昨夜、高校時代の一学年下の友人から突然電話があった。
彼女は実家の近くに今も住んでいる。
彼女の高校生時代からの親友でわたくしもよく知っているKさんが余命1週間といわれたそうなのだ。
Kさんよりもむしろ高校の2年先輩だった彼女のご主人との交流が長く、彼も2年ほど前亡くなった。
彼は晩年精神を病んで誇大妄想病になり、あてもなくタクシーで知り合いの家を訪ね、大金持ちであると吹聴して回ったと聞いた。
高校時代は風貌から怖い先輩に思われたが案外親切で優しい人だった。
精神科の病院に入院して間もなく亡くなった。
妻であるKさんは数年前から痴呆になり、子供は息子は名古屋に、娘は奈良に住んでいるのだが痴呆のまま一人暮らしなので電話してきた友人が何かと世話をしてきた。
お金の管理ができなくなってからは息子がおおむね週1回の割合でやってきて
買い物したりわずかなお金を置いていったりしていたらしい。
その彼女が施設に入所することになって2日目に施設の人が病院に連れて行ったら腹部に癌があり、2週間くらいの命だと診断された。
ひとまず施設に戻ったらすぐ吐血したので急遽病院に入院することになり、もう施設では対応できないからと子供たちが呼ばれ、施設は退去。
病院ではあと一週間の命と言われたと娘さんから親友のところに電話があったそうだ。
彼女には何の痛みもなかったそうだ。
そんなことってあるの?信じられない。
彼女は涙で昨夜は眠れなかったと電話してきたのだった。
親身にお世話してきた長い間の親友に不幸な宣告。
言葉のかけようがなかった。
彼女も息子を事故で夫を長患いののちに亡くしている。
異常なほどの世話好きで、だれにでも親切なだけに悲しみは大きいだろう。
むしろ彼女の心の穴が心配だ。
でもまだ親友は亡くなったわけではない。
彼女は長電話なので少しためらうがなるべく電話をして悲しみを聞く役目を担おうと思っている。