
あのゲーム理論の権威の妻でスーパー中学生の母な産婦人科医が主役。人工授精やら代理母出産やら大学病院やら厚労省やら・・・・そんな中淡々と牙を研ぐ「冷徹な魔女(クール・ウィッチ)」?いや・・・魔女で牙はおかしいか・・・まあそんな話です。
他の作品でもそう言うメッセージは織り込まれていたが、今回はモロ医療制度問題テーマの「社会派」。エンターテイメント度はやや控えめに淡々と重心低めに。その重心の低さゆえのラストのカッコ良さ。重いテーマも読後感は良く、これはこれでこれまた中々の佳作では無いかと。この作品リリースペースでこのクォリティー。やっぱ凄いぞ海堂尊。
きっちり"医療"に向き合ってる人なんだろうなあ・・・と言うのもこれまでの作品に接しての感想。そういう点でもプロフェッショナルだ。しかし現役医師(だよね?)が真っ向体制批判をこんだけ書いちゃうのは・・・大丈夫なの?きっと大丈夫なんだね?大丈夫な人なんだろうなあ、立場的に。そんな余計な事も気になる。この本が馬鹿売れしたら、何かと影響があったりするのかな?
その他、茉莉亜院長の若いときの話が読みたいとか、「そうか・・・ベビーシッターの山咲さんは・・・」とかも色々。なんかそろそろ人物相関図とか・・・・誰か作って欲しい。