おはようございます。
松山ケンイチさん、長澤まさみさん主演の「ロストケア」を観ました。
訪問介護士(松山ケンイチさん)が42人の高齢者を殺めてしまう。その事件の容疑者に検事(長澤まさみさん)が向かい合うという話し。
もう何年も前に介護という仕事…環境に対して情熱や感情を失ってしまったボクでもこの映画は凄く考えさせられることがあった。
仕事のことはブログに書かないと決めましたが今日は書く。
「暴れる」「殴りかかってくる」「夜中に大声で叫ぶ」「部屋や服をウンコまみれにする」などなど。
20年以上、認知症介護の仕事をして来て色々な人を見て来た。
泣きそうなほど辛いこともたくさんあったが耐えられたのは仕事だから。
仕事だから「あと○時間耐えれば家に帰れる」と思い耐えて来た。
ボクは施設で働いているから耐えられるけど家で認知症の人を介護するというのは認知症が悪化した場合は地獄だと思う。
「部屋や服をウンコまみれ」にされても施設なら汚れた布団やシーツは業者がクリーニングしてくれるし、酷い場合は職員複数で対応出来る。
そしてなにより時間が来れば帰れる。
しかし家でこれをやられたら全部家族がやらなきゃいけないし終わりはない。
そんなことになったら「早く死んで欲しい」と思うのは当然の心理だと思う。
この映画は介護という設定になっているが、2016年に起きた「相模原障害者施設殺傷事件(やまゆり園事件)」を連想してしまう。
高齢者介護と障害者介護、犯人のキャラクターは違えどボクらが考えなければいけないと言うか逃げられない問題としては同じテーマだと思う。
やまゆり園事件を起こした植松は19人も殺しているので死刑は免れない。
でも彼の思想は全否定出来るものではなく介護、福祉の難しさと矛盾を浮き彫りにさせたと思う。
少子高齢化。
まずこれが絶対的に逃げられない現実。
高齢者や障害者という社会的弱者と呼ばれる人達。
若い人達、健康な人達の時間や働いたお金の多くを彼らのために使うのは正しいことなのか?
きっとみんな通る道だと思う。
グロいシーンはないので是非観て欲しい。
ケセラセラ☆