孫娘は小耳症

孫娘(2021年4月生まれ)は左耳小耳症で両耳難聴です。
頼りない娘を支えつつ孫娘の成長を見守ります。

大きいばあばに会いに行く

2024-12-04 20:13:33 | 3歳半から

わたしの母は98歳です。

2年まえに大腿骨頸部骨折をするまでは、どこへでもふつうに歩いて行っていました。

骨折後は車椅子生活になり、近くの(車で20分)老人ホームで暮らしています。

かなりの認知症で、奇跡的にわたしのことがわかる以外は「すべて茫漠たる霧の中」という感じです。

 

先日、面会にマメを連れて行きました。

3時のおやつのあとで、母をふくめて20人くらいの老人が食堂に残っていました。

母のそばに行って「こんにちは」と声をかけると、

「ああよく来たね」と、すぐにうれしそうな笑顔になります。

 

ところが、マメを見ても無反応。

まったく興味なさそうです。

「**のこどもだよ、マメっていうの、3歳だよ」と紹介しても

「......」

 

マメの顔に不審そうな表情が浮かびます。

周囲のおとなからチヤホヤされることに慣れっこのマメ、こんなふうに無視されて戸惑っているようです。

 

でも、すぐに「そっか」という表情になり、

持っていったお絵かき帳を広げて、何やら描き始めます。

そして「これ大きいばあばだよ」と、かわいらしい絵を見せてくれます。

 

ここでようやく「この子だれの子?」という質問が母から発せられます。

「**の子だよ、マメっていうの」

「へぇ〜」

(この問答はその後10回くらい繰り返されました。)

 

しばらくして、食堂から母の部屋に車椅子を押して行き、トイレの介助をします。

「ほら、ズボンとパンツ下げるよ、しっかり手すりにつかまって」

「やだよ〜、出ないよ〜」

「すわれば出るよ、ほーら出たでしょ?」

などという場面を、目を丸くして見つめるマメでした。

 

帰るときは「もう帰るの?寂しいなあ」と言いながら、部屋の戸口で見送ってくれる母。

何度もふりかえって手をふるマメ。

「また来るね、バイバイ」と。

 

3人で過ごした小一時間のひととき。

フラットで落ち着いたマメの態度を見て、心がほっこりしました。

「3歳のマメが98歳の母を理解していたわってくれている」ような気がして。

マメとわたしが、介護の同志のような気がして。

 

さて、大きいばあばから予想外の「塩対応」を受けたマメですが、

ほかの入居者さんやスタッフさんからは「なんて可愛い!!」の声援が飛び交いました。

近寄って髪をなでたりするひともいて、まるでアイドルとファンのよう。

まんざらでもない表情のマメでした。

 

ま、これって「鳥なき里のこうもり」なんですけどね。