夜勤明けはいつも青い空と大きな雲に癒されます。
『ああ。なんてちっちゃいんだろうオレ。雲のように寛大になりたいな。』と思うのです。
心のちからのお婆さんの話し。
介護の記事を書くにあたって、余りにエグいことは書くべきではないと思っております。
その入居者さんのプライドに触れてはいけないし、面白半分なものになってもいけない。
しかし、奇麗ごとばかり書いているのもどうかと思い、今回の記事を書くことにしました。
介護という仕事、認知症の方には、もう一つの側面があるのです。
入居から1ヶ月が経ったお婆さん。
先述の記事では『“心のちから”によって見違えるように改善した。』と書きました。
しかし、現状は大分違って来てしまいました。
環境や職員には大分、慣れて来たのは間違いないのですが“認知症”(アルツハイマー型)は凄い勢いで進んでしまっていると思います。
(認知症は治すことは出来ないので、遅らせる《ゆっくり進行させる》ことが大切。)
【食事】・・・今までは一品づつ凄い勢いで食べていたのに・・・今日の朝は“煮物、とろろ、梅干”を全て味噌汁の中に入れて食べていました。(本来は職員が止めてあげれば良いのですが、人手のない朝はそこまで配慮出来ないのが現状です。)
今までは食事を残すことなんかあり得なかった。人の食事にまで手を出すのだから。
しかし、最近は食べ物を口に運ぶまで『これは食べ物です。』という理解が出来ないらしく、食べものを不思議そうに見つめていることが多くあるのです。
人が鼻をかんだティッシュペーパーを口に入れてしまうこともあります。
【排泄】・・・これが一番の問題となっています。先日は敢えて記事にはしませんでしたが、自分の排泄物(大便)を手でいじり、部屋の壁やベッド、衣類・・・あらゆるところに塗りたくるようになってしまったのです。
本人は相当困惑しているのでしょう。普通にリハビリパンツ(要は履くオムツ)の中で失禁をしてくれれば良いのですが、脱いでから失禁していたり、失禁した後のリハビリパンツやパッドを自身の手でちぎってしまったり。(リハビリパンツやパッドをちぎられると掃除が本当に大変・・・掃除機では吸えない“たらこ状”の吸収剤があらゆるところにベトベトとに付着するので、何度も何度も雑巾掛けしなくてはいけないのです。)
今日は午前の3時と6時の2回、大仕事をする羽目になりました。
『穏やかな気持ちでケアしよう。』と思っていても、この状況で冷静で居るのは凄く難しいです。お婆さんも好きでこうなっている訳ではない。お婆さんにも輝ける幸せな日々があった。それは分かっているのです。認知症の入居者さんの尊厳を守り“介護”しなくてはいけないことは分かっているのです。
しかし“もう!何でこんなことするの!”と言う気持ちで一杯一杯になってしまうのです。
現在、ボクのフロアのパートさんは本当に“心あるケア”が出来る人ばかり。
日々、勉強になることがたくさんあるし、とても頼りにしています。
そのパートさんたちも相当ゲンナリしているのが現状。
日中は徘徊が酷い。
職員に慣れてきたせいもあり、何をやっていても職員の後をついてくる。
これをやられると職員は仕事になりません。
正直、ボクは『徘徊したければ、納得するまで歩かせてあげれば良いじゃん。』と思います。しかし、このお婆さんは後頭部にまだ癒えていない大きな生傷があります。(入居前に出来たもの。)
通常、人が後方に転ぶ時は尻餅を着くか、受身として手が着くと思います。
しかし、このお婆さんの場合は“受身”を取ることもなく頭から地面に落ちる可能性があるのです。
もし仮に、このような転倒があった場合、ホームでは当然対応出来ないので救急搬送となります。
そんなお婆さんを放置する訳にはいかないので、職員は常に近くで見守ってなくてはいけないのです。
ぶっちゃけ、それが仕事といえばそれまでです。
しかし、一人の入居者さんに一人の職員が付きっ切りになる訳には行かないので、問題となっているのです。
この仕事。ボクにはまだまだ理解できないことばかりです。
これからもっと勉強して、色々なケースに対応出来るようにして行きたいと思います。
この記事を不快に思った方がいましたら申し訳ありませんがご意見下さい。
今後の参考とさせて頂きます。