定員500人のホールには、空き席もチラホラ目立つものの親子連れや様々な年代の観客が訪れていた。司会者が鬼丸さんを知っている人は手を挙げて下さいというと、全員の人が手を挙げるのかと思ったけれど、予想に反して1/3位の人が手を挙げた。吉井雅之さんを知っている人がいたら手を挙げて下さいという問いかけにも1/3位の人が手を挙げた。二人を知らない人達は誰かのお誘いで参加されたのだろうか。用事があったからだろうか、話の途中で席を立つ人や、後ろの方で睡眠学習をしている人もいた。どうしたらそういう人達にも思いが伝わるのだろうか。
鬼丸さんの話は対話型なので、会場の前の席にいた人達は鬼丸さんからちょっとした質問を問いかけられていた。話が進んでいくうちに彼の熱意が伝わってくる。でも今までの講演会で、鬼丸さんは学生から上履きを投げつけられたこともある。又、観客が集まらずに一人だけの為に講演会をしたこともあるそうだ。
講演会の内容は地雷や子供兵といった本に載っていたことで重苦しい話なのに、暗い気持ちにならないように彼は少しずつ笑いを入れていた。
私は地雷原とは一個でも地雷が埋められている場所だと思っていたけれど、例え0個でもその場所に地雷が埋められていると人が思っていたら地雷原になるそうだ。地雷原の中で生活をせざるをえない人達がいるなんて、今の日本では考えられないことだ。
鬼丸さんは問題をみない生き方は楽だという。鬼丸さんが国連の常任理事国のアメリカ・イギリス・中国・フランス・ロシアで武器の輸出をしていると話してくれた。戦争がこの世から無くなったら軍需産業で仕事をしている人達は仕事を失い企業も儲からない。自分達の利権や資源の奪い合いの為に、弱い国に住む人たちから命までも搾取している。この間マイケル・サンデル教授の番組を見ていたら大学生達は、原発は必要だけど自分の住んでいる街には建設してほしくないと話していた。原発推進派達は原発の中間処理施設を自分の住んでいる街に建てることが出来るのだろうか。東京に建てることが出来るのだろうか。軍需産業のCEOや各国の首脳達は、自分の住んでいる家族がいる街を戦場にできるのだろうか。
綺麗事だけでは問題は解決しないとわかってはいるけれど、根本にある考えを変えない限り争いはなくならない。