はんなり、万華鏡

京都を中心とした旅行記や文化についてあれこれ。

舞妓ファッション

2008-11-17 21:44:16 | 舞妓の衣装・装飾品

今までも舞妓変身体験関連のいくつかの記事で、舞妓さんの髪型や装いについてちょこちょこ紹介してきましたが、私の舞妓変身体験時の写真を使って改めてご紹介したいと思います。
まずは髪型。舞妓さんの髪は地毛で日本髪を結います。
髪型にはいくつかの種類があり、舞妓さんのキャリアや見た目、行事等で変わります。基本的な髪型として、大きい舞妓(年長さん)は「おふく」、小さい舞妓(年少さん)は「割れしのぶ」という髪型になります。
「おふく」と「割れしのぶ」は基本的な結い方はほぼ一緒ですが、「割れしのぶ」は髷の前と後ろに赤い鹿の子を付け、髷の中央に飾りを付けます。
「おふく」は髷の後ろのみに布を付けます。布の色も割れしのぶは赤いのだけですが、おふくは赤からピンク、水色、紫とだんだんと地味な色(花街によって色をあまり薄くしていかない場合もあります)になります。
髷の位置が「割れしのぶ」の方が若干高く、鬢(サイドの丸く張り出した所)は「おふく」の方が大きくなっていて、 髷の位置が高いほど若く、鬢が小さいほど幼くなるそうです。
だんだんと大人っぽくなってくると、髷を割れしのぶからおふくに替えます。
髷を替える時期は本人の見た目は舞妓さんで出た時の年齢などにより、置屋のおかあさんが判断しているようです。

下の画像は左が割れしのぶ、、右がおふくです。
画像はすべて管理人の偽舞妓写真です。年寄りでお見苦しくてすみません。

 

舞妓さんの花簪は1月・お正月、2月・梅、3月・菜の花、水仙、桃、4月・桜、蝶、5月・藤、菖蒲、牡丹、6月・柳、紫陽花、7月・団扇、祇園祭(お祭り)、朝顔、8月・ススキ、朝顔、9月・桔梗、萩、10月・菊、11月・紅葉、12月・まねき(もち花、竹矢来)というように季節ごとのきまりがあり、これら以外にも種類があるそうです。
友人が栗?の簪を挿した舞妓さんの写真を見たことがあるそうで、どんな感じなのか私も見てみたいです。
6月で傘のデザインも見たことがあります。
舞妓さん個人やお客様がオーダーした簪だと個性的なデザインのものが多いようです。
花簪は季節の決まりだけでなく、大きい舞妓さん向け、小さい舞妓さん向けなどキャリアや行事などでも挿せる物が変わります。
小さい舞妓さんはお店出し(デビュー)から一年ほどまではぶら、びらびらなどと呼ばれるひも状、または房の飾りの付いた花簪を挿し、大きい舞妓さんになればなるほど地味になります。
ぶらが外せる時期は大体は1年ほどですが、外すには姉芸妓や置屋のおかあさんのお許しが必要で、見た目や舞妓さんで出た時の年齢などにより1年経たずに数か月程度で外すこともあれば、1年以上経ってから外す人もいるようです。

下の画像はデビューしたばかりの小さい舞妓さんで向けの物で、左がぶらのついた花簪、右が房の付いた花簪です。
ぶらや房を取り外せば大きい舞妓さんでも使えます。

 

小さい舞妓さん向けの勝山(髷の手前に挿す幅広の簪)は、三段くらいになっていたり大きな作りになっています。

下の画像は大きい舞妓さん向けの花簪と花櫛。
髷の手前に櫛を挿しています。

左側の画像は櫛ではなく細勝山、右側は夏用(6月~9月)の糸巻き櫛を挿しています。
黒紋付の正装時は、大きい舞妓さん小さい舞妓さん共に鼈甲の櫛を挿し、小さい舞妓さんは花簪にぶらは付けません。

 

お化粧ですが、小さい舞妓さんは幼さを出すためにあまり凝ったお化粧ができず、キャリアを積むほどお化粧も凝っていきます。
花街によっても違いがありますが、大体の花街ではお店出しから一年ほどまでは、お舞台などの場合を除き口紅も下唇にしか入れられません。
上唇にもお紅が入れられるようになるのも、簪のぶらと同じように姉芸妓のお許しが必要となるそうです。
上紅を入れない理由は「我を出さない」などと言われているようです。
先斗町の舞妓さんは一年目から上唇にもお紅が入れられるそうです。

舞妓さんのお衣装ですが、裾を引く振袖に長く垂らしただらりの帯。行事や季節ごとに決まりがあり、そしてやはりキャリアによって着られる物が変わります。
お着物は絵羽柄、総柄や小紋柄とあり、最初は両肩に柄があり、可愛らしいデザインのお着物で、次に片方の肩に柄のある物、上半身は無地で下の方にだけ柄のある落ち着いた物、というようになっていきます。
全体的に柄のあるお着物は大きい舞妓さんも小さい舞妓さんも着られるようです。
下の画像は左が大きい舞妓さん向けで上半身は無地で裾に柄のあるお着物、中央は小さい舞妓さん向けで両肩に柄があるお着物、右は大きい舞妓さんも小さい舞妓さんも着られる全体的に柄のあるお着物です。

  

お着物の他に、襟もキャリアによって違いがあります。
舞妓さんの襟は赤地に白や銀の刺繍を施した高価な物です。赤い部分の多い派手なものから、だんだん白や銀の刺繍の部分が多くなって、おふく髷になると白い刺繍襟になります。
一見真っ白に見える襟ですが、実は赤地の土台が見えないほどびっしりと刺繍され手が込んでいて、こちらの物の方が高価だとか。
下の画像は左は小さい舞妓さん向けの襟、右は大きい舞妓さん向けの襟です。

 

帯揚げは、小さい舞妓さんは左下のように子供らしく一文字、大きい舞妓さんは右下のように大人っぽく本結びにしますが、花街によっては大きい舞妓さんになっても暫くは一文字のまま、襟替え直前にならないと本結びにしない街もあります。

 

舞妓さんの履物はおこぼという高さのある物で、10センチ以上あります。
小さい舞妓さんのうちは赤い鼻緒で、大きい舞妓さんになるとピンク、水色、黄色、緑(花街、置屋によってはかなり大きい舞妓さんになっても赤のままのことも)などがあります。
下の画像は大きい舞妓さん用の緑色の鼻緒のおこぼです。

※画像はすべて私が舞妓変身した時のものです。

主に小さい舞妓さんと大きい舞妓さんの違いについての説明になってしまいました。
季節による違いはそのうちご紹介するかもしれません。
私が上記に書いた舞妓さんについての事は、本やネットで自身で調べた事だけではなく、舞妓変身体験を通して変身の業者さんから教えていただいたこと、花街に関わる方々から教えていただいたこととなります。
花街によって、立場によって物の表現やルールも違うので、上記に書いた内容のすべてが絶対ではないということお含みおきくださいませm(_ _)m


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