人間は、神様の偉大さになかなか気付かない。
神様はわたしたちに、驚くべき能力を備えた脳と、繊細でやさしい心を与えてくださったのに。
話をして感情を表現する為の唇、色と美しさに満ちた世界をみるためのの目、人生の道を歩くための両足、働くための両手、かぐわしい香りをかぐための鼻、愛の言葉をきくための耳。
わたしが片方の耳がきこえなくなってはじめて気がついたように、体の一部一部がどんなにすばらしいパワーを秘めているか、それを失うまでは気付かないものなのだ。
アッラーに感謝した。病院の先生達が一生懸命やってくれることも、わたしが回復したこともみんなが必死に生きていこうとするこの世の中に生まれてきたことも、すべて神さまのおかげだ。
いい道を選ぶ人もいれば、悪い道を選ぶ人もいる。
一人の人が放った弾丸が、わたしにあたった。
弾丸のせいでわたしの脳は腫れ、耳がきこえなくなり、顔の左半分の神経が切れた。
ほんの一瞬の出来事だった。