11月にはいっても、気温はちょっと高めですね。
袷の着物が暑くて、開炉の気分が盛り上がりません。
でも口切りの茶事を勉強したいという方達のためにも、
さっそく炉のお点前の復習もしなくてはなりません。
皆さん汗をかきかき、炉の前に坐っていますよ。
ところで、
炉の切り方には八通りありますね。いわゆる「八炉」です。
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どこのお稽古場でも普段のお稽古は、
ほとんど本勝手の出炉でしていると思います。
これが八畳であったり、六畳であったりしている。
ですからなかなか他の切り方のお点前をすることは少ないと思います。
風炉のように持ち運びできませんから、
炉の切る場所は一か所になってしまいます。
それでも時々置き炉を使ったり、座る位置を変えたりして、
工夫して、お稽古をするのですが。
国宝の茶室「如庵」写しのお茶室で、
今日出向いた先で、お茶を点てることになりました。
「如庵」は織田有楽が、建仁寺正伝院に建てた茶室です。
間どりは二畳半台目で、炉は向切りで、下座床になっています。
「如庵」写しの茶室には時々出会いますが、私はとても好きです。
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今日はお点前をすることになることは、分かっていたのですが、
茶室の間取りの情報を得ていなかったので、ちょっとあわててしまいました。
それぞれの道具の置く位置を思い出して、やっと落ち着きました。
これで逆勝手でなくてほんとうによかったです。
さてお点前に入ると薄暗く、茶碗の中ほとんど見えないという状態で、
感覚だけで点てた濃い茶でしたが、
何年かぶりに先生にも飲んで頂いたお茶を、
「美味しかったですよ」
言っていただけたのはとても嬉しかったです。
弟子の立場に戻って褒めてもらう瞬間・・いいですね。
思わぬところで、炉の切り方を再認識。
どんなお茶室でもあわてることなくお点前ができるように、
いつでも心得ていなくてはいけないと思いました。