Sydney Yajima


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中国の経済の今後について

2017-01-06 00:59:25 | 経済
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グラフをよくご覧いただきたい。
これは、米ドルと中国の元の比較である。

ごらんのように2015年以降、中国の元は、弱くなって2010年の水準にまで下がっている。


ドナルドトランプは、「すべての中国の製品に対して45%の関税をかける」と選挙時に公言したことは、御存じのとおりだ。
元安は、中国の製造業輸出にとっては追い風になる。
だが、同時に、それは米国にとっては、太刀打ちできない価格競争を今まで以上に強いられる結果ともなる。

ドナルドトランプが、本気で公言通り、45%の関税を中国製品に課すとは、誰も思ってはいない。
それは、中国の希望的観測ではなく、あまりにも唐突であり、乱暴であるという観測からだ。
また、米国内にも、ビジネスとして中国に関税をそこまでかけられると、成り立たなくなる業種も多々あり、反対論が噴出することは、容易に想像できるからだ。

しかし、二つのスーパーパワーが対立する構図はますます激しくなるだろう。
貿易戦争とも、あるいは経済戦争ともいわれることになるだろうが、激しい戦いが、幕を開けようとしている。

中国に取っては、分の悪い戦いになるだろう。

まず、なぜ、元安が今起きているのか?
という原因を、考えてみれば、それは 習近平の肝を寒からしめるに違いない。

原因は、中国人自身が作っているからだ。
中国は、自分たちの資産に対して鋭敏な感覚を持っている。
それは、いかなるボラティリティが襲ってきても、自分たちの資産を守るために、どうするべきかを考えるというものだ。
そして、その中国人が、合法、非合法に限らず、ありとあらゆる方法で彼らの資産を米ドルに換えているのである。
それが、今日のドルを押し上げる力となり、元の暴落を誘っていもいるのだ。

私は、今 暴落という言葉を使った。

暴落とは言い過ぎではないか?
たしかに下がったとはいえ、まだ、2010年の水準になっただけだ。
という声が聞こえてきそうなほど、激烈すぎる表現に聞こえるかもしれない。

だが、現在の元は、中国政府によって、大量に買い支えられているのである。
買い支えられているにもかかわらず、下がっているのだ。

そして、その勢いは止まることを知らず、キャピタルフライトが起こっているまさに、大変な時期だということを、もっと実感しているならば、暴落という言葉でさえ、生ぬるく感じるはずだ。

元がこのまま下がり続けるとどうなるか?

中国の製造業は、高いコストで資源やオイルを購入しなければならなくなるだろう。
それは、製品のコストに反映され、メードイン チャイナの強みである 「安さ」を圧迫するに違いない。
さらに、米国からいくらかの関税をかけられたならば、ほぼ、中国の輸出は太刀打ちできなくなってしまう。

もともと、技術は日本に比べて数年は遅れており、製品の完成度は低い。
日本の中国工場も、中国から輸出するメリットが無くなれば、日本で生産するか、あるいは別のアジアの地域に生産拠点を移した方がより、高い収益をあげることができると考えるはずだ。

かつて、中国への原材料輸出で繁栄した商社が軒並み赤字を出している。
三菱、三井などは、悲惨な状態だ。

つまり、ここに、大きな転換期を読み取る力が無ければ、臍を噛むことになる。
大きな、転換期が今年、2017年だ。

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