GREAT LOVE KINGDOM

山を楽しむために生きる。

(9)FORTY DEUCE/NOTHING TO LOSE ☆☆★★★

2006年05月16日 13時05分06秒 | 私的名盤

ネオ・クラシカル、フュージョン、ジャズ、ブルーズ、ファンク、ソウル、ハード・ロックとキャリアを通して様々なジャンルを網羅して来たリッチーだが、ここまで純粋にハード・ロックに陶酔したのは初めてではないか。

L.A.を拠点に活動するハード・ロックバンド『BOMB CHILD』。
~TAKA(G.&Vo.)、ARI(B.)、THR3E(Dr.)~

ジミ・ヘンドリックスに憧れ、14歳の時に渡米したという京都生まれのTAKA率いる『BOMB CHILD』。彼らのライヴに感激したリッチーが楽屋を訪れたことをきっかけにコラボレーションへと発展し『FORTY DEUCE』が結成される。

このバンドの結成がアナウンスされた時、『どうせリッチーのバック・バンドなんだろ?』と即座に思ったが、アルバムを聴いた瞬間・・・“違う”ことはすぐに分かった。

兎に角、楽曲やギター・プレイに“リッチーらしさ”は殆ど感じられない。
全編に渡ってメランコリックなムードが漂い、憂いに満ちた楽曲の数々をシンガー=リッチー・コッツェンが極上の作品に歌い上げている。

おそらく楽曲はTAKAのペンによるものではないか。日本人ならではの繊細なメロディー。そして哀愁。これが見事にリッチーの声にマッチしている!

しかし、残念なことに歌詞が余りにナンセンス。これで☆一つ減点ね。

雑誌のインタヴューに『FORTY DEUCEはもう終わった。』とあった。
やっぱりねって思ったが、アルバム1枚で終わるにしてもせめてライヴは観たかった。

本当にリッチー様は気まぐれというか、器用貧乏というか・・・

そもそも(間違いなく)親日家でもないのに“日本語ヴァージョン”(TAKAの姉の猛烈な日本語指導があったそうです。)を収録したり、ガンダムのカヴァー・アルバムを作ったり・・・

ガンダムは明らかに“金儲け”だろうけど、『FORTY DEUCE』は純粋に評価されて欲しかったと思います。

ガンダムのアルバムではかなり手抜きなヴォーカルが印象に残りましたが、このアルバムはかなり気合を入れて歌っています。
ヴォーカリストとしてのリッチーが好きな人は絶対に聴くべき1枚です。

ちなみに。
【私的名盤】は“同じアーティストのアルバムは選出しない。”ことにしています。
『FORTY DEUCE』はリッチーのプロジェクトではなく、TAKAがイニシアティヴを握る“バンド”だと判断したので選出しました。
【私的名盤】は自分の所有するアルバムの2~3%を選出したいと思います。
なので、20枚前後で打ち止めになる予定です。





(2005年・キングレコードよりリリース。)
1.INTRO 2.OH MY GOD(I FUCKED UP AGAIN) 3.I STILL 4.START IT UP 5.COMPLICATED 6.SAY 7.HEAVEN 8.STAND UP 9.NEXT TO ME 10.STANDING IN THE RAIN 11.WANTED 12.NOTHING TO LOSE 13.STANDING IN THE RAIN(JAPANESE VERSION)

コメント (1)
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