビラを扉に 配っただけで 逮捕されたら 「かつしか」ない
フィブリノゲン 取消しだけは 対米追随 なぜCない？
過労自殺は 退職後でも 保母明らかと 認定を
心の問題 不当な支配 歌えと命じちゃ 違憲でしょ