今日は日本で鉄道が開業してから150年。
わたくしは’20年12月中旬から翌'21年3月
末までの3か月半を病院で過ごした。
不注意で骨折したのである。
病床で暇に任せてかなりの本を読んだ。
その中の1冊が「クロカネの道」(江上剛)
である。
鉄道の父と呼ばれる井上勝が主人公である。
わたくしはこの人の名前を知らなかった。
幕末伊藤博文、井上薫などとともに
「長州ファイブ」の1人として国禁を犯して
英国に渡り、ひたすら鉄道敷設に人生を
捧げた人物である。
(国禁を犯したと言っても長州藩は認めて
いて資金も出している)
退院して間もなく
JR高輪ゲートウエイ駅の再開発でかねて
か石垣の一部が見つかっていた高輪築堤
が明治5年(1872年)当時のものと分かり、
21年5月から
本格的な調査をすることになったとの
ニュースを見て「あっ、クロカネの道だ」
と少し興奮した。
我が国初の鉄道が開業した際に
海岸沿いの人たちから鉄道敷設を反対され
海上に鉄路を敷設するために築かれた
構造物である。
2019年4月品川駅改良工事の際に石垣の
一部が発見されていた。
JRとの間でたしょうのいきさつはあったよう
だけれど遺産として一部が残されるこなった。
井上勝がどのようにして鉄道を敷いてきたか
よくわかる面白い作品である。
その日から150年。
わたくしたちはその日から始まった鉄路を
快適に利用している。