阪神淡路大震災から30年。
神戸で生まれ、幼少期を神戸で過ごした。
それも長田区。
若かったころの父の勤務先が神戸で
あった。
祖父が亡くなって父が故郷に戻ってくる
ことになるまで過ごした。
神戸へ出張があったときうろ覚えながら
元住んでいたところに行ってみた。
幼児の記憶は大したもので適当に
タクシーを降りたら懐かしい家があった。
そのままの姿で建っていた。
その翌年有馬温泉へ行くことにしたとき、
母と弟と立ち寄った。
弟は故郷に帰ってからの生まれでここを
知らない。
母はあまりの懐かしさに玄関の戸を開けて
入っていきそうになったほどだ。
新婚時代を過ごした懐かしい家だったのだ。
そしてあの地震がおきた。
ルミナリエが始まったとき母ともう一度
訪れてみた。
全て新しい家に変わっていた。
もう懐かしい風景はない。
あれから30年。母は亡くなった。
時は足早に逃げていく。