現代俳句選抄

ご恵贈頂いた書誌から、五島高資が感銘した俳句などを紹介しています。

蜂谷一人 著・句集『四神』朔出版

2024-01-25 | 俳句

ぶらんこの裏まで見せて跳びにけり  蜂谷一人

心太突いて夜空を滴らす  同

龍骨のかたちに日本南吹く  同

林檎むくまあるくほどけゆく時間  同

もう土へかへる桜でありしもの  同

蒼き灯の底を聖夜の魚となる  同

蛤の舌夕暮に触れてをり  同

馬跳びの最後冬夕焼と遭ふ  同

ひぐらしや波の広がる心字池  同

空蟬を残して声となりにけり  同

昼点いて白熱灯や虚子忌なる  同



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