メロディーバースディーカードが届きました。
家族との誕生会などすることが無くなった私ですから、
覚えてくれている人がいるだけで、幸せです。
そんな日に、なんと鰻持参でお稽古にきてくれると。
同い年の、お友達弟子さんです。
「こんな時だから、離れて静かに食べましょうね。」
というわけで、朝からテーブル配置を考えて、
到着時刻に合わせて、ご飯を炊いて、
お味噌汁を作って待っていました。
間を空けて、向き合わずに座れるようにしました。
まだ暖かいウナギを受け取って、
炊き立てのご飯に乗せて、鰻重の出来上がり。
「あのね、実は今日は私の誕生日なの」
「わあ、ぐっとタイミング」
というわけで、頂いたバースディカードの、
可愛いロメデイを聴きながら頂きました。
久しぶりにいただく鰻重は、とても美味しくて、
五臓六腑にしみわたり、満足感でいっぱいになりました。
いただく前は写真を撮ろうと思っていましたが、
目の前に置かれた途端、もう食べることに夢中で、
あっ写真と思った時は、食後の片付けが終わって、
既に濃茶の点前が始まっていました。
「今日は鰻だけで帰ろうと思ったけど。」
というところをちゃんと濃茶と薄茶の稽古もして頂きました。
そんな時間が終わって、入れ替わりに午後のお稽古の方が。
何しろ今は一人ずつのお稽古ですので。
「台天目」のお点前の後、薄茶は「葉蓋」をなさいました。
お持ちになったマイ茶碗が、とてもかわいらしくて、
思わず、お茶を点てていただいて、ご相伴してしまいました。
カラフルな傘と雨粒が、とても楽しいお茶碗ですね。
梅雨の鬱陶しい時には、こんなお茶碗が最高。
お茶を頂くときくらいは正座のできるようになった私は、
ちょっとしたお相伴の時に、
「ああ座れる」と感じることがとても嬉しいです。
お茶しか取り柄のない私です。
美味しいものを外に食べに行けなくても、
どこかにGO‐TO しなくでも、
お稽古をしているだけで、十分に幸せです。
むしろお茶ができなかったら、
何をしても心から楽しくないかもしれません。
そんなことを感じた、静かで幸せな誕生日の一日でした。