今から40年まえ、
わたしは3人の幼い子どもの母親でした。
小さい子特有の「わけのわからなさ」が苦手だったわたしにとって、子育てはけっこうしんどいものでした。
あるとき、(テレビか本で)、こんなことを主張する母親に遭遇しました。
「子どもって好奇心のかたまりですよね」
「なぜ、どうして、が無限に出てきます」
「その発想に、おとなが驚かされることもあります」
「ひとつひとつの疑問にていねいに答えると、子どもの顔が輝きます」
「子どものせっかくの知的好奇心をつぶさないよう、いつも心がけています」
とか何とか。
「ウッ」となりました。
世の中の「良いお母さん」て、そんなことやってんの?
ムリムリ、わたしにはムリ。
フルタイムで仕事してるから、という言い訳がスっと浮かびましたが、自分ではよくわかっていました。
仕事してなくとも、わたしにはできない。
「小さい子どもの疑問にいちいちていねいに答える」なんてこと。
だって、めんどくさいじゃん。
ところがところが、いまのわたし。
マメの「なぜ、どうして」に、じつにていねいに答えているんです。
少しもめんどくさくない。
ていねいな質疑応答を通じて、
*マメの言語発達がすすむだろう
*周囲の事象への理解も増すだろう
と予測がつきます。
そういうことのためなら、一日中だってマメの質問に答えられます。
たとえば、高速走行中。
「何でまわりに壁があるの?」
「車がスピード出すと大きな音がしてうるさいからね、まわりに住んでいる人が困らないように壁作ってるんだよ」
「じゃあ、何であそこは壁がないの?」
「あのへんはまわりが畑で、あんまり人が住んでいないからだよ」
「ふーん」
3歳の幼児と(子・孫を問わず)これほどていねいに会話するのは、わたしの人生で初体験。
「わたしにもこんなことができるんだ」と驚いています。