Sydney Yajima


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米国の経済の行方

2017-02-08 05:02:18 | 経済

アメリカのマネーサプライの図を見ていただきたい。

2002年までの推移は緩やかだったが、それ以降 急激に上がっている。

これが何を意味するのか?

それを語る前に、まず、「お金とは何か?」

について私の考察を書いてみたい。

勘違いされる二つの違いがある。

それは、あなたの持っているお金と、通貨の違いだ。

これら二つは、同じように見えるかもしれないが、実は違う。

お金を刷るという行為は、世界中の様々な国で行われていて、それは、しかし、同じシステムの下で作られている。

かつて、人々は物々交換をしていた。

あなたが畑で採れたかぼちゃを三つ持っていけば、漁師は魚3匹と交換してくれた時代だ。

しかし、それは、絶対的価値というものがなく、持ち運びは難しいうえに、耐久性もないものばかりだった。

そこで、人類は考えた。

何かもっと普遍的なもので 魚やかぼちゃにとって代わるものはないだろうか?と。

古代エジプトでは、金や銀がお金の代わりに使われていた。

まだ、当時は、硬貨というものではなかったが、地球と言う惑星の誕生とともに、限られた資源として、存在する希少性のある鉱物が使われたのだ。

その後、硬貨となり、それが、お金の起源である。

ニクソン大統領の頃までは、ゴールドとUSドルは、交換されていた。

しかし、ゴールドは限りある資源であり、それをドルとペッグさせることは、マネタリー政策にとって実に厄介な天井だと気が付いた金融業界は、ドルをそれ自体が価値のあるものとして、独立させたわけだ。

つまり、ゴールドは、他の様々な金属の一つということになり、それを相場で買うことはできるものという位置づけにしたわけで、ドルこそが世界の基軸通貨だと定義したわけだ。

最初に言っておくが、これは、詐欺である。それも巧妙に仕掛けられた詐欺だ。

うまい詐欺というものは、大々的にいかめしくやれば、本当に見えてくる。

アメリカドルに限らず、日本円にしても、あるいは韓国のウォンであろうとも、子供たちは小さいころから、お金というものが貴重なものであるという教育を徹底的に植え付けられる。

誰も印刷された紙だとは思わない。

お金だという。

だが、それは惑星の中にある希少金属とは比べ物にならないただの人工的な紙なのであるという事実は、何度も自分自身で打ち消す努力をしなければ、ついついまた、元に戻ってしまうほどの巧妙な仕掛けで、誰の心にも価値あるものだと思われることに成功した。

5歳の子供ならば、お金とゴールドを並べてどちらがより価値があるのか?

と言えば、間違いなくゴールドを選ぶのだが、年を取った学者たちはドル札の束を選ぶといった実験がなされたことがある。

 

お金がどんどんと刷られ、アメリカはそれを使い、世界中から様々なものを買った。

自分たちで作るものは、米ドルだけだ。

それで何でも買える。

「まったく、素晴らしい」とアメリカ人たちは思ったであろう。

だが、残念ながらその幸福は長くは続かない。続く道理もない。

 

リーマンショックを経験した後、アメリカは、さらに米ドルを刷った。

刷った米ドルは、アメリカから世界中に散らばった。

多くの新興国はそれによって、発展を経験した。

とくに、中国は顕著だった。

 

さて、最初に書いたお金と通貨の違いについて、ここで書かなければならないだろう。

お金とは、あなたのポケットに入っているお札のことだ。

例えばあなたが、10ドル持っていて、それは使わないお金なので、銀行に預けるとする。

銀行は例えば1割の利息を一年後あなたに支払うとしよう。

銀行に残るのは9ドルである。

だが、銀行のコンピューターには、10ドルと書かれる。

そして、それを銀行はほかの誰かに貸す。

ここからはお金を貸すのではなく、銀行の証券と言う形で、あるいは小切手と言う形で貸す。これが通貨だ。実際には存在しない数字だ。

その数字は、10ドルのお金を担保に振り出される。

つまり、ここで、トータルで10ドルの現金+10ドルの通貨=20ドルに膨れ上がったわけだ。

これを、銀行A→ 証券会社B → 保険会社C → 銀行 D → 銀行E

などと様々な国や機関を通るうちに、あっという間に通貨は何十倍にも膨れ上がっていく。もともとは10ドルの現金だったのに。

 

こういうからくりが、富の分配の不平等を引き起こし、そして、富むものと貧しい者と作り出す。

富むものは、システムの中にいることができるものだけだ。

それ以外の人間たちは、生きていくことが、やっとになる。

 

その結果、通貨にしても、お金にしても、どうなるのか?

歴史的に言えば、かつて存在したお金は世界に600種類以上あり、そして、それらはことごとく、無くなった。

そう、無くなったのである。

エジプト時代に使われていたゴールドは、延べ棒やコイン、あるいはジュエリーなどの様々な形に変えて今でも、世界中のどこかに存在しているであろうが、お金は600種類もあったものが、跡形もなく、すべて、消えたのである。

米ドルだって例外ではない!

いずれ、その600種類の仲間入りをする運命なのだ。

お金のデザインや呼び方は様々であっても、大体消え方は同じだ。

それは、刷りすぎてしまい、一気にインフレになり、インフレが食糧の値段を上げて年間40%以上の上昇を記録したら、その国は革命などが起こり、反乱がさらに疲弊させたのち、気が付いたら新しい国ができて、古い通貨は消えてなくなるのだ。

 

今、アメリカがせっせと刷ったお金が、そのアメリカ人が選んだトランプ大統領の利己主義な政策のせいで、あるいは中国の経済破たんのせいで、一気にアメリカに還流しつつある。

それは、実は大変なリスクを含んでいる。

つまり、アメリカに戻ったドルは、あっという間に、アメリカのインフレにつながるだろうということだ。

イエレン議長が、インタレストレートを上げるとか、あるいは金融緩和をやめていくといったポリシーは実はこのことを懸念しているからだ。そして、今の時点で彼女の苦しい胸の内を理解できているひとは、あまりいない。これは実は悲劇だ。

 

さて、アメリカにそのようなインフレが起きた時、中国はどうなるだろうか?

現在中国は、インフレと通貨暴落の狭間にいる。

元の暴落を防ぐために年間5000億ドルも米ドルを売って中国元を買い支えている。

その中国の持つ、米ドル資産が枯渇するまで、今のまま続けたなら、3年しかもたない。

今日のニュースで3兆ドルの外貨準備が割れたというニュースが出た。

もっと前から分かっていたことで驚くにはあたらない。

だが、このままいけば、中国の元はいつか暴落が支えきれなくなることは、自明であり、その後、増えすぎた元・・・誰も信用しないし持ちたがらない・・・元の価値がなくなると、スーパーインフレが起きてしまい、中国はオイルなどの核心的な資源を買うこともできなくなる。そして食糧の価格が暴騰し、40%以上のインフレ率を経験すると、どうなるかは、私が言うのではなく、歴史を真率な態度で標榜すれば 自ずから分かるであろう。

 

 

 

 


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