実家にお墓掃除の為に帰る。
5月に除草剤を撒いていなかったせいか、雨のせいなのか、竹がかなりの勢いで成長している。
お墓掃除をするつもりが、竹きりだけで2日費やしてしまった。
竹がお墓の下を通って、どんどん生息域を広げている。
人間の手には負えないほどの、竹パワーを改めて知ってしまった。
そして、実家に帰るといつも見慣れていた、玄関の所にいるヤモリが姿を消していた。
家から矢守が消えた?
と思っていたら、家人は違う場所で矢守と遭遇していた。
消えたわけではないんだ。
矢守の事を考えていたら、昔のことを思い出す。
私が小学生の頃は、大雨の時はいつも床上浸水していた。
今のように線状降水帯という言葉もなく、一部の地域だけが浸水していた。
家の前の小川が増水して湖のようになる。家族で浸水する前に机の上に畳をあげる。
浸水被害は一部の地域だけなので、浸水した後もボランティアの人が後から手伝いにくるということはなかった。濡れた畳は重かったけれど、母親が鎌を使って切断していた。私は小さかったので大変だとか、なんで自分の家だけこんな目にあうのだろうという気持ちはあまりなかった。
ただ畳を上にあげないと・・・そういう気持ちだけだった。
私が大きくなると、父親が新しい二軒目の家を建てた。
浸水しないために、道路よりも高い位置に家を建てた。
新築同然の家で、快適に過ごせるはずだったけれど、そうはならなかった。
当時私は他で暮らしていたけれど、強風だったか台風だったか、その影響で二階の家の屋根が飛ばされてしまった。
大元の原因は大工の手抜き工事だったのかもしれないし、想定以上の風が吹いたのかもしれない。
他で暮らしていた私には影響しなかったけれど、父親や母親はなんともいえない耐え難い思いを何度もしてきただろう。
大雨と風の影響、そして熊本地震。
2階の家の柱には、何箇所もヒビが入った。
何度も繰り返し襲ってくる自然災害。
だけどこの家は、私達家族を守ってくれている。
数年前の大雨の時、高い位置に家を建てていたので、周りは湖のようになったけれど、家は床下浸水を免れた。
自然のパワー、もしくは人間が作り出してしまった環境破壊から、この家は私達家族の命を守ってくれている。
何度も立ち上がる力を、私達家族に与えてくれる。
連休中用事があってある家を訪ねた時、友達から空を見るように言われ、空を見上げるとミラクル現象がそこにあった。
眩しい太陽の光で直視できなかったけれど、太陽の下の方にうっすらと出来た輪。
友達から「祝福されている」 という言葉が聞こえてきた。